『お母さんを僕にください』胸糞悪い人しか出ないが平常運転

新井理恵, お母さんを僕にください, 第2巻
新井理恵, お母さんを僕にください, 第2巻

↑クソアマどもが生き生きしすぎているクソアマ漫画。ラブコメ的には歳の差カップル擬似家族。

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基本情報

全3巻。作者はタカハシくん優柔不断というラブコメでバッドエンドの前歴をもつ新井理恵なだけに、最後までどうなるのかハラハラしながら読めるよ。でもだいたいわかると思うけどさ。相変わらず強烈な毒気。歳の差カップル好きだなぁ。。。しかし新井理恵はなんのかんのいってラブコメをよく描くなぁ……。

だいたいこんな感じ

新井理恵, お母さんを僕にください, 第2巻
新井理恵, お母さんを僕にください, 第2巻

↑本作で最もほのぼのとしたピークの瞬間を切り取ったが、もちろんこんな平和な漫画ではない。いつもの新井節で毒を撒き散らしながら進む歳の差カップルのラブコメ。ヒロインよりも周囲の強烈な脇役たちのほうが目立っているのも平常運転。

主人公は幼稚園で園長先生やってるクズ男。36歳にもなってあれこれ言い訳しながら園児の母親に手を出しているクソ野郎。やることやっているが、性根が童貞のままなのか、女にファンタジーを抱いており、かつ職員の先生が「自分のことを好きなんだ」と勘違いして痛々しい行動に走ることもしばしば。と書くと救いようがないが、なんだかんだで子供のことは好きらしく、割と真面目に園児たちのことを考えていて、フォローもしっかりとするあたり、人間色々な側面があるものよなぁと思わせる。色恋が絡まなきゃまともなんだが。

そんでまたヒロインの若原が、純粋過ぎるほど純粋で、結果周りに迷惑をかけまくるが純粋を絵に描いたような子なのでなんとなく許されるような感じもする頭の悪い女(19)。いや許されてないか。挙句に姉の子供を押し付けられて、受胎告知を受けたわけでもあるまいに処女のまま母親になる難儀な子。それを特に不幸とも思っていないのが救いのようにも思うしイラつくような感じもする、そんな人。そしてけっこう胸がある。しかし作中一切それに触れられることはない。そういう人。というか園長の抱くファンタジーを具現化させた人がこの人という皮肉。この人も色恋絡まなきゃまだいいんだけど。作中で園長先生を本気で好きになってしまう。遅すぎた初恋に浮かれる。

そんな二人が、お互いの利害を一致(主に子供のこと)させるために偽装結婚してあれこれ、という話。どう考えても合わない二人で、実際合っていないが故に、それはもうすれ違いにすれ違いが重なりまくり、どんどんヘビーな方向に向かっていくけどどーすんの?という話を、キラキラと輝く脇役のクソアマ共を交えて進めていく。というよりむしろクソアマのクソアマっぷりを楽しむ漫画といっても過言ではない。新井理恵はどうしてこうも絵に描いたようなクソアマを描くのがうまいのか。二次元補正きいてるからまだいいけど、これたとえばドラマならかーなりきっついと思われる。

ってか園長がなー、なんというかセクシーで清純な処女(どういうこっちゃ)が好きなタイプっぽくて、若原は清純な処女だけどいかにもオボコなちんちくりんタイプだから、本当にまったく性的にタイプじゃないんだろうなぁ。まったく性的に好みではない女を相手にするって、やれればなんでもいいみたいな男でなければ、ちょっとつらいところがあるのも確か。でもおっぱいだからええやん(下図)。そういうもわけにもいかんか…。

新井理恵, お母さんを僕に下さい, 第2巻
なにげにあざとい乳
新井理恵, お母さんを僕に下さい, 第2巻

↑平然と腕でオッパイ挟めるのにねー。園長先生が若林を好きになれたら、それはそれで平和な話になったんだろうか?いやクソアマーズがいるからやっぱり泥沼やな。

ベクトルは違えど、登場人物漏れなく全員胸糞悪い。解説役、説教役(新井漫画には必ずいるんだそういうやつが)さえも「お前も人のこと言えんやろ」という気持ちが先立ち胸糞悪い。特に胸糞悪いのが主人公であり、同時にヒロインも救えないやつなので、作者も若干突き放し気味ではあるものの、微妙にフォローなのかどうかよくわからんフォローもちょくちょく入る。同情的に描かれている節があるので、色々と複雑な思いが込められていそうである。

人間なんてどいつもこいつも多かれ少なかれクソみたいなもんではあるし、彼と彼女はなんだかんだいいながら、自分の血を分けたわけでもないガキを育てており、ガキはちゃんと育っている、それは評価するべきなんだろう。たとえ立派じゃなくても、クソみたいでも、生き方に正解も間違いもないし、最低限ちゃんとやってればガキは勝手に育つものなんだろうきっと。

総評

胸糞悪い奴しか出てこないけどそれが輝く新井節は健在。不器用ながらもなんだかんだでずるずると続きそうなカップルの誕生話と考えると、風変わりなラブコメとしてよしかもしれない。本質的には一種の家族漫画(といっていいのか?っとは思うが)。

どうでもいいけど下のコマが印象深すぎる。なにこれ。なんなの。

新井理恵, お母さんを僕にください, 第2巻
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