ビビッドアーミーの広告は何故うざいのか、うざいのは問題なのか

「ビビッドアーミー うざい」

この検索ワードで「ビビッドアーミーの広告があまりにも酷いので、サイト内で表示されないようにした – 少年は少女に出会う」にたどり着く人はかなり多いようだ。「うざい」という強い言葉は記事内で使っていないなのだが(そういうワードでくる人がいる、とはあとから追記したけど)。まぁ間違ってはいないんだけどさ。

このサイトは本来そういう趣旨のサイトではない。それどころか定期的にGoogleさんから「お前んとこの記事はいやらしいから悔い改めろ」と怒られているくらいだ(「定期的にGoogleさんから記事がいやらしいと怒られるが、別にそんなことはないのだ – 少年は少女に出会う」)。そんな俺だから、別にネット風紀委員を気取りたいわけでもなく(っつーか取り締まられる側だし)、この記事が当サイトのアクセス数トップなのは複雑な心境だった。

ようやく落ち着いてきた頃合いで、また同種の記事を書くのもどうかとは思ったが、しかしまぁ個人的に考えさせられる件ではあるので、つらつらと思うところをもう少し書き連ねることにする。

目次

あんまりみんな言わないから

以前に「ビビッドアーミーの広告があまりにも酷いので、サイト内で表示されないようにした – 少年は少女に出会う」という記事を書き、ちょうど他にこういう心情を吐露したサイトがあまりなかったこともあって、大いに検索された。

ここ数ヶ月、そこそこのメディアでもさすがに問題があるのではないかと取り上げられるようになり、お陰様で検索順位が少し落ちたらしく、一時期に比べるとアクセス数も落ち着いたのだが、それでも場末の当サイトでは比較的アクセス数が多いことには変わりなく、相変わらずトップをひた走られていてなんだかなぁという心地だ。

恐らくそれなりのボリュームのキーワードなので、アフィリエイターどもの餌になってもおかしくない話題だと思うのだが、金だけが目的の彼らに大口の広告主を批判する記事は書きづらいのか、特に取り上げられてはいないようだ(まぁ同じ穴の狢だしな)。彼らがやってくれれば、うちのサイトなど一気に検索圏外にぶっ飛ぶのだが。本当に役に立たん連中である。

だからといってわざわざ検索避けなどする気もなく、というかそういう操作とは無縁でありたいと思っている。なので、そのうちに事態が沈静化するか、もっと多くの人に話題にしてもらって、うちみたいな場末のサイトなどは、物好き以外はたどり着かないうらぶれた路地裏の怪しい喫茶店みたいな立ち位置になれればよいのだが、そうそうこちらの都合よく検索エンジンは評価してくれないので、まぁもうしばらくは悪目立ちしてしまうのかもしれない。

例の記事について

あの記事は悪感情をぶちまけた記事だからか、集まってくる人たちもだいぶ溜まっているようで、強い言葉で広告や広告主を非難するコメントもついたのだが、自分としては実はそこまで言う気はなかったりする。

また、他の広告やゲーム全般などに批判の対象を広げられると、まぁ同意できるところもあればできないところもあるという感じだ。かといってコメント欄で議論する気もさらさらない、というか経験上、一定以上感情的な言葉が用いられている時点で、議論にはならない。

で、面倒臭くなってあの記事については返信するのを途中でやめた。コメントをもらえるのは有り難いと思っているが、コメントもサイトコンテンツの一部なので、あまり乱暴な言葉遣いなどされると載せることができないかもしれない。

本来は表現の自由だが

さて、このサイトの記事を見渡してみればわかるのだが、非常に性的な色の濃い作品についても取り上げている。つまり、本来俺は「性的であること」自体はなんら悪いこととは思っちゃいない。

というか、いいも悪いもない。表現の自由である。好きにすればよいのである。

と、そういう立ち位置であることを踏まえたうえで、あの記事を読んでもらうと、多少印象が変わるところがあるかもしれない。むしろ「二重規範ではないか?」と思われるかもしれない。

「うざい」の本質

それこそ、今回この記事を書いた目的である。平生は性的な表現も表現の自由として認められるべきであり、媒体に載せるのを取り下げろなどと言うべきではないと考える自分が(同じようなことは「ラブコメ漫画の同性愛キャラの今後を思う – 少年は少女に出会う」にも書いている)、ビビッドアーミーの広告について苦言を呈するのは、矛盾していないか。

俺自身、考えている中でちょっと疑問に思った。だが俺は作品の感想においても、「本作を一般誌でやるのはいかがなものか」とPTAみたいなことを言うこともある。もちろんそれは連載するなと言っているわけではない。法的には、性器が描かれていない限り基本はOKのはずだし、その規制を強めるべきとも思わない。

ビビッドアーミーの広告の件も、本質的には似たようなものだろう。性的にほのめかすようなドギツイ表現を、不特定多数の目につくところに、(ほぼ)強制的に何度も何度も表示する、という手法に問題があるのだと思う。この問題による不快感が、「うざい」という言葉に集約されているのではないか。

(ビビッドアーミーの場合、実際にはゲーム自体に広告でほのめかされているような要素はない、という問題もあり、それも一つ大きな問題ではあるが、たとえ広告通りのゲームだったとしてもやはり不快なことには違いないので、本質的ではないと判断した……まぁ、そういうゲームじゃないからおおっぴらに宣伝できる面もあるので、無関係ではないのだが)

表現の自由とzoning

つまり、これはzoningの問題である。表現の自由はあるが、だからといってzoningをしなくてよいわけではない。そういった規律があるからこそ、表現の自由は守られるからだ。見たくない人は見ない権利があり(広告自体を見たくない、とまで言われればfree riderの謗りを免れ得ないと思うが)、それは尊重されなくてはならない。

これは微妙な問題である。境界線は明確ではないからだ。それは人によって異なり、なんなら同じ人でも気分で変わる。だが、少なくともビビッドアーミーは線を大幅に超えてしまっている、と感じられる。

全科目赤点ギリギリ状態

だがそれも感覚的な話だ。厄介なことに、彼らは決定的な過ち(たとえば性器を描くなどの明確な違反行為)を注意深く避けている(そのいやらしさがまた我々のヘイトを増幅させる)。あらゆる基準のギリギリ下、あるいはグレーを狙っている。

「性的にほのめかすようなドギツイ表現を、不特定多数の目につくところに、(ほぼ)強制的に何度も何度も表示する、という手法に問題がある」と前述したが、これも要素を分解すると、一つ一つは明確に問題があるとは言い難いかもしれない。だが組み合わせると凶悪である

言うなれば、全科目赤点ギリギリの状態なのだ。確かに留年はしないだろう、だが「もうちょっと頑張ってくれないか」と言いたくなる。「君は何故学んでいるんだ?」と根本的な問いを投げかけたくなる。

それはもちろん学歴を得るためだ。ビビッドアーミーで言うならば、PVのためであり、つまり金のためである。

だがそれは、制度の悪用と言わねばならない。赤点ギリギリばかりを狙われたら教育の質は落ちる。赤点の基準が低いのは、人には得手不得手があるからであって、バカを救うためではない。だが悪用され、それが問題とされ、避けなくてはならないとなれば、赤点の点数を引き上げるしかない。つまり、規制を強めるしかない

ルールというのは可塑的なもので、一度決まれば二度と変わらないという性質のものではない(我が国においては硬直的なものという認識があるかもしれないが)。したがって、やりすぎればルールは変わる。荒れた学校ほど校則が厳しいのはそのためだ。

何も変わらんのかもしれんね

まぁでも、今の所規制が強まるとかそういう話はなさそうだし、そうするとまぁ心情的にウザい以上の問題にはならないのかもしれない。どんなに批判したところで、彼らは決して変わらないだろうし(昔から今と大して変わらんことをしていたようだし)。

もっとも、日本の場合「やっちゃいけない空気」がなんとなく醸成されると、法律を超える強制性があって、これに逆らえる日本人はいないのだが、これはこれで嫌なんだよなぁ。

となると、現状で我々にできることは何かという話になるが、サイト管理者は広告について選別ができる。自分はサイト管理者として、当サイトにはg123の広告は表示しないようにしている。が、まぁこんなのはインターネット全体で見ればあってないようなものだ。

まぁ批判の声が高まれば、Googleさんも広告の基準を厳しくするとか(Googleさんもうちの記事に機械的なエロ判定で反応するくらいなら、こっちをどうにかしてくれよと思わなくもない)ある、かもしれないが、どうだろうね。Googleさん的には金になりゃそれでいいのかもしれないし。

とはいえ、せめてユーザーレベルで制御できるような仕組みくらいは作ってくれてもよいと思うが。少なくとも、これを口実にAdBlock使われるよりはいいと思うんだけれどな。

どうでもいいといえばどうでもいい

ここまで書いておいてなんだが、正直どうでもいいとも思っている。この記事は自分の考えを整理するために書いただけで、別にどうこうしたい何かがあるわけではない(できることもないだろう)。クソ広告を封じるために法規制だとか言われるとちょっと待てよと思うが、今の所そういう話は聞こえてこないし。

とはいえこのまま行き過ぎればいつかそういう話になってしまう可能性はあるので、やはり注意喚起はしておきたい、くらいの気持ちだ。

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