『WEB版WORKING!!』6巻(最終巻)感想:みんなハッピーお幸せに!あと足立くんサイコーっていうかサイコ!

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作・高津カリノ。2017年6巻最終巻。最終巻といっても、Web出身故自分の庭であれこれやる作者さんなので、単行本としては最終巻という感じか。でもひとまず区切り。

各カップルもそれなりにハッピーそうな結末を迎える。その中でも一番気になるのはやはり足立村主カップル。奇跡のカップルだねこの二人。ってか足立くん怖い。ゾクッとした。優男風で実際優しいのにこんなに怖いなんて…さすが足立クレイジー。高津カリノキャラで足立くんが一番好きかも。

お幸せにとしか言いようがないねー。以下6巻感想。

目次

足立くん好きやわぁ

なんといっても足立くん。この男本当に怖い。マジでサイコパスなんじゃないか。読んでいて何度かゾクッとした。

高津カリノ, WEB版WORKING!!, 第6巻

↑ホラー映画の殺人シーンに淡々とダメ出しする足立くん。これには村主さんも戦慄。足立くんのナチュラルにネジの外れた思考が垣間見れる。

村主さんは好んで足立くんに氷を入れる悪戯をするが、老後に氷を入れられたら困る意味不明な心配をして、村主さんに危険性を教えようと、大量の氷をいっぺんに、突然、正面から、村主さんの着物に突っ込むという行動に出るあたりからも、この男のずれた感性が窺える。

そもそもなぜ突然老後に思いを馳せたんだということは置いといて、老後像でも当然のように村主さんを考えているのもポイント。老後まで村主さんに悪戯され続けるつもりらしい。村主さんとの将来は足立くん的にぼんやりながら確定しているようで、だから村主さんに就活の相談をされた時は唖然とする。足立くんの中では大決定していたんだろう。一方で村主さんは、足立くんの曖昧な態度で現状に不安を感じているのだから、なかなか一方的。

高津カリノのキャラクターにはぶっ飛んでいるキャラが多いが、見るからにおかしかったり、あるいは付き合ってすぐに「やばい人だ」とわかることがたいていだが、足立くんはそうではない。ある程度付き合って初めて「もしかしてこの人やばい?」と薄々感じるタイプ。個人的には一番恐ろしいタイプだと思う。

見るからにぐらついた足場や吊橋ならば、そこを渡る人間もそのつもりで歩く。だが見た目しっかりした足場ならば、そんなに警戒もしないだろう。そして真ん中くらいまで来た時、よく見るとあちこちに亀裂が入っていることに気づく。しかも、少し傾いている。まっすぐじゃない。そんな感じだ。

そんな隠れ欠陥建築、足立ラビリンスに進んで迷い込んで、出られなくなってしまったのが村主さん。自分から迷い込んでいるんだけどね。もう完全に捕食されました。

こんなキャラクターなのに、村主さんとの絡みはニヤニヤできる奇跡のカップルである。まー村主さんは村主さんで相当尖っているしね。癖ある女性陣の中でもひときわ異彩を放っている。表向きは足立くんを完全に尻に敷いているし、なんだかんだでバランスが取れているんだな。

もし村主さんに何かあったら、足立くんは本当に何をしでかすかわからない怖さがある。作中では否定していたけど、刀があれば斬りかかっても不思議ではない。それだけ村主さんのこと大事に思っているということではある。

ただその気持ちは通常なら若干重いというか怖いのだけれど、重さにかけては村主さんも負けていないから、総じてお似合いちゃうかというか、もう君らはそれでええと思うよという感じ。うーん素敵。やっぱこのカプが一番好きやわ。

面白く読めるようになってしまった

その他、なんだかんだいって高校生カップルらしい初々しさで可愛いひがしー宮越カップル、いくとこまでいってそうな進藤志保嬢カップルに加えて、斉藤と志保のメイドもいい感じになり、アクが強いながらニヤニヤしながら最後まで読めた。志保嬢は彼氏以外に対しては基本クソアマっぽいところが好きだ。

それにしても、WORKING!!読んでニヤニヤするようになったんだな俺。この漫画はだいぶ昔からあるので、Web時代からずっと追いかけていた人にとっては、商業で出版され、かつこうして完結編を迎えることは非常に感慨深いものなのだろう。

俺と言えば、今でこそこんなサイトを作っているが、実はこの作者さんの作品を面白いと思うようになったのはここ数年の話で、特に追っかけてはいなかった。学生時代に読んだことあったけれども、いいなと思うようになったのは割と最近("最近"といっても年単位の話だ。歳を取るに連れて"最近"の範囲は広がる。年配の人は前世紀のことを昨日のことのように話すので注意が必要だというのは働きだして学んだことの一つ)なんだ。

感受性が変わったのかな。うーん。ラブコメの病にいよいよ本格的に侵されてきたというかもしれない。ラブコメ病の本質は徹底的な第三者視点にある。年齢を重ね、ラブコメ漫画の主流な年齢層から離れることで、自分という存在をいよいよ透明化させて物語を捉えられるようになったのかもしれぬ。

まー救えない話は置いとこう。とにかくこのハッピーでニヤニヤできるラブコメ、今はただ祝福したい気分だ。爆発しろ!

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