買ったのいつだったかなぁ。漫画買ったのに読まないなんて、昔は考えられなかったよ。大人になると、金はあっても、時間がない…。でも、本当に読みたいと思ったやつはだいたいすぐに読むし、積読期間が長い奴は、だいたい何かしらの心理的抵抗感があるんよな。この漫画にもあったというころだろうか。以下大いにネタバレ。
すっかり普通の娘になって
本巻のユイコさんは、1巻の頃と比べるとすっかり成長していて、友達も自分で作れるようになったし、それなりに空気も読めるようになって、時にはトモヤをリードすることも。逆に、それがトモヤにとっては寂しさを感じさせる。長年ファンだったインディーズバンドが一曲当ててスターダムに上がってしまったような疎外感であろう。わかるぞ。
最後、トモヤの不安を察したユイコさんは、プロポーズという荒業でトモヤの不安を打ち消す。キスしかしてないのに、高校生にして結婚と出産を前提にしたプロポーズってどんだけ三段飛ばしだよなどとまっとうな感想を抱きつつも、それがこのカップルらしくもあるなとも思う。っていうか結婚観が昭和だこの二人。
しかし、これ以上は続けられんよなぁ。一番綺麗なところで終わったよ。
このカップルのその後の話を聞きたいか?と言われると、時々幸せな後日談を聞けたらいいかな、というくらいで、もっとみたいとは思わんな。でも、二人の中学時代の過去話はもっと読んでみたいなとも思う。というか5巻はそれが一番面白かった。
なんだろうね、この二人、特にユイコさんは、成長途中で残念可愛いところが魅力だったので、こうしていざ成長した姿を目の当たりにすると、人間としてはそれでいいんだろうけれど、ラブコメのヒロインとしての魅力は減退するね。トモヤも受け身型で、かつ割と卒なくこなせて問題があるタイプでもないから、ユイコさんが成長すると、ラブコメ自体が終わる。
これはラブコメだったのか?
幸せなフツーのカップルになった、ということで、感慨深くはあるが、ちょっともにょる。綺麗に終わってるんだけど。でも、ラブコメとしてはどうなんだろう。むしろこれはラブコメだったのか?いやラブコメじゃないならなんだよって感じだけど。
うーん、ユイコさんは人間として成長して、トモヤはちょっと不安にもなったけど、プロポーズまでして互いに絆を深めて、これからもずっとこの二人は続いていくんだろうなと思わせる、これ以上ないくらい綺麗な終わり方なのに、なんでかスッキリしないんだ。なんだろうなぁ……。