『センチレンタル少女』B級未満C級ラブコメ深夜枠

センチレンタル「ガール」と読むらしい。クソ漫画と言って差し支えないと思う。しれっとラブコメ。ただしB級ですらないC級ラブコメ。

別に貶しているわけではなく、そういう漫画なのである。なおレンタルショップが舞台なのだが、表紙みたいな内容を期待してはいけない。ちょっと残念。

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基本情報

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全3巻。センチレンタル「ガール」と読むようだ。またセンチメンタルではないので気をつけよう。作者は蜷津直(になつなお)。漢検持ってる人以外読めないと思う。新人らしい。次回作の構想もあるらしいがいったい……。

漫画全巻ドットコムで思いっきりタイトルを間違えられていて可哀想。

ダメなレンタル屋にありがち 2016年2月20日, 漫画全巻ドットコム
ダメなレンタル屋にありがち
2016年2月20日, 漫画全巻ドットコム

だいたいこんな感じ

蜷津直, センチレンタル少女, 第1巻
蜷津直, センチレンタル少女, 第1巻

↑Yahoo!のパロディをワホーイとするのに一抹のセンスを感じなくもない。全体的にこのノリが続くのだが、このやりとりが面白いほうで、だいたい悉く滑っているのがなんとも。売れない芸人のライブを見ているような気分になるが、ある意味その寒さがこの漫画の特色とも言える。

真理かもしれない 蜷津直, センチレンタル少女, 第1巻
真理かもしれない
蜷津直, センチレンタル少女, 第1巻

↑作中でクソ漫画を描いている人だが、この漫画自体がそれを体現しているだろう。全体的にクソ映画のポリシーを漫画に反映しているように思える。特に第一巻はアクが強い。

会話の9割が小ネタだが尽く寒い。その寒さは基本情報にあるリンク先の第一話を読めば察しがつく。しかし全部つまらないかというとそんなこともなく、時折普通にクスッとくるものもあり、↓なんかは個人的にはヒットだった。

蜷津直, センチレンタル少女, 第1巻
蜷津直, センチレンタル少女, 第1巻

「わからないことがあったら何でもネットで検索してね」は座右の銘にしたい言葉。ちなみにこの人の名前は百合野由利といういかにもそれっぽい感じを狙った名前だが、別にそういう気はない。そういう漫画なのです。この人好きだよ俺。

何度も何度も同じような寒いネタを見ていると、それはそれでこんなもんなのかなと思えてくるから不思議である。ギャグの基本は繰り返しであると再認識する。というか作中でもそのことに触れられており、確信犯的にやっていたのだなと思った。しかしそれを差っ引いても、面白いかと言われるとうん。

また、レンタルDVD屋が舞台だが、その舞台設定もあまり活用されていない。したがって表紙的な内容を期待してはいけない。じゃあ何を期待していいのかというと、それはラブコメ要素だったりする。特に2巻からは、方針転換したのかラブコメ要素が俄然強くなる。しかも、なかなか狙いすましたあざといラブコメが展開される。

蜷津直, センチレンタル少女, 第1巻
蜷津直, センチレンタル少女, 第1巻

↑この後どうなるかは定番どおり。他にも温泉で男湯と女湯を…など定番中の定番をやってのける。絵柄が可愛いので、なんだかそれはそれで読めてしまう。ただし、確信犯的にベタベタのベタを狙ってきており、それは後半にいくにしたがって如実になっていく。それを面白いと思えるかどうかはクソ映画を面白いと思えるかどうかの感性に近い気がする。

なおここでラブコメ展開している男女が、メインのカップルなのであるが、これの男のほうがなかなか良い性格をしており、変人ながら性欲にも忠実で、ちょくちょく面白い。たとえば以下。

蜷津直, センチレンタル少女, 第2巻
蜷津直, センチレンタル少女, 第2巻

↑は花咲さんことお相手の女子に、自分には魅力がないのかと問われた時の回答。一応これは気を使ったうえでの答えであるが、当然のように直後殴られる。なかなか印象深いシーン。ヒットがないわけじゃないのがいいんだか悪いんだか。

最後のほうはほとんどやけっぱち気味なラブコメ漫画になる。カップルがいっぱい誕生する。その様はさながらB級ですらないC級映画のようであるが、この漫画自体がクソ映画をリスペクトしている節があり、そういう漫画なんだろうなという風に思う。ラブコメ好きはラブがコメってさえいれば、内容はどうあれなんとなく満足してしまうのである。B級映画でスプラッタが見られたらとりあえず満足みたいなもんである。

総評

クソ映画的な意味でラブコメ深夜枠。

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