『トラフィッカー』感想:どこか懐かしい気分

作・光永康則。2001-2002年全3巻。光永康則はこんな漫画描いてたんやね。怪物王女やらアヴァルトやら読んでからだと、なんだか感慨深い。

高校生の運び屋で労基道交法なにそれ漫画。なお特にラブ分はなく、このサイト的には対象外なのではあるが、まぁ光永康則なので。ってかおねショタっぽい感じが好きなんだなぁという感じは伝わる。

以下感想。

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バイク便

バイク漫画。というかバイク便漫画。高校生が道交法なにそれ状態でバイクをぶん回し超特急のバイク便をするという、いかにも漫画らしい漫画。バイク便というテーマは珍しいようにも思う。

普段ぽけーっとしている子が実はめっさ凄い走り屋(じゃないけど)ってのは、頭文字Dだけどやっぱり燃える展開ではある。ただ自分はこの方面にそこまで関心がないので、この漫画に特段の面白みは感じなかった。頭文字Dクラスまでいけばそりゃ俺だって面白がるが、そこまでではなく、まぁバイクとか好きな人が読むと楽しめるよねくらいの位置づけと思う。ただそこまで突っ込んだ話はないので、好きすぎると逆に物足りないかも?

バイクに関心のない自分がなぜこの漫画を読んだのかといえば、やはり作者が光永康則だから。単車が趣味やったんやねぇ。2000年代前半の作品ということもあって、なんとなく世界観が長閑に感じられる。

光永康則, トラフィッカー, 第01巻

こういう(今にして思うと)牧歌的な時代が割とちょっと前まであったなぁと思う。ここ10年くらいえらく窮屈になったように感じるのは、インターネットの隆盛のせいだろうか。まぁこの漫画もミレニアム後(という言葉が今の十代に伝わるのだろうか)ではあるので、もちろんインターネットは使われていたのだが、オマエモナーとか厨房逝ってよしとか言って