『徒然チルドレン』1-2巻感想:え、なにこのニヤニヤのバーゲンセール

徒然チルドレン

作・若林稔弥。2015年1巻。

もっと早く読んでいればよかった。1ヶ月くらい前に買って積読していた俺の阿呆ぶりときたらもう。即全巻大人買いやわ。Web出身みたいだけど、Web分を見るのは既刊分は全部読んでからしよう。

以下、1,2巻の感想。

目次

ニヤニヤカップルのバーゲンセール

ページ開いて速攻でおいマジかってなった↓。

若林稔弥, 徒然チルドレン, 第1巻
若林稔弥, 徒然チルドレン, 第1巻

どういうことだ。もちろんこれが実質的な告白であることは野暮なツッコミなんだが、一応形式的にはまだ告白未成立ということになる。互いの気持ちがどう考えても明らかにも関わらず、彼ら彼女らのチキンぶり(しかしよく理解できる臆病さ)が故に今一歩を踏み込めない、ニヤニヤの王道である。

この時点で、これは最後まで読まないといけないという謎の使命感が芽生える。見届けなくては…このカップルの行末を見届けなくては…そんな感じ。

そして、てっきりこのカップルの話が続くのかと思いきや、今度はまた全然別の男女の話に。マジか。そしてそれが終わったらまだ別の男女の……おいおい本気か。

一作品に一組くらいいたら嬉しいカップルみたいなのが、ゴロゴロと。というか学校の至るところに恋の息吹が。とんだ色ボケ学校である。学校の近くのファミレスの名前ワグナリアだったりしない?

しかも各カップルの間にもネットワークがあり、群像劇の様相を呈しているのがまたいいね。

描き分け微妙だから一瞬話が変わったことに気づかなかったりもしたけど、現実世界も人間の顔っておんなじようなもんなので。漫画的なデフォルメ、大仰さが控えめだということでもある。女の子はみんな可愛いけどむっちゃ可愛い!っていう感じではなく。そこがまた日常感あってよい。

幼馴染カップルの家族ぐるみ感好き

個人的にお気に入りは王道・幼馴染の千秋・香奈カップルとか。何がいいって、家族を巻き込んでいるところが↓。

若林稔弥, 徒然チルドレン, 第2巻
若林稔弥, 徒然チルドレン, 第2巻

この後即姉さらに父まで報告。姉は鼻で笑い父は帰りに赤飯を買おうとする。これは千秋の家だが、香奈の家でも同じようなものであるらしい。

というか、親がいる間にやるなよ。これは作中でも突っ込まれる。親に。親直々に。

なんていうか、世界平和だよな。もう完全に世界平和だよ。この幸福感は幼馴染ものならではだなぁ。

あとお気に入りとは違うかもしれんがヤンキー女とメガネ男子の少女漫画感すごい。クール系メガネ男子。ギャグ漫画調に仕上げられた香取先輩よりも少女漫画感すごい。それと、ちょいキモウト入ってるブラコン妹vsすべてを包み込む系彼女のやりとりなども魅力的であった。もう一つ一つのカップルについて語りたいくらいだ。

とても贅沢だ

Webでひっそりとやっていたのが商業化したようだけれど、確かにこれはWebならではという感じだ。WORKINGもそうだけれど、この手の爆発祈願で埋められたニヤニヤ漫画って、Web出身が多いような。

なんていうか、好きなものを好きなだけ描いている感じがするもんなぁ。実際ニッチだと思うわ。それだけに、ハマる人にはとてもハマるというか、こんな好きなものだけで紙面埋め尽くされちゃっていいの?って感じ。好きなものだけで構成されたご飯のような、非常に贅沢なつくりだ。毎食これってわけにはいかないかもしれないけれど、こういう漫画もあっていいよね。

本当はこういうのは自分で見つけたいけれど、今はもうそんな気力もなく、こうして陽の目をみたものを後追いで知るだけになってしまったのは悲しいなぁ。でも読めてよかった。大人買いしたわ。

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