↑自虐なんだかどうなんだか。作者的には可愛さが足りないようだが、十分可愛いだろう。「絶望した!」が有名過ぎる、女の子いっぱい出したら売れるんでしょってやったらほんとに売れてしまった久米田康治のネギま。社会風刺的なギャグの皮を剥ぐと、恥ずかしいほどのラブコメが残る。
基本情報
2005-2012年連載。全30巻。作者・久米田康治。この人はラブコメ病に罹患していると思われる。本作の後書き的位置づけである紙ブログにて、太宰治の人間失格を「これは僕の描きたかったラブコメです」と評したことに、いたく共感し、またその表現に軽く感動した。私淑している作者さんなのである。
久米田康治にとっては初アニメ化を果たした作品でもある。あまりアニメは見ないのだが、この作品のアニメはなかなかどうして面白く、珍しくうちの地域で放送圏内だったこともあり、だいたい見た。OPの大槻ケンヂがハマり過ぎやで。
なぜか本作の前著かってに改蔵が遅すぎたアニメ化を果たしたが、それも本作が売れたおかげだろう。
だいたいこんな感じ
ハーレムラブコメ…の皮を被った純愛ラブコメ。
一見ただのハーレムだけど。なにしろ↓がみんなヒロイン。
さらにまだ他にヒロインいる。その数の多さたるや、どのヒロインが好きかで軽く性格診断できるんちゃう?さらにヒロインみんなもれなく主人公・糸色望に好意を寄せる。一部例外もいるけど、好意寄せないほうが例外というレベルやで。もはややけっぱち。
にも関わらず、一番人気はまず間違いなく主人公である糸色望であろう。ハーレム系のラブコメって、どのヒロインよりも主人公の出番が一番多いから、主人公のキャラが立ってるとそれだけで素敵。なによりラブコメとして素晴らしい。先生のキャラが良かったもんで、このヤケクソ気味のヒロイン乱発が作者の意図を超えてうまく映えたような感じだ。
本来なら直視できないような設定なんだが、強烈なギャグがラブコメを包み込んで緩衝材の役割を果たしてくれている。「絶望した!」のわかりやすいキャッチフレーズと共に、毎度毎度先生を起点に展開されるひねたギャグ。そのネタが多分に政治的・社会的であったりするのが特徴で、一部から反感を買うようなものなど、色々と普通の漫画らしくないネタが多く、また自覚的↓。
↑アニメ化された頃。なお焚き付けてるヒロインは、ヒロインの中でもメインであると思われる風浦可符香。特殊な立ち位置で、望のネガティブな発言に対し、妙にポジティブな切り返しで話を膨らませる役割。一見前向きだが、その先が崖になっているような不気味さがある。なので、人気自体は微妙だったような気がするものの、物語上は紛うことなきメインヒロイン。
↑なんか発言がはしゃいだオッサンみたいで好き。作者の人格が一番反映されているだろうと思われる。いろんな女の子が出るけれど、本作を本作たらしめているのは、彼女の存在が大きい。一人くらいは気にいるヒロインいると思うから、その娘目当てで読むのもいいが、なんだかんだ言っても、本作は主人公・糸色望とヒロイン・風浦可符香の魅力に尽きる。
総評
照れ臭く感慨深いラブコメ。ん、まぁ…。
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