崩壊するする詐欺の青春劇場第10巻。今をときめく三角関係・修羅場漫画。
紗月が胸元空けて思いっきりセックスをほのめかし捨て身の誘惑から始まる。個人的には紗月派なのでこのまま紗月派でいってほしいところだったが、うーん、雲行きが怪しい……。
まぁでもな……たしかにな。紗月ルートは楽そうに見えて茨の道というか、若干破滅の香りというか、いつ崩れてもおかしくないひび割れた橋みたいな感じなんだよな。それに比べると、石原さんはいかにも地雷ルートに見えて実際地雷なんだけれど、周囲のサポートがあれば何度か爆風を受けつつなんとかなる気がする。一方、紗月ルートの場合は完全に直人と紗月の二人の世界で、二人がケジメをつける必要がある感じなんだが、果たして直人にその覚悟があるのか…紗月はあるっぽいんだが。
まぁでも、うん、まぁいいやどっちでも。最後に直人がちゃんとどっちかとくっつくならいいです。全滅エンドとか梅澤エンドじゃなければ……。以下10巻感想。
やはり紗月
うーん、やっぱ紗月好きだなー俺。特に、セックスの誘惑をぶら下げて、性欲で近づいてもいいとまで言う紗月に、そんなんでできるのかという直人に対する返答がよかった。
つよい。
これには直人もくらっとくる。超がつく強調表現からの「たぶんやれる」の生々しい表現が良い。シチュエーションをありありと想像しながら言ってそうな真顔が良い。
というかここまで言われて靡かないって直くんどうなってんだよ。
いやまぁ、どうなってるというか、そういうことなのかなぁ。結局石原さんに未練タラタラっていう。
幼馴染の負けパターン入ってしまったのか、それとも…
うーん……読んでいて思ったのは、直人にとって石原は自分を成長させる存在だったということだ。それに対し、紗月の場合は「ダメ人間になってしまう気もする」。直人は幼馴染の紗月に対して肩肘はることもなく、自然体で接することができるが、現状を変えようとも思わない。まぁ、それはそれで人生だとは思うが……これ、ラブコメ的には幼馴染が過去と現状維持の象徴になっている負けパターン……。
とはいえ、本当にそうなるかはわからないけどね。少なくとも紗月は、不穏な未来も感じ取っているように見えるな。紗月との恋人生活として現状の延長を想像した直人に対し、紗月はハッキリと「もしつき合ったら この感じ変わっちゃうのかな」と関係の変化を予想している。
実際、そうだと思うよ。直人と紗月は性格的に合うのだろうし、楽に付き合えるだろう。が、二人はまだ過去を清算していない。そこは誤魔化しちゃいけないところなんだが、恐らく追求すると、二人の関係も変わらずにはいられないんじゃなかろうか。だが、それを乗り越えられればワンちゃんある。
つまり、逆説的だが関係の変化こそ直人と紗月の仲が続く必要条件なので、「直くんになら傷つけられてもいいけどね」なんて不穏なことを口にする紗月は、実は直人との仲を本当に続けたいのだろうと思う。恋人という非常に近い関係を選んだ場合、この二人は多分どこかで傷つけ合わねばならない。その覚悟を紗月は既に持っていて、それでもいいから一緒にいたい、ということだ、と解釈した。
だが恐らく、直人はそこまで腹をくくれまいなぁ。少なくとも、ここまで読んだ限りではそうだ。
それでも紗月ルートを希望
直人の心は今石原さんに向いているしね。石原さん多分優良物件に見える地雷なんだけれど、周囲のサポートさえあれば、多少爆風を受けつつも生還できそうな感じはする。石原さんちょっとヤン入ってるものの(メンヘラではないと思う)、直人は割とヤンデレ耐性が高いはず。自己否定的な受身男はヤンデレ女と比較的うまくやれるタイプだと思う。
ということでこのままいくと順当に石原さんエンドなんだけれど、それでもどんでん返しで紗月ルートをまだ希望している俺であった。っていうかそっちのほうがドラマチックだと思うんだよね!!ってか石原さんルートにいったら、色んなことが謎のまま終わらねぇか、っつーか何も崩壊しないだろそれっていう。いや別にいいんだけどさ、崩壊寸前のまま終わっても。
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