表紙誰。新キャラだった。まだストーリーにはあまり絡まない。直人と因縁があるらしいことを示唆されるのみ。個人的にはこれ以上ヒロイン増やさないでほしいが…。
今回は石原さんが必死。軽くメンヘラ入ってる風にも見えるのは、演出のせいだろうか。確かに可愛いんだけれど、怖さも感じる。
この漫画のヒロインは皆妖しい魅力を放ってるね。女の妖しい魅力に一人の哀れな男が振り回される話かしら。個人的には、最後は紗月エンドか全滅エンドだと思っているが、どうなるかなー。できればグッドエンディングを望みたいけどなー…。
各ヒロインの心情が謎すぎるラブコメサスペンス。以下4巻感想。
紗月の謎
謎が深まるばかりである。特に紗月。
前巻、紗月はこれ以上優しくしてくれるな、でないとまた大事なものを壊してしまうと、直人に警告する。それで距離を置くのだが、それが直人にはつらい。元々、直人は紗月との別れがトラウマになっている。それで、朝いつものように姿を見せなかった紗月のところまで、鈴と二人で押しかけるわけだ。
そこでの直人と紗月のやりとりから、いくつかわかったことは、まず直人が紗月とのことで本当に嫌だったのは、紗月が畑を荒らしたことではなくて、何も言わずいきなり消えたこと、「突然お前に会えなくなったことのほうが嫌だった」と。
それが紗月にとって意外な返事だったらしいことを、直人の言葉を聞いた紗月の表情が物語っている↓。
その直後にはなんてことのない態度を取っているものの、内心では動揺があったのではなかろうか。直人を挑発するように、直人の唇に手を触れて、
「今朝 直くん家行かなかったから また私に会えなくなると思った?
直くんそんなに私のこと気にして 私のこと"まだ"好きなの?」
"まだ"に強調符がついているわかりやすさよ。直人は赤面して、「昔はともかくお前のことなんてもう全然…」と、暗に以前は好きだったことを言いつつ、今はそうではないと否定するのであるが、重要なのは、少なくとも紗月は直人が自分に好意を抱いていると自覚していたことだろう。と、同時に直人に現在の気持ちを確認してもいる。
好意の自覚については、直前の直人の言葉で確信したとも考えられるが、いずれにせよ、紗月は直人がかつて自分に好意を抱いていたことを知っている。そして直人の慌てぶりは、口では否定するものの、紗月に対して今なお何か想いがあるようにも受け取れる(というかあるだろう)。そのうえで、紗月の直人に対する答えが
「私はもう直くんに関わらない」
なのは、やはりこれ以上関わっていると、本当に求めてしまうから、なのだろう。紗月は直人が自分を憎んでいると考えていた。大事なものを壊したから。でも、そうではなかった。直人は紗月を憎んでいないし、畑を荒されたことを怒ってもいない。ただ、紗月に会えなくなったことが嫌だった。それは好きの裏返し。その気持ちは、きっと今もなくなってはいない。紗月を抑えていたものが、一つなくなった瞬間である。
石原のことはあるものの、直人が本当に気にしているのは紗月に思える。また紗月がトラウマになっていて、互いに今なお想いがあるのであれば、もう素直になって求めたらええやんと読者的には思う。
が、どうも何か事情があるらしい。紗月が徳井に打ち明けるところが、読者への謎掛けになっている。
「直くんといると ほしくても絶対無理なものが
もしかしたら手に入るかもって期待しちゃう時がある
(蝶を掴もうとして逃げられる)あーあ
掴もうとしたら壊れちゃうってわかってるのに
――こんなことなら会いに来なければよかった」
先の直人のやりとりで、紗月はほしいものが手に入るかも、と期待してしまったらしい。でも、それは掴もうとしたら壊れるものらしい(壊すではなく)。
徳井が紗月に「ほしいもの」は何かと聞くと、読者には明かされないが、徳井にはちゃんと打ち明ける模様。それは、徳井を少しだけ驚かせるもので、また直人や徳井には当たり前過ぎてわからないと紗月が考えているもの、でも徳井が「少しはわかる」と言えるもの。
……なんだろう。マジでわからん。家族?とも思ったけど、直人には鈴こそいるものの、むしろたいへんな身の上である。直人にとって当たり前のものではないよなぁ。んー、現時点では、読者視点だとわからないと考えてよいのではなかろうか。ここで紗月が徳井になんと言ったのかは、物語を読み解く上で間違いなくキーとなるところだろうなぁ。
