このタイトル文字数の限界に挑む感じはもちろんなろう系。コミカライズなのでなろう漫画です。
ただ、これは女性向けだね。
なろう系って恋愛要素がそこまで目立たないものも多いなぁと思うけれど(純粋にただただ俺TUEEEなやつとかもある)、本作については恋愛要素が主軸にありながら、とことんラブコメを避けているのが印象的ではある。
一言でいうと、「幼馴染のイケメンに冷たくしてるんだけどそれでも恋愛フラグが立ち続けて困るわぁ」って話。一種のフラグブレイク系のラブコメ。
ただなんかこれ、すごい女性的だなぁと思った。野郎向けラブコメはだいぶ読んでいるし、男版でもフラグブレイクのラブコメはあるんだけれど、その場合、男は「朴念仁」であって、意図的に好意を避けるっていうのはない。それをやるのは、女性特有に思えるが、どうだろうか。
何も悪い子としてないのに突然塩対応される男の子が可哀想だった。以下1巻感想。
必殺!フラグブレイク
俺がなろう系を読む時に思うのは、「この作品に託された願いは何か」である。まぁあまり良い読み方ではないのかもしれないのだが、そういう目線で読むと物語が比較的頭に入りやすいのだ。こういう理屈っぽい読み方は、俺と同じく、年取った漫画読みの人ならきっとわかってくれるはずだと勝手に思っている。もうね、感性だけじゃ読めないのですよ。。。
で、本作についてだが。本作はRPGでゲームの主人公・ルカーシュの幼馴染というサブキャラに転生したところから始まる。ただ、このサブキャラは最初のほうで主人公との恋仲をほのめかされ、告白までいきながら、ゲームではその後フェードアウト、放置されるという悲しい扱いだった。しかもルカーシュはボーイ・ミーツ・ガールして真・ヒロインと相思相愛状態になった模様。
そのことを知っている主人公は、その悲劇、すなわち負けヒロインを避けようとして行動を開始する、というもの。
ということで、普通にしているだけで次々と発生するラブコメフラグを容赦なく折っていく、のが基本的な筋。この時点では、ルカーシュは主人公のことが大好きだし、突然冷たくなった幼馴染に戸惑っている様が普通に可哀想であった。まだ何もしてないのに。
この作品を読んで思い出したのは、月刊少女野崎くんという漫画の一シーンだった。
美術部女子部員たちがみこりんというイケメンにモデルになってもらって絵を書くネタがあるのだが、その中でひときわ目立つ濃い属性をもったオタク女子のリクエストが「捨てないでくれ」とみっともなく叫びながら涙ながらに追いすがるというようなもので、周囲の女子たちにドン引きされる、というネタ。
なんか、その願望に近いものを感じる。
なんだろうな、こっちはそっけなくしているのにもかかわらず、プライドも何もかなぐり捨てて強く求められたい、そういう願望ってあったりする女性もいるんですかね。この「そっけなくしているのに」というところは、なんだか女性的に感じられる。とはいえ、女性の中でもそれなりに特殊性癖だと思うのだが、
好意を寄せる幼馴染に塩対応して楽しいですか?
冒頭にも書いたとおり、ジャンル的にはフラグブレイク系のラブコメに入ると思う。ラブコメはフラグ消化してなんぼなので、フラグブレイクの連発はだいぶ特殊ではあるが、男向けでもフラグブレイクな漫画はないことはない。このサイトで取り上げているやつなら、「共学高校のゲンジツ」とか「異世界おじさん」とか。
ただ、男向けのフラグブレイクは、朴念仁、つまり好意に気づかないが故であって、好意を明確に意識しながら無視する、みたいなのはないんだよね。
本作の主人公のように、積極的に無視、とまではいかなくても冷たく塩対応に徹するのは、けっこう女性向け特有のフラグブレイクなんじゃないだろうか、なんて思ったりした。
俺はただでさえ恋愛感情を無下にされるのを見ると心が痛むタイプだし、まして同じ男のルカーシュ、今の時点では何もしていないのに、(本人は無自覚だろうけれど)好きな幼馴染が突然塩対応になって戸惑っている様子のほうこそ可哀想で、ちょっと作品は楽しめなかったな。
漫画の続きをポチることはないだろうけれど、原作はなろうで読めるので、さらっと続きどうなるのか確認してみてもいいかなぁという感じ。
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