作・とこのま、2024年1巻。
本作の内容についてまったく知らない状態なのであれば、とりあえず何も知らずに読むことをオススメしたい。紹介文も多分読まない方がよい。残念ながらサンプルだけ読んでも仕方が無い。
まぁでも紹介文を読んだ方が読む気になるものかもしれない。まぁニッチジャンルではある。表紙とタイトルからはわからないかと思われる。ただ話の構成は少女漫画っぽい気もした。
以下1巻感想。
ネタバレ・ヒロイン=男の娘
まぁ男の娘漫画なのだけれど、男の娘バレが1話の最後だったので、もしかしてネタバレになってしまうのだろうか、と思ってしまい、記事冒頭文に何も書けなかったという。本作とは逆の内容にあたる初恋ゾンビとかも1巻まるまるプロローグみたいな感じだったけれど、こういう構成だと感想記事はどこまで内容書くか悩ましい。そういえば初恋ゾンビ積んだままだったことに書きながら気づいた。

ならざるを得なかった男の娘
初恋ゾンビもそうなんだが、強烈な設定で真面目にラブコメやられてしまうと、長く続くほどに細かな違和感が積み上げられていってしまうように思うんよな。初恋ゾンビは超常的な世界観もあったが、それでも多分個人的には長すぎたんだろう。
そこへいくと、本作はベースとなる世界観がかーなり真面目、であるにも関わらず、ヒロイン・沢渡稲穂は周囲に自分が女であることを隠し女として学校に通っている、しかも主人公・の家に居候、というそこだけ超設定。ただ、女だとモテモテでめんどくさいから、主人公・森親太郞と恋人同士ということにしてくれ、という謎の展開。つまり、偽カノジョとは偽の恋人かつそもそも偽の女というダブルの意味で偽カノジョ、というわけだね。
まぁそれはわかるんだけれど、そそ読んでいるうちに「なんでやねん」感は強くなってしまう気がする。しかもその理由はそうせざるを得ない理由があったというより、かなり内面的な事情と察せられる……まぁ1巻時点では多くは語られていないのだけれど。ラブコメとしてはコメよりシリアス寄りな感じ。
男の娘ヒロインとしては珍しい性格?女装男子との狭間で
本作のヒロインは、男の娘というより女装男子ではないか、という風にも感じられる一方で、うーん、いや、これは男の娘かな……と思わせる。というのも女装男子であれば、女装に拘りがあって然るべきだが、稲穂の場合、その拘りはそこそこはあるものの言うほどでもない。
しかしだからといって、女性化願望みたいなのがない。男の娘漫画のヒロインは、たいていの場合「女子高生とか、好きだから!」自分がなるパターンが多いのだけれど、本作のヒロインはあくまでそうせざるを得ないからそうした、という感じである。好きでやっているわけではない、ということで、家ではラフに男の格好……のようなものをしているが、女の姿と比べて明らかに適当なのでやっぱり女装趣味の気はあるんだろうなぁ。
この男の顔しているときの主人公との何気ない日常のやりとりが、男の娘漫画としての本作最大の特徴かもしれない。性癖によってはここで刺さる気がした。ってか普通に男の姿で良さそうだけどな、と思うんだけれど、本人的にはそうではないらしい。
美少女か美少年か、それが問題だ
作中では、「美人であるが故に周囲が下心丸出しで寄ってくる」などの生々しい苦悩の描写があったりもしたけれど、それでもそんな格好するのは、そのほうが当人にとって都合が良いからだ。
まぁなんでも表があれば裏があり、光があれば陰がある。美人だから余計な苦労をすることもあれば、美人だから得することもあるだろう。紛争地帯など自分の身は自分で守れな世紀末において美人はリスクが大きいかもしれないが、平和な日本においては、なんだかんだでリスクよりメリットのほうが大きい局面が多いのでは無かろうか。逆に器量の悪い女、器量は良い、が、男、など、それぞれにメリデメがあるが、まぁ平均的にはちょっと不利やろね。
まぁ全体的に美人イケメンが得としても常にそういうわけではないので、自分の立ち位置を把握して、メリットを最大化しデメリットを最小化できるような環境に身を置くことが処世術……となるわけだが、学生にはそれが難しい。学校に行かないといけないから……。
ただそれにしても、女になったほうが良いと思わせるだけのことは中々ないように思われるが、何があったんだろうねぇ。1巻では語られない。
1巻途中から出てくるお邪魔虫男っぽいやつから言わせれば、主人公のヒロインに対する関心がないから何もお前は何も知らんのだ(人のこと自分に興味がないとか言ってる場合か)、ということになるのかもしれないが、これはどちらかというと性格の問題と思われる。明らかにデリケートで問題かつ、ナイーブな性格をしているので、親太郞の性格だと、自分から話し出すまでは待つ、というアプローチなんだろう。また、稲穂の態度からしても、恐らく親太郞のその態度は間違えているとは言えない。
しかしこういう殻を破るには何か衝撃がいるのも確かで、それが自然に起きればよいなが、何事もなければ時には自分で起こすことも必要かもしれない。ということでライバルキャラっぽい子はそのファースト・インパクトをきっといい感じにしてくれるんだろうなぁ、と思っている。
続きはどうしますか?
ということで本作は真面目な心理描写と心情対決なんですが、そうすればするほどに、いや女にはならんやろ、なったとして学校よお前認めるんか、という気がしてしまって入り込めない。うーん。まぁ細かなことを考えずに軽く読む漫画という気はする。勝手なことをいえば、4巻くらいで短くまとめてくれると綺麗だろうなぁ、とは思った。
2巻はまぁ機会があれば、という感じで……。


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