『のあ先輩はともだち。』2巻感想:のあ先輩と理人の極めて絶妙な距離感とバランス

ラブコメって、いかにして納得性の高い変な距離感作るかだよな、と思った。その観点で本作はヒジョーに良い。

のあ先輩、距離感おかしいのはあるんだけれど、毎度のことながら胸を出してくるあたり自分の強みを知っているとしか思えないんよね。まぁ実際多分、知ってるんだと思う。無自覚なんだろうけれど、自分が可愛いこと知ってるんだよなのあ先輩。のあたんは27歳女子に許されるnicknameと風貌じゃないんだよなぁ……。しかし彼女の言動はこれ、30代超えてなおらないと、さすがにちょっとキツいかもしれんね!

のあたん10代の時絶対同性に嫌われてたと思うわ。のあ先輩(27・処女)にクラスチェンジしたことによって許されたのではなかろうか。のあ先輩バージンなの、むしろ同性からポイント高そうだと思った。

以下2巻感想。この作品、久しぶりに単話でも感想書ける系。

目次

のあ先輩は自意識過剰

2巻最初の話はお茶会。紅茶とか美味しいオシャレなメルヘン空間行きたいのけっこうわかる……。今はもうどうでもいいけど、僕も二十代くらいまではなんかそういうの面白がってた時期があった。僕なんて男だからのあ先輩以上にキツかったよ。まぁ、のあ先輩のように周囲を気にしすぎることはなかったが……。

この人目を気にする感じは後天的なものだろうけれど、まぁ色々あったんだろうと思われる。のあ先輩自由だけど、そんな素の自分が受け入れられていないということはわかったんだろうね。しかし、そういう周囲を気にする態度自体が周囲からはものすごくうっとうしい。しかも本人もそれを自覚しており、人目を気にしすぎるウザい自分を気にしてさらにウザいことになる負の無限ループ。

でもこの態度が、美少女だったであろう彼女を守った面もあっただろうと思われる。強烈なブレーキとして幾度となく暴走を止めてきただろうし、なんならそれによって貞操も守られたのだろう。……まぁあと5年もすると守ったというか……という感じになるかもしれないけど、さすがにそれまでは理人くんとなんかあるんじゃない、多分……。

のあ先輩は束縛系彼女友達

次は理人とゲームやりたいのあ先輩なんだが、「あたしよりゲームが大事なの」は完全に友達のセリフじゃないしなんなら彼女でもウザい。ここでちょっと面白いのは、シャレオツなお店では周囲の評価について散々気にしていたのあ先輩が、この束縛系メンヘラ彼女のようなウザさ120%のセリフについては、特に問題と思っていないことだろう。

また、ゲーム内で作る自キャラについても、自分に似せながら愛らしい格好に、さらにnicknameが「のあたん」。これ完全にヤバイ子のセンスというだけでなく、自分を可愛いと思ってないとできない。そして極めつけ、ゲームがうまくなって理人に「一緒に遊んでくれる?」の決め台詞。

殴りたい、この笑顔

「理人くんとふたりじゃないとやだ」

ぷっくりむくれながらこのあざとさ1200%のセリフよ。コイツ、自分が可愛いこと完全に知ってやがるな……。そしてそれについて、彼女は無自覚なのである。

で、これについて理人は「そっすか……」と冷めている。そもそも理人はのあのゲームプレイのうまさを気にしていない。なんか勝手にエグい努力してきて、さらに二人きりじゃないとイヤだとなんかあざとくむくれているのが彼女だ。人を気にしているようで、実はしていない。だが理人はそんな彼女を拒絶するわけでもなく、「そっすか……」とただ受け入れる。この距離感が、この二人でしか出せない絶妙なところなんだろうね。

のあ先輩は作品

のあ先輩はその後も彼氏作るなら合わないほうがいいですかね一般的にという理人に対して、あざとい顔で「理人くんと一緒にいる時が 今は一番楽しいから……!」と言って彼氏作るのやめる宣言をする。普通の男なら完全にそういうメッセージと受け取るところだが、理人は必ずしもそう受け取らない。しかし、さすがに若干思うところはありそう。いったん保留なのかな。

これに限らず、毎度キメ顔であざといこと言ってくるのあ先輩に対し、理人は基本そっけない。でもそのそっけなさについて特に不満がなさそうなあたり、マジ自然体であざといことしてるんだろうね、のあ先輩。

