作・吉辺あくろ。2011-2014年全9巻完結。
割と設定がしっかりあったことに驚きつつ、ちょっとしたシリアスを挟みつつも、最後まで日常系コメディを貫きハッピーエンド。
表紙の前田の謎ジャンプ。この人はストーカーキャラにも関わらず、一切嫉妬しないという珍しいキャラだったと思う。
以下全9巻感想。
ハッピーエンド
少しずつ読み進めていたこの漫画もいつの間にか最終巻。全9巻か…けっこう読んだなぁ。
最終巻はさすがに多少シリアスになるのだが、ひな子が生きていた、ということで大団円のハッピーエンド。ひな子はなんだかんだ言って、ずっと一緒にいて自分にかまってくれた後藤に対して、けっこう情が湧いていたらしく、まぁこのままお付き合いする感じになるのかしらと、いい感じになって終わり。
冷静に考えると、思春期の大事な時を生霊として過ごしていたひな子は、友人関係やら学力的な問題やら前途多難な気がするのだが、そこらへんは描かれず、あくまでコメディカルに、つつがなく終わる。
兄妹をひいてしまった霊、ひな子の体に取り憑いていた別の生霊、ひな子兄への想い、など案外設定は作り込まれていて、やろうと思えばそちら方面で話をふくらませることもできたろうに、それをしなかったのはやはり明るく楽しくハッピーに終わらせたかったのだろうと思う。
前田さんは変わっていた
登場人物みんな良いキャラだったしね。前田さんなんて後藤のことが好きなのだから、ひな子のことは邪魔でもあったろうに、邪険にするどころか友達になっていたし。
前田さん、ストーカー属性持ちにも関わらず一切嫉妬の感情をもたない、という非常に変わったキャラだったなぁと思う。ストーカーキャラは必然的に嫉妬キャラにもなるので。まぁ後藤以外でものぞき見行為自体に興奮を覚えていたので、ストーカーというよりは覗きフェチだったのかもしれない。
この度を超えた無差別な変態ぶりのおかげで、この漫画は平和だったのである。もし普通に好意を示していれば、なんだかんだ後藤も悪くは思わなかった可能性もあるが、自分の遥か上をいく変態ぶりに恐怖すら覚えていたので、自分自身に対してさえ嫉妬の感情を見せたひな子も、前田についてはどうにもならないだろうと安心しきっていたし。まぁこの漫画に修羅場は似合わんね。全体的に、やり過ぎないバランスがよかったな。
あーでも、やっぱり後藤姉だけは最後まで好きになれなかったなぁ。暴力系はねぇ…。暴力+異性嫌悪+同性愛は厳しい取り合わせだと思うなぁ。せめて変態スケベじゃなければ、変態の身内に対する制裁、という解釈もできるけれど、この人自身も人のこと言えない変態だから、なんだかなぁ。一応兄弟に身内の情があることは示されていたけれど…ってかそれがなかったら本当に救いようがなかった。前田がいたので一応人間関係はじゃんけんではあったのだが。。。
従兄弟のやつも買ったので
なんだかんだ言いつつ、この漫画には楽しませてもらった。なので、現在連載中の従兄弟のお兄さんの引っ越しが進まない、も既にポチった。っていうか読んだ。変態漫画だった。
平和な変態漫画いいよね。時々チラッとファンサービスで後藤とひな子出してくれたりしないかしら。
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