『話が進むごとに目のクマが消えていく女の子』感想:クマが消えるたびにラブコメエネルギーとなって発散するタイプの現象

作・さるぴん。Kindleインディーズなのでいつといっていいかはわからないが、本作の刊行は2024年。

クソザコ風紀委員長かえりちゃんにラブコメの波動を感じたので、同著者のKindleインディーズにあった本作も手に取った。当サイトは基本的にインディーズは対象外なんだけれど、Kindleインディーズはどうしようか微妙なラインである。まぁ作者さんが商業で作品出しているのと、本作は良かったので取り上げた。

基本的には女の子可愛い漫画なので、ボーイミーツガールのボーイ部分は物足りなさはあるものの、短く一冊でラブコメのエッセンスがあるように思われた。以下感想。……ネタバレ注意

目次

不眠症ヒロイン

本作は不眠症のヒロインが主人公くん(でいいのだろうか)と出会って安眠を手に入れる、一枚絵形式のショートストーリーだ。まぁSNS時代の産物。

この手のやつは昨今月まで届きそうな程にあるし、その中でも男女CPものは定番みたいになっているので、いまさら感があるかもしれない。しかしそれらが永遠の日常のようなものが多いのに対し、本作は明確にきっちりと終止符を打つ、昔ながらのクライマックス型(と勝手に言っている)だ。

このクライマックス型の特徴は、峠を越えるとパーティーは終わりだとばかり急速にラブコメ感が薄れていくことだろう。本作は短いながらその終始感を感じられる一品。

で、でかぁい

まず最初に見て思うのは、圧倒的な目のクマで、その後主人公と睡眠プレイに入るのだけれど、そこで目を引くのが「乳テント張ってる?」仕方ないね男の子だからね。このぼでー、目つき悪いくらいで帳消しにできないギルディだと思うが……いや雰囲気とかもあるしな。まぁそこはラブコメ浪漫。

その後、基本的には主人公があらゆる手を尽くしてヒロインに安眠を提供していく、という筋立てだが、この筋に筋らしいものはない。一方で安眠が出来ないことの根本的理由については、序盤に訳ありであることがほのめかされるだけだ。様子を見て言えることは、ヒロインは非常に警戒心が強いなぁ、ということだった。

まぁでもこの手の漫画で深く考えても仕方ないか、と読んでいくと、主人公の努力を得て、ヒロインはよく眠り目のクマは消えお肌の調子も良くなるどころか性格も明るくなっている。これはちょっと珍しいかもなーというのは、ラブコメ的にはダウナー系女子は一定の需要がある属性なのだが、それを打ち消していくタイプ、だからだ。つまり、どんどん普通になっていく。へぇ、これは……。

伏線だったの

最終的には胸がでかくて小悪魔っぽい笑みを浮かべる美少女になるわけだが、そこにおいて衝撃の事実性加害の過去を明かされる。しかも加害者は父親エグい。マジかよ。オッパイでかいって伏線だったのかよ(そこに衝撃)。さらに言えば警戒心強めだったのもまさにそういう過去があったからだろう。この設定はヒロインとしてはかなり禁忌に近いもので、短編だからこその大技感もある。

ラブコメ浪漫の記号的属性を、「まぁこの手の漫画だしな」とぼんやりさせたところで、しっかり伏線でしたとして回収、そして普通の女の子へ……となっていくところに、ラブコメ的な美しさを感じられた

ボーイミーツガールは運命だから

ただまぁ……そういう過去があった割には最初から主人公に対しては警戒心ゆるゆるだったようには思う。まぁね、仕方ないね、ボーイミーツガールだから。ボーイミーツガールは運命だから

まぁそのボーイ要素は作中においては薄弱であり、AND YOU的な感じではあるのだけれど、上記のように関係姓で成り立つラブコメには間違いなくなっていた。これはこういう女の子可愛いよね!系のパラパラ漫画では摂取できない栄養素だ。なんだかんだいって、ラブコメのエッセンスはヒロインが基本なんだなぁと思った。

僕はボーイ要素が薄いラブコメは見方が辛くなりがちなんだけれど、それでもこの短い漫画を読んでけっこう満足できたのは、ラブコメのエッセンスを感じられたからだろう。そしてクライマックス型のラブコメは、最終的にラブコメでなくなっていく。きれいな漫画だった。

きたない漫画もあった

ラブコメの波動を感じたのは気のせいでは無かった。この漫画読もうね。

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