君のことが大大大大大好きな100人の彼女 17, 2024-03-18, 中村力斗, 野澤ゆき子。この作品は読んでいる間にコロコロと見方が変わっています。前記事からもまたちょっと変わりましたわ。
さて、今回はちゃんとヒロインの数を覚えているよ。圧倒的成長だな。今のヒロインは25人だ。25人。バカなの……?
まぁでも25人くらいだったらなんかまだあった気がする。絶望先生何人出たっけ?あと大昔女しかいない島にながされたアイツとかどうなったっけ?などと色々思い出して、もう言いたいこと全部言ったわと思っていたんだけれど、また思うところがあって、なんというか、幾多のハーレムラブコメ負けヒロインの怨念を感じた。
本作について一言だけ言うなら、100人の女の子に好かれるのは浪漫でも、100人を好きでい続けるのは難しい。
以下ラブコメとはなんなのかをやけに考えさせられた13-17巻感想。多分何も考えないのが正解。
前回記事

とりあえず点呼
まぁとりあえず点呼からいこう。25人。無理だよ。ぼくにはとてもできない。
いやできる。今まで何人のラブコメヒロインを見てきたと思ってるんだ。本気出せば秒ですよ。表紙はもうあてにならないから、記憶だけでいく。順番は無理。本名も勘弁して。誕生日?○すぞ……。ではれっつご。
- あほから(一番可愛い)(諸説あります)
- どすけべ
- どすけべははり
- 冥土様。
- シスコン
- しずか
- クール
- 美しい人
- けつバ
- 腹減り
- 目隠れ
- もみこ
- くっころ
- メリケン
- 酒
- くすり
- 89
- バイオレンす
- 数
- 田舎
- ちよ12歳
- 物理攻撃
- あー子
- 厨二病
- 猫
基本的に思い出した順番(猫だけ直近だから最後に置いた)。で、正直この記事を書いた時点では23人しか思い出せなかった。あー無理だなーと思ってぼーっとしてたら……突然浮かんできたんです……あー子という言葉が。というのは適当だけどまぁ急に思い出した。
それでも残りの一人がどうしても出てこなくて、もう無理思い出せないと思い、諦めて記事を公開予定にしてセットしていたんだが、皿洗っている時に突然浮かんできたんです……厨二病という言葉が。というのは本当に適当なんだけど何故か家事の途中で突然思い出した。
ということで今回は25人できたはず!ドヤ!
ハーレムを貫けなかった作品が走馬灯のように
さてまぁ、ヒロインこそ増えているもののノリは基本的に普通。一つ異質なのは、静の母親との話がほぼシリアスだったことだろうか。この話はけっこう重要だと思っていて、最後までギャグになることなく、あの話だけやけに浮いている。それくらい本作は基本ギャグ調っていうかギャグそのもので、まぁ25人の彼女なんて実際ギャグでもなきゃ現代日本でやれるわけもない。
しかしやるべきだったのになぁ、と思う作品は過去いくつもあった。ハーレムラブコメがどれくらい真面目にハーレムの舞台装置を作り込むかは作品によりけりだが、本作並、あるいは本作以上に作り込んだのに、最後の最後ハーレム否定してグダグダになってしまった作品がある。実例あげるのもなんだが、個人的に印象深い作品だったのでこの際だから一つあげたい。なおこの記事、実は本サイトきっての長文記事だったりします……。

あどべんちゃらの「鬼が出るか蛇が出るか」はこのサイトに来られるような人でも読んでいない人が多いだろうし、今から読むこともまずないだろうから、この作品の舞台設定について記事からさらっと引用すると
妖怪の集落がある、人知れず繁殖をしている、男が一人もいないので種の存続の危機、危機を救えるのは半妖である主人公だけだ!
というもの。ヒロインが妖怪というだけではなく、種の存続という大きすぎる建前が用意されているため、本作はヒロインというか集落をあげて主人公のハーレムを大歓迎する。しかしそれにも関わらず、この作品の主人公は現代倫理(一夫一妻)を振りかざし、最初に好きになった子と添い遂げようとする。
その結果、ハッキリ言ってだいぶ後味の悪い、モヤモヤしたエンドになってしまったなぁと思った。一夫一妻は現代日本の倫理では当然のようだけれど、所詮人間の決めた仕組みで、別に絶対的な正解でもなんでもないんよね。ってか一夫一妻か一夫多妻(多夫一妻多夫多妻いれてもいーよ)かって、良い悪いというより、できるできないの問題のほうが大きい。まぁこれは話し始めると長くなるから割愛だけど、件の作品や本作は、一夫多妻の是非とか以前に、やらないといけない切迫した理由があるし、これは現代社会でも全然起きうる(たとえば戦争で男のほとんどが死んでしまうとか)。
件の作品の彼こそ、本当は100人の彼女を作る必要があったし、それをしないなら相応の具体的な解決策が求められた。しかし、件の主人公にはそれができなかった。彼と恋太郎の違いはなんだろうか。
100人好きになれるかな?
