北尾けけ, ゾンヴィガーナ 1, 2018
ゾンビ(?)ものラブコメ。正確にはゾンビではないっぽいけれど、まぁゾンビものに分類してよいでしょう。
主人公大好きなゾンビヒロインは今日も血しぶき上げてバラバラになりながらイチャイチャを求めてがんばります。でも体液で感染しちゃうからキスもできないピュアラブ路線。
楽しいラブコメだけれど、ゾンビものという設定的にハッピーエンドは難しそうだが果たして?以下1巻感想。
血しぶきバラバラ系ヒロイン
割とガッツリゾンビなラブコメきましたわ。ラブコメのゾンビものはそこそこある気がするけれど、ヒロインがゾンビとなるとなかなかね。いやまぁ、設定的に純粋にソンビといってよいかどうかは微妙なところっぽいけれど、身体バラバラになるし体液で感染するしで、基本的にはゾンビといってよいでしょう。
そんで主人公・ナトはお医者さま。といっても無免許だし年齢も14と若すぎるので、これまた医者といってよいのかどうかは微妙な気がするが……。まぁでも"はかせ"ではあるらしい。
ということで、医者のナトとゾンビのマギィを中心にしたゾンビラブコメなのだが、マギィが毎度派手にやられて出血バラバラになるたびに、ナトがマギィを縫合してマギィはハート目でアヘ顔が定番パターンという割と狂ったラブコメでもある。
割と毎回こんな感じでちょっと痛々しいので、好きな人は良いが無理な人は無理だろう。まぁ血が無理な人はゾンビ漫画なんて読まないとは思うが。
生者と死者のラブコメはねぇ…
見た目のインパクトがあるだけではなく、医者とゾンビという二人の設定はラブコメ的にだいぶおいしい。生真面目で力は弱い学者と、猪突猛進脳筋娘という、相補的な組み合わせである。能力でお互いがお互いをカバーしあうカップルは、ラブコメ的に良い。
性格的にもお互い難ありなので割れ鍋に綴じ蓋だろう。マギィがナトのこと以外目に入らないクソアマ気質なのは見た目どおりだが、ナトについてもその倫理観はだいぶ怪しいところがあり、決して良い子というわけではない。実際、人助けにはあまり関心があるように見えないんだよな。犬は助けたけど。
ゾンビとはいえ「何度でも蘇らせるから!」とマギィを縫合するのは、見方によっては生命を弄んでいると言えることで、そんなことが平気でできてしまうあたり、彼の生命倫理観は既に壊れているのだろう。まぁそうでなきゃゾンビ娘とふたり旅なんてできんわな。
ナトの異常性については、大事なはずの思い出のぬいぐるみを「こんなものいつでも作れるから」と言い放つ様子などでマギィも違和感を感じている描写がある。
まーね、ゾンビものはどうしてもね。そういうテーマになりがちだよね。ラブコメ的にはそこはちょっと不安要素だ。生者と死者でハッピーエンドになったラブコメってあるんかいね?生き返った人はいるけれどねぇ。イザナミ、イザナギの話にしても、死は穢れ、死んだらおしまいってのは日本人の死生観として根強い気がする。
読んでいて楽しかったので、ちょこちょこ追いかけてみようかな。
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