『好感度が見えるようになったんだが、ヒロインがカンストしている件(漫画)』全2巻感想:好感度100から始まるギャルゲー生活

原作・小牧亮介、作画・大山樹奈。2020年全2巻。コミカライズ。

好感度がなんか知らんけど頭の上に表示されるようになったやで、そしたらなんかめっちゃ可愛い子の好感度が初期値100スタートだったやで。……という漢の浪漫といえばよかろうですか。数値化で失われる部分にラブコメの妙があるので、この設定は楽しそうに見えて物語としては実はたいへんだと思う。

全2巻コミカライズなのでそのへんも察しなのだけれど、1巻については実はけっこう楽しめた。また2巻についても、お話はともかく、これを言ってしまうとアレなんだが、まぁ5年前の作品だしよかろうということで、片思いキャラの爆死からしか摂取できない栄養素が摂れるので、その向きでいいかもしれない。

以下好感度マイナススタートはもちろんフラグの全2巻感想。でも現実には好感度なんて見えないほうが幸せだと思う(迫真)。

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好感度たったの5か……死のう……

好感度がパラメータとして表示されるという、主にスケベなゲームで搭載されていることがあるアレ。人間の好感度が見えたら楽なのになぁと思うだろうか、それともそんなもん見えたら引きこもるわと思うだろうか。私はもちろんヒキコモリ。なぜなら私もまた、ただのコミュ症だからです。

実際数値が見えたからといって、その数値を改善できるかどうかは完全に別の話である。体重計を買ったらダイエットできるわけではない。まして自分では他人の心なぞ、見えたところで何ができるわけもないのだ。

まぁこのへんのテーマ、テレパシー持ちの超能力者が出てくるような作品では必ず触れられるところでもあるね。人の心が見えるのは、必ずしも幸せではないといういつもの話よ。

クソアマのチョロイン化はハイカロリー

ただ本作の場合は、あまりそういう心の機微に突っ込むというより、アクションに応じた感情のジェットコースターを楽しむ、という向きが強いかな。正直この設定だと、好感度マイナススタートなんてマインスイーパの見えている地雷みたいなもんで、もうフラグしか立たないんだが、その期待通りに話は動く。

最初の好感度マイナス時点においては、「なんだこのクソアマは。許されると思っているのか」と負の感情を煽られる。その後どうせ反転するんだろと思っていても、「はやくコイツをわからせてくれ」と願う気持ちがページをめくる手を止まらせない。そしてわからせられる。ああ気持ちいい。

まぁつまりチョロチョロチョロインではあるし予定調和なのだけれど、やはりクソアマのチョロイン化には栄養があるんだなぁと思った。

片思い娘の特攻からしか得られない栄養云々

ただ2巻以降は最初から好感度100のメインヒロインとひたすらイチャイチャするだけで、あまり面白くはない。やはりラブコメとは関係の変化に妙があるのだろう。しまいに何か別のパラメータが出てくるのだが、正直好感度100が保証されている状態では、「まぁ悪いことにはならんだろ」と思えてしまい、あまり面白くない。かといって、好感度が下がるというストレス展開は……本来あるべきかもしれないけれど、2巻だと早いよねぇ。まぁ2巻で終わるんだけど……。

その代わりに出てくるのが、逆NTR展開。しかも彼女がいることを相手に知らせたうえで、それでもなお勝手にお近付きになってくるため、主人公は倫理的にもノーダメージ。なんて安心できる逆NTRなんだ。

そして彼女持ちと知っていながら告白爆散する片思いヒロインの鑑

この漢のヒロイン・神代は、結果的に本作のアンチテーゼを果たしている。神代は好感度100になった末、主人公に告白し、断られて失意に沈むが、項垂れる彼女の好感度は作中で明かされない。

これは、好感度というものは数値で表現できないことを示している。この時の彼女の感情は激しく動いているにも関わらず、それを数値で表現できない。数値で表現したら、それがいかなる数値であっても、納得感のあるものにはならない。

僕らは心に値札を付けられない。付けてはいけない。

なので、恐らく全2巻という制約のためにそうなってしまったと思うのだが、どこまでも好感度100で安心メインヒロインよりも、この漢のヒロイン・神代のほうが印象に残るのはそうだろう

片思い告白爆散はネタバレ要素なので、冒頭文に書くのはいかがなものかとちょっと思ったのだが、現実的に2020年の本作のネタバレを気にする人がこの記事に辿り着くと思えない。既読の人と、未読であるにも関わらず設定を見て既読感の生じる歴戦の兄貴しかいないと思われた。なので、片思いヒロインの爆散という趣味が良いのか悪いのかわからない性向について記述するほうが、全体の役に立つだろう。……立ちますかねぇ。

しかし……つくづく俺の性根は、サブヒロイン好きなんだなぁ……。はいはい、神代が好きでした。

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