一つ、言えることがある。100人の女の子に好かれるのは浪漫だが、100人の女の子を好きになるのは至難である。
実際、恋太郎はその人生のすべてを彼女たちに捧げることを誓った男だ。これは普通できない。俺なんてヒロインの名前を覚えるのすら一苦労。女の子に好かれるだけならいいけれど、実際に好きになれって言われたら……まして一生大事にしろなんて……一人だけでもたいへんなのに。だからフツーはそんな選択できない。選択したとて、果たしてうまくいくのやら……。
ちなみに、上記作品では、ハーレムの選択をしてバッドエンドを迎えた人も登場しており、彼の存在もまた、件の主人公にハーレムを選ばせなかった原因の一つになっているだろう。
ラブコメで短期的に女の子とチュッチュするだけならハーレムはただの甘い浪漫だけれど、その先を真面目に考えると厳しい現実が待っているんだね。本作の特徴は、ただの甘い浪漫だけではなく、その先の現実も見据えていることだろう。だからこそ、静母親との話もマジトーンでできた。
本当は100人好きになる必要はない
本作の設定だと、実は恋太郎は100人全員を大大大大大好きになるほどの必要はなく、妾みたいにして、テキトーにたまにあってやるくらいの関係も考えられるんだよね。しかし恋太郎はそれを選ばず、人生をかけて全員に等方性の愛を尽くすことを決めた。
恋太郎のしていることは一つのコミュニティ作りなのだけれど、その支柱として自らの愛をどこまでも打ち立てるところに、本作にもラブコメの浪漫があると感じられた。だからこそ神様も感動したわけだ。
まぁでも、俺の求める浪漫とも違うんだよなぁ、ともやっぱり思ったのだけれど。まぁでも変な話だけれど、違うからこそ、自分が求めているものについてもなんとなくわかる気もする。
ってことで、多分次で現在最新の20巻まで追いつけると思います。ここまで俺の印象も変わってきているが、最新巻まで読んでまた変わることもあるだろうか。
コメント
コメント一覧 (6件)
25人合っています。
ハーレムものでヒロイン同士の仲が悪くなくても主人公側がストレスで体調不良になるパターンもありますね。
倫理の問題が緩和されるヒロイン分裂ものでも個体差のある全員を好きになれるかはまた別問題ですよね。
ながされて藍蘭島はまだ続いています。
>ストレス
ちょうど読んでたお嬢様の僕の主人公なんかはそんな感じでした。
真面目で優柔不断はありがちですが、鈍感属性がないので、常に選択を迫られているような圧迫感があるのかな。
あの作品は今まさに分岐点といったところですが、ハーレム貫徹するかどうかは、作者さんも悩むのかなぁ。
本作はそこのところ吹っ切れてるので強いと思います。
分裂系はカップリングとハーレムを重ね合わせた非常にきわどい属性ですが、悩み自体はハーレム系に近いかもしれないですね。
特に調べずに書きましたが、藍蘭島やっぱり続いてましたか笑
とうとう、ニ(2)ャンコ(5)のタマ加入で1/4彼女に到達しましたね。
恋太郎は最初にはかから同時に告白された時に隠して二股すれば、の考えに憤慨して覚醒した漢(恋愛モンスター)なので覚悟の重さは唯一無二のラブコメ主人公ですね。
静の個人回は結ばれなければ不幸になりなんやかんやで死ぬ、の設定の説得力がありました。
恋太郎だけではなく20人を超える同志がいたから乗り越えられた良いシリアス回でした。
え、ニャンコってそんな意味込められてたんですか。そういうのがあるなら少し覚えやすくなりますね。
恋太郎が最初の時点で未だ見ぬ彼女たちも含めて、人生を捧げる覚悟を決めたのはそうなんだろうなと思います。
実際それが唯一うまくいく方法に思えます。
この規模でしかも恋愛を主軸に形成するなら、論理的にも感情的にも、それ以外ないんでしょうねぇ。
いよいよ、たまさんの記憶力との闘いの様相を呈してきましたね(笑)。
恋太郎の「人生をかけて全員に等方性の愛を尽くす」決意はもはや人類愛に近いものがあります。
作品の特性上、ヒロインのキャラはそれぞれ属性的なので、ラブコメを読み慣れた人が覚える気で読めばけっこう覚えられるかなと思いました。
まぁ言うて既にだいぶつらいですが笑
このうえ本名、さらに順番までいくと相当キツイですし、誕生日までいくとマニアっていうか多分恋太郎ですね。
恋太郎自身の感情は恋愛より博愛に近いような気はしました。
とはいえ、あくまでファミリー内なので、各々の読者としてはそこをどう感じられるかなのかなぁと思います。