悩む紗月は、この後"幼なじみ"な関係に落とし所を見つけた(つもり)らしい。直人との関係は持ちたいしそばいにいたいけれど、彼女にはなれない。でも、幼なじみならいい。紗月的には、それで色々と納得できたようで、また明るく(?)直人のストーキングを再開するようになる。
先の紗月が徳井に打ち明けた「ほしいもの」に繋がるんだろうけれど、あー、なんだろうなー。
それにしても、紗月は自分のセックスアピールにも相当自信があるらしい。直人に向かってスカートめくって「ご褒美」とか、なかなかできるもんじゃないわ 笑。
この漫画は女性の太ももなどセクシャルなところが、必然性のないアップで描かれていることも多い。ヒロインの艶めかしさも含めて、大きな魅力なのだろう。
直人は愛情を受け止められない
さて、紗月の謎めいた態度が、直人にはまったく理解できない。紗月が直人を避けるのは、読者的には好意の裏返しだとわかるのだが、直人にはわからない。そもそも、かつて紗月と両思いだったと勘違いしていたと考えていて、それからの畑荒らし、突然の別れという流れが、直人のトラウマになっている。その後鈴と二人で転々とする羽目になったこともあり、直人は愛情を素直に受け止められない性格になってしまったのだと考えられる。
紗月が直人にキスまでしたのは、鈴も指摘するとおり、"関わりたくない人"にすることではないし、また、直人も紗月を決して軽い女ではないと思っている。どう考えても紗月は直人のことに想いを抱いているし、冷静に考えればそれがわかるはず。だが、直人にはどうしてもそう思えないし、考えられないのだろう。
だから、石原から告白されるというハッピーなことがあったとき、呆然として
「ウソだ これは夢だ」
と考える。見開き大ゴマ、背景はベタで真っ黒、目に光はない。いかに石原が高嶺の花的な存在で、直人にとって思いもよらぬことだったとしても、この反応は異常。
直人は"あの"石原からの告白だから信じられないと言っているが、多分、石原じゃなくても、直人は告白を素直に受け入れることができないのではなかろうか。
石原さん超必死
そんな直人は、石原の告白を断ろうとするのだが、石原は涙ながらに「お試しでもいい」とか言い出し、押し切る。必死過ぎてビビる。そんなにか、そんなになのか。石原の勢いに押されて、ついに直人は付き合い(仮)を了承する。そんで鈴も含めて楽しくデートする。
直人が石原の告白を受け入れ、トラウマを乗り越えて愛情を育むことができれば、それでめでたしめでたし……なんだけど、まぁそうはならんのだろうな。石原は直人に何かを求めている。それが明らかになるまで、そうとう悶着あるはず。徳井はそれが何か知っていそうだが。そのうえで付き合いを勧めているのだから、確かに直人は石原に応えることができるのかもしれない。
しかし、どこか不気味である。紗月と直人がキスしたことを知っていて、それに対抗しようと焦る石原が怖い。手を繋いだだけの一度のデートの後、直人が次はお試しなんかじゃなく、自分からちゃんとデートに誘おう、とささやかな決意をする一方、石原は薬局で密かにゴムを買い、大事そうに小脇に抱えて街を歩いて夏休みを期待する。あの異性に対して潔癖だった石原紫はいない。
そうまでして直人の一番になろうと執着する様はやはり変。ってか、即ゴムを買う発想になってそれが実行できるってのは……うーん?前巻のキモイケメンストーキング事件だけでは明かされていない謎があるように思えてならぬ。徳井が気にする何かが…。
直人は石原のこんな一面は当然知らない。直人は石原が自分を過大評価していると言うけれど、直人もまた石原に対して夢を見ている。まぁそれ自体は、ラブコメ的には全然悪いことではない。付き合ってから互いを知っていくのも一つの王道だし。でもこの二人の場合はどうなんだ?
紗月も石原もわからんなーと思っていたところで、さらに新キャラ。どうも直人とは互いに知っているっぽい。また女の子出すのかー……と思いつつ、やはり続きが気になるのであった。
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