『ピーター・グリルと賢者の時間』1巻感想:原始のハーレムは逆NTRと共に 強い雄は好きですか?

作・檜山大輔。2018年1年。

こーれは原始のハーレム。強い雄が雌に種付けしていくという、生物の本能に素直な世界観。ただこの原始的ハーレムに、人類の築き上げた一つの叡智である一夫一妻的な価値観を混ぜているのが特徴。その結果、「好きな人以外とやりまくる」という最低な逆NTRが出来上がっている。まぁ「好きな人以外とセックスする」ヒロインならば、まったくいないわけではないのだけれど、男の主人公、しかもそれがメインテーマとなると、まぁ珍しいのはそう。色々グロテスクになってしまうしねぇ。

さて、本作はもういつから積ん読しているかわからんなと思ったら5年前に既に読んで記事にしていた。記憶にございません。せっかくなので、五年前の記事と今の記事を見比べて、自分の感じ方の変化なんかを見たいと思った。以下1巻感想。一夫多妻は好きですか?

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前にも読んでた

初読だと思っていたんだけれど、なんか前に記事書いていた。2020年。5年前か。記憶がないのも残当。

恐らく、当時とかなり違う感じ方をしたのではないかと思われ、あえて記事は復習せずにこのまま書いていく。

サラブレッドを求めて

本作はストーリーというより、その設定の妙を楽しむ漫画だろう。ファンタジー世界で、最強めっちゃ強い主人公の子種を求めて、他種族の女たち……1巻時点ではオーガ姉妹とエルフが競って誘惑してくるというものだ。しかし、主人公にはかねてより両思いの恋人がおり、主人公は彼女と添い遂げることを決意している……。

で、これだけならよくあるハーレム作品だが、本作では、主人公・ピーターがオーガ姉妹の誘惑に負けてヤってしまう。これというのも、溜まっていたからだ。性に対して厳格に育てられすぎたヒロイン・ルヴェリアは、性的な知識が欠如していた。それを矯正できないままのピーターは、ルヴェリアと手を繋ぐことしかできておらず、たいそう欲求不満の状態だった。最低ではあるが、男的には致し方ないと思わせる面もある。致し方ないが、やったことはやったことである

さて、その後もピーターはオーガ姉妹に浮気をばらすぞと脅されて関係を持ち続けることになる。よって、浮気の直後に愛を誓うなど最低ぶりに磨きをかけていく。ルヴェリアと共にテーブルを囲みつつ実は下半身すっぽんぽんでオーガ姉妹がいる(ただし舐められたりはしていない)ということもあった。まぁこの時は、機転を利かせてむしろプラス方向にもっていったため、逆NTR感も薄かった。

しかし次の女エルフの時は、男女仕切りのある浴場でルヴェリアに「混浴のお誘い」をされた状態で、ピーターにルヴェリアよりもエルフを選ばせるという、救いも言い訳もない完全なる逆NTR展開をやらかすので、まぁそういう漫画なのだろう。男女逆にしたNTR漫画はいっぱい見たけど、逆NTRは今でも珍しいかもね。

ここまでがだいたい1巻で、1巻でこれだからこの後はどんどん最低になっていくのだろう。

バトロワの果ての一夫多妻

最低とは言ったものの、生物的にはまぁむしろ正しいのかもしれない。実際ハーレム状態を作り上げる生物は多いし、人類においても大昔子孫を残すことができた雄はかなり少数派だった。17人の女に対し子孫を残せたのは1人らしい「大昔に世界中の男性が大量死していた理由が遺伝子の研究で明らかにされる - GIGAZINE」。一夫一妻的であったり恋愛的な価値観に基づいて考えている我々のほうが人類史上の中では稀なんだろうと思う。

しかし、現実に今の先進諸国は一夫一妻だ。強くなった集団は一夫一妻を取り入れた、とも言える。ってかまぁ、上記の記事でも推測されているが、他の生物でもそうであるように、一夫多妻で安定的ということは大量の男が死んでいる、つまり戦って殺されていることを意味するんだろうね。ピトケアン島で1800年頃にあった、凄絶なバトロワの末に男は一人以外全員死亡となった現実のハーレムの話はグロいでしかない

逆に一夫一妻は男たちが協力している社会といえる。男が殺し合ってる社会と協力してる社会なら、まぁ感覚的にも協力している社会の方が社会としては強いだろうなと思う。

そんなわけで、そんな強くなった現代の先進国に生まれた僕らは、一夫一妻的な価値観を生まれた時からたたき込まれてきている。しかし逆に言うと、これは非常に学習的なもので、本能的ではないのかもしれない。だからこそきっちりと学習させられているのかも。実際、本作で最強の雄であるピーターが様々な種族から種を求められるのは、見ていて妙な納得感があった。

僕らはこの本能的なところをある程度抑制し、社会としてはまぁなんとなく一夫一妻かな?って感じを形勢することにいくつかの国家が成功しているわけだが、これはまぁ実際危ういバランスなんだろう。一夫一妻と一夫多妻は、どちらが良いとか悪いというより、純粋に一夫一妻を出来る能力がある社会か、というcanの問題なんだと思う。

あの頃僕らは若かった

そんなわけで、僕はまぁ本作について、「ああ、まぁ、この世界ならそりゃそうかな」という割と冷めた目で読んでいた。それは僕がピーターにはなれない男だからといえばそうかもしれないし、もはやそんな夢も浪漫ももはや何も感じられないお年頃になってしまったためかもしれない。まぁいずれにしても、いかにギャグ調で描かれようと、男にせよ女にせよ、コイツらがどうなろうと知ったことではないなぁ、という突き放した感覚を自分の中で感じた。

ここまで来て、さて前回記事、つまり5年前の自分はどう感じたのかなと思って記事を読み直してみる。

……賢者の時間の意味についてちゃんと読んでいるなぁ。ああ、賢者の時間ってそういう……(昔の自分に教えられる)。そしてピーター・ラビットの風評被害。

逆NTRというか浮気についての考え方は、倫理的には許されないけどうーん……という戸惑っているような感じだった。今よりも少し純な感じがするね。今は「これは浮気するんじゃね。現代的には最低だけど。まぁでも生物ってそうなんじゃね。でもやった以上責任は生じるやろ」とにべもない感じなので、あの頃よりも擦れたみたい。

まぁいずれにせよ、続きポチってるのに読んでないんだから、やっぱりそんなに好きな感じではなかったんだろう。そうだろうなぁ。今回は、地味に積んでいる分は読んでいくつもりではあるけれど、この1巻から本質的な感想は変わらない気もする。

なんとなく思い出したやつ。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 自然界におけるハーレムは雌に有利なシステムだそうで、雄を選ぶ権利があるのは雌側ですからそらそうなのですが、人間社会でこれをやるとまあ大変ですね。主に選ばれちゃった雄君が、というお話になるのでしょうか。

    • そうですね、ハーレムは基本的に雌有利と思います。ただ雄と雌全部で社会なので、人間社会では協力体制の一つとして一夫一妻が発展したのかなぁとか個人的には思います。
      そして本作は完全に浮気なので、構成だけみると一夫多妻族と本命ヒューマンというまがつきあたりと被るんですが、完全なる背徳・不倫・逆NTR漫画となっておりますね。
      本来なら強いはずのハーレムの主が狼狽える様がギャグといえばギャグなのかな

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