こんなのあ先輩を、理人は「観察している」とみると、けっこうしっくりくる。理人にとって、のあ先輩は興味深い観察対象なんだろうなって。のあ先輩の言うことについて、一つ一つ、考えながら受け止めている節がある。決して、流してるわけじゃないんだよね。

観察対象というのがちょっとドライすぎるならば、理人にとってのあ先輩は面白い作品といったらいいかもしれない。……これも酷い?まぁ理人はあれでけっこうゲームや漫画といったエンタメを楽しんで、その余韻に浸ったりできる感受性の持ち主なんだけれど、のあ先輩はそんな理人にとって、面白いレビュー対象なんだよ。……ついにレビュー対象にまでなってしまった……。

のあ先輩はバリキャリ

全体を通じて、彼女は基本的にやりたいことをやっているだけなんだなぁと思った。そして無自覚ながら自分が可愛いことを知っており、それが随所に滲み出るのが地雷臭。しかし、そんな自分が周囲から必ずしも受け入れられているわけではないことも知っているし、受け入れられたいと思っている。この感覚が、彼女をただの地雷女から一線を画している。

そんな彼女の行き着いた先が、バリキャリであり、シビアな実力主義なのかもしれない。性格に難ありだろうと、仕事ができればたいてい許される。仕事のクリエイティブな成果は、社会的に受け入れられるものだし。また、仕事はやっていいこと悪いことが割と明確なので、役割を振るまいやすかったのもありそうだ。実際これは非常に功を奏しており、仕事ができなければ理人との出会いもなかっただろう。また、理人に尊敬されている面でもあるし、このギャップが理人の興味を惹いたとも言える。

バリキャリなのあ先輩は、確実に彼女の一側面だ。しかし、それは素の彼女ではない。彼女は素の自分を受け入れてくれる人を渇望していた。だが多くの男にそれは無理だし、下心で近寄ったヤバめの彼氏たちも、結局無理だったんだろう。距離感おかしいのに一線は超えないしねこの人。

割と共感できるのがつらい

のあ先輩めちゃくちゃなのに、ところどころ大事なポイントは抑えている。だからこそ今までギリギリやってこれた面もあるが、このままではお局まっしぐらでもある。妙に浪漫持っちゃってるから、妥協もギリギリでできないだろう。なのでまぁ、理人を逃したら確実にアイアンバージン完成なので、理人よりどっちかっていうとのあ先輩頑張れである

正直のあ先輩に対する共感度高くてつらい。一方で、理人に対する共感度も高い。俺とこの作品の距離感もまぁまぁ不思議な感じするよ。3巻以降もポチったわ。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 更新お疲れさまです。
    のあ先輩、恋愛・友情に関する認識が小学生並だし、その2つがごっちゃになってるところがあるのかなって思います。だから駄々こねるし、束縛な事も言っちゃう、と。
    ただ理人くんはそこをバサッと切り捨てられるし、のあ先輩は駄々こねるけどそこで終われる所に面白さとベストカップル感がある…気がします。
    のあ先輩を幼女として見ると性行為を怖がって逃げることに理解ができるようになる気がしますが、27歳を幼女として見るのは難しい…w

    • 人間関係小学生?
      まぁ生来のものはあるにしても、のあ先輩はなまじっか可愛いので、学習機会が人よりも少なかったのかなぁとも思ったりはします。
      可愛いと受け入れちゃう人がいるから……。でもそれだけでうまくいくわけでもなく、それを敏感に感じ取り考えられたことが、のあ先輩を守ったのかな。
      感性で動くけど理性も働かせるのあ先輩と、理詰めだけど感性も大事にする理人は、同性であっても良いコンビになったと思います。
      まぁでも、理人が大人だからってのが大きいか笑

  • のあパイセン、プライベートの言動は全てがその場のテンションとノリと勢いだけだと理人が最初に見切っていたのがこの絶妙な関係性に繋がっていますね。
    仕事ではとても出来る人なので、内面がどれだけヤバくても理人も最低限の敬意を持ってできるだけ誠実に応対してくれる。これが社会人ラブコメの見どころだと思っています。

    • 理人の先輩分析はかなり的確だと思います。分析して対策をじっくり練るタイプのゲーマーなのかな。
      仕事という人生の中でも大きなウェイトを占める軸の登場は、ラブコメの世界も広げてくれますね。
      この作品は仕事している二人だから良きラブコメになっており、かつ10代の時だったらダメだったんじゃないか、と思えるのがいいとこだと思いました。

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