『となりの関くん じゅにあ』3巻(最終巻)感想:顧客が本当にほしかった恋愛編

公式同人最終巻。内容は既にループ感があったので(まぁ原作もそうかもしれないけど)これくらいの長さがちょうどよいだろうと思う。実際それくらいの長さを想定していたようだが、実際は売れ行き不調からくる打ち切りだったらしい。正直「そうだろうな」とも思った。

最初こそ設定で衝撃を受けたものの、慣れればループだし、なによりもこれを言うと身も蓋もないのだが、本音を言えば求めていたのは関くんと横井さんの恋愛編で、どちらかというとじゅにあの話こそ番外編くらいのボリュームでよかった。本巻の最後にやってくれた恋愛話で、それを痛感した

まぁでもこれはあまりにもにべもなくて、言うのが憚られる感じはある。作者さん的にはじゅにあができるギリギリだったんだろうなぁとも思うし。

まぁでもなんていうか、妙な感想なんだけれど、なんか誠実にやってくれたんだろうなぁという気がして、だったら変に気を遣わず思ったことを言うかと思った以下3巻こと最終巻感想。なんだかんだでやってほしいことはやってくれた

目次

ほしかったものを見せられてしまったばっかりに

冒頭では少し辛めのことを書いてしまったかもしれないんだけれど、それはこの3巻のラブコメ色が強かったから余計にそう感じたことでもある。多分、最後にやるべきことをやってくれたのかなと、そんな風に感じた。

あの関くんが、横井さんとの初デートを成功させるために涙ぐましい仕掛けをしていたこと、さらに劇的なプロポーズまでやろうとしていたこと、この話を読んだ時、「本当に読みたかったのはこれだ」と思ってしまった。じゅにあの話が面白くないってことはないんだけれど、この関くんの話を目の当たりにすると、俺が求めていたのはコッチだったって、正直にならざるを得ないよな。

いやだってさ、あの関くんがだよ。あの関くんが、自分の遊びのためじゃなくて、デートを成功させたくて、横井さんにデートを楽しんでほしくて、超大がかりなさりげない仕掛けをする話とか、もうこの設定だけで後藤さんの三つ編みが取れるだろ。実際面白かったし、少し大人になった関くんが横井さんとのデートのために斜め上の頑張りをする話がメインだったら、全国の後藤さんが買いに走り3巻打ち切りということはなかったのではないかと思われる(まぁその場合でも作者さんのほうからやめたのかもしれないが)。

ってか学生時代の関くんと初デートやプロポーズで張り切る関くんの間に何があったんだと気になって仕方ないしその話してくれよ!ってすごい思ってしまったんだけれど、多分はそれはもう作者さんには描けないのかなぁと思ってしまった。あるいは描きたくなかったんだろうか。

かつてのラブコメ作品

作者さんの過去作を見ると、ラブコメ自体は好きだろうし描きたい、あるいは描きたかったものだと思う。学園恋獄ゾンビメイトとかアイホシモドキとか、まぁぶっちゃけどっちも微妙な作品ではあるんだけれど、ラブコメだったし。ゾンビメイトのほうはこのサイトでも取り上げたことがある。

良くも悪くも描きたいものを描く人だと思うし(だからしぶしぶ描いていただろういいなりごはんはすぐ終わった。個人的にはアレけっこう好きだった)、まぁそもそもラブコメに脳が浸食されていなければ後藤さんみたいなキャラは作れないだろう。

そして作者さんも関くん横井さんの恋愛編を求められていることはわかっていたのだろうけれど、それでも描かなかった、描けなかった理由について、あとがきでは「ふたりの恋愛編が異常事態の繰り返しであれば描けるはずだけど、浮かばなかったということはふたりの恋愛は平凡穏やかな日々だったのだと思います。」と述べている。

まぁ作者さん自らにそう言われてしまっては何も言えないんだけれど、それでもあえていうならば、作者さん自身の変化も大いにあるのではないのかなぁと思われた。じゅにあのほうが、作者さんにとって描きたいものになったんだろうなぁというのが、あとがきを読んだ感想 笑。いや実際、イチ読者としては、「この二人の恋愛が平凡穏やかだったと思えないんだが」と感じる。絶対フツーのデートしない(できない)って関くん。

万物流転

最後の最後に回想メインとはいえ関くんと横井さんのエピソードをやってくれたのは、なんというか、期待に応えようとしてくれたのかなぁとかなんとか、そんなことを思ってしまった。そして、それがとても良かっただけに、心中複雑

公式でやられたことによって規定されてしまったとも言えるし。後藤さんする余地もなくなってしまった。まぁでも同人が盛んなジャンルってわけではないからそれはいいのか……。

当たり前だけれど、人間は変わるからなぁと、こんなブログを9年やっているだけの自分でも思う。9年前のような記事を今は書けないしね。実際、昔のようなテンションで関くんの感想記事書けないだろうな。イチ読者ですらこうなんだからねぇ……そりゃね。あらゆるものが一期一会。

まぁ色々言ったけど、元気な二人とその子供が見られただけで、まぁよかったんだよね。いつかまた自然に描ける時がきたら描いてほしいなと思うけど、その時は俺もまた変わってるんだろうなぁ。

お疲れ様でした。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 本作は読んでないので感想はないのですが、ある漫画の「プロの漫画家はサービス業だ」というセリフを思い出しました。
    そら作者も人間ですから、年齢を重ねて感性が変わるのは自然な事とは言え、せめて人気を博した作品の続編は読者の需要に応えて欲しいですね。

    • そういう意味では、お姉さんの東村アキコは恐らくプロ意識が非常に強いんじゃないかなと思います。
      森繁拓真は良くも悪くもそういうタイプではないんでしょうねぇ……。
      でもだからこそ関くんを描けたのかな、とも思います。
      まぁド直球の需要は間違いなく後藤さん的恋愛編だったと思うんですが、作者さんなりに応えようとしてくれたのかなぁ、という風に感じました。

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