『ヤシコー初代生徒会』感想:出だしはコメディカルだが案外マジメ

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作・藤こよみ。2011-2012年全2巻。

新設の学校で、校門くぐったのが100人目だったから、という理由により主人公・一路が生徒会長に抜擢される。

…などという出だしであったので、学園コメディかと思いきや、やけにシリアスチックな話が続いたのでちょっと驚いた。でも結局気になるのは、表紙のお二人、会長と副会長のラブコメっていう。

全2巻ですっきり。以下2巻感想。

目次

コメディっぽい出だしだが

なんとなくラブコメかなぁと思ったのは、表紙が男女だったから。タイトルを見れば生徒会ものだとわかるし、それで男女二人が中心とあれば、漫画のセオリーとしてラブコメ的になんやかんやあるに違いない。絵柄もそれっぽいし。

などと思って読み始め、すると校門くぐった君が100人目だから生徒会長よろしく、などという非常に適当感溢れる設定であり、さらに「ストレスでハゲたくないから辞退します!」なんてやりとりやらシスコン兄貴の存在やらで、ああこれは学園コメディかなぁなんて思ったのだが、読み進めるとそうでもなかった。

ヒロイン・初瀬は中学の時に生徒会長をしていたそうだが、頑張り虚しく周囲の信用を得られず、ちょっとしたトラウマになっていた。主人公・一路もまた出来すぎた姉という重荷を背負っているらしい。

さらに、特に何かしたわけではないのだが、生徒会も始まって早々に、妙にやる気のある連中から「学校の未来を本当に考えているのか」と生徒会の不信任を突きつけられ、改めて選挙が行われるというイベントまであり、コメディチックだったのは出だしだけで、後の展開はややシリアス気味。

最初から選挙しましょうや。

その後の展開が真面目であればあるほど、なぜ出だしがあんなコメディカルだったのか謎だった。

まぁでもラブコメ

ということで、正直言うとストーリーについてはなんだかなぁという気持ちが最後まであった。コメディな出だしと真面目な展開のギャップが、どうにも俺の中で繋がらず。コメディのターンがもう少し長ければ、また違ったかもしれないが、そうすると解散総選挙からの再戦が最初で最後の盛り上がりになってしまうか。文化祭で成果を残すとこまでいきたかっただろうしねぇ。

まぁ若干置いてけぼりな感じになりつつ、一路と初瀬の関係が気になるがためにページをめくる。このお二人がラブコメするに違いない、という最初の見立ては間違えておらず、まぁなにかとイチャイチャするわけだ。無自覚に恋している感じのウブい青春模様はニヤニヤするよね。ってか初瀬可愛い。ピークは合宿、寝起きで寝ぼけた一路に、髪を下ろした姿を「可愛い」と言われて初瀬が真っ赤になるところか。

実際、最後の最後、真の山場はヤシコー生徒会がどうのというより、それで一路と初瀬は付き合うの?どうなの?というところであった。

ってなわけで、ラブコメ的には全2巻で割合スッキリと楽しめた。キスシーンくらいあってもよかったのに。

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