作・若林稔弥。2015年1巻より2017年8巻。今回、今までで一番楽しかったかも。
最初の体育祭は甘過ぎてえげつなかった。えぐい甘さ。甘い、というか、小っ恥ずかしい。
修学旅行編はダダ甘なんだけど意外とこっ恥ずかしくないというよりはなんだか郷愁にも似た憧憬を感じる。男風呂でアレ見せ合ってうぇいうぇい言ってる……。
そんでやっぱり砂川戸田が好き。今回は出番があってよかった。渾身のデレ。以下8巻感想。
爆発
今回もまぁ色々と爆発していた。特に最初の体育祭の流れは、友情話もあるので、いつにもまして甘いやら小っ恥ずかしいやら。口ん中に砂糖とクリームをマシンガンで全力注入する感じは変わらないが、いわゆる甘酸っぱさとは違うムズムズするような気恥ずかしい酸っぱさがあった。
行事もので距離感少しずつ詰めてる人たち多すぎ爆発しろ。お互いの認識を駆け引きにもなってない駆け引きで確認するのむっちゃ楽しいやろ。
一番キテいたのは↓かしら…。

「やばい どうしよう
明日から私 彼女じゃん」
どうしようはこっちのほうである。こんなん見せられてどうすりゃいいんだ。そこからのリレーの彼氏発奮できっちり男見せるし、青春模様の爆発ぶりがすごい。
身内の色恋話は目にしたくないものだ
とまぁ相も変わらずの調子であったが、本巻で一番印象に残ったのは息子の部屋のクローゼット内に隠れて、息子と彼女のランデブーを聞いてしまうオカン↓。

「いいよ別に 今はお前しか見えない」
「うわちゃーーーーーーーーー!!」
これはつらい。息子の真剣な顔をオカンは見られていないだろうけれどつらい。オカン今にも頭抱えそうそして息子より気恥ずかしそう。
ロッカーとかクローゼットに隠れて実は聞いてましたネタは、ラブコメでは実によく見る風景で、定番ネタと言っていい。その際友達以上恋人未満くらいの男女が都合よく二人入り込んで、何故か向かい合わせで身体を密着させるというのがラブコメ的にはお決まり。
しかし隠れるのがオカンって初めて見たわ。しかもそこで息子の口説き文句を聞いてしまうオカン。つらい。息子もつらいが親もつらい。覚悟を決めて「二人には悪いけど一緒に地獄を…」と考えるオカン。地獄だよね。
親の情事ほど想像したくないものもないが、親にとっても子の情事はあまり目にしたくない、というか身内の情事は基本的につらい。酒の席で「あの子とどうなってんの?」くらいならともかく、目の前で実際にロマンスを繰り広げられるのつらい。口説き文句つらい。お前しか見えない(キリッ) つらい。こっちも見て。
このネタは見た時におもわずぐふっとなってしまった。作者さん天才か。家族ぐるみで全員顔見知りの幼馴染カップルだからこそ映えるようにも思う。
戸田めっちゃデレる
お母さんは見た!はギャグ寄りラブコメ的映え方をしていたが、それはそれとして単純にラブコメとしてニヤニヤしたのが砂川・戸田のカップルだった。トランプの罰ゲームで好きって言い合う爆発しろ。
砂川は割と照れずに言えるタイプのようなんだが、戸田が超絶照れるタイプなので、気を使っているようだ。いつものように背景で感情を表現しつつ、砂川の好きに戸田もまんざらでもなさげ。いつもはそんなことないのに…と不思議がる砂川だが、まぁ修学旅行でテンション上がっているのだろうとは思うものの、多分いつも言われたいんだと思われる。
そしてついに砂川、戸田の大好きをいただく↓。

ここで背景トーンなし。不意打ち、睨みつけるような目で直視……小憎い演出しなさる。
でもよかった……。
この懇親のデレには砂川含むその場にいた全員アウト。身悶え寸前。
この二人は本当にいいなぁ。この二人の話もっとやってほしい……この二人だけで本作ってくれたら普通に買うんだが……。ってかこいつら無表情キャラの割にコミュ力高い。
姫宮軟着陸?とか色々
羨ましすぎる修学旅行を送る面々とは別に、風呂で野郎のアレを見続けるやつもいた。互いの下半身見て「うぇいうぇいうぇいうぇーい」はほっこりしたが高校生ここまでガキだったか?とも思いつつグループによってノリが違うのでなんともわからん。体育会系はあんなもんかもしれんし。というか昔のこととか全部忘れたわ 笑。
全員のアレを確かめるためにのぼせてしまい、「女子の裸が見たかった」と言い残して倒れる、そんな残念な男・野呂が、まさかのヤンデレストーカー枠姫宮アリスにあてがわれる。お邪魔虫キャラ以外の何者でもなく、本作でもどうなるんだろう?と思わせるキャラの一人だったが……。一方通行キャラにはその上を行く一方通行キャラをということか。毒をもって毒を制すタイプのカップリング。うむ、面白いな。これは無事に軟着陸しそう。
そうなると、本作で一番どうなるかわからないのは千葉と先生の教師教え子組だろうか。先生にほとんどその気がなさそうだからなぁ。古屋のブラコン妹はまぁ妹なので。
ぽっちゃり梨本さんは園部を逃がさないようにしないとね。梨本さんは結婚した後すさまじいことになりそう。
あとがき見ると作者さんは吹っ切れたらしい。最近思うんだけれど、30という節目を迎えるからこそ、ラブコメというファンタジーを楽しめるんじゃないかという気がする。俺むしろ十年前はこんなにラブコメ楽しめてなかったしなぁ……。これがいいことなのかどうかは知らんけど……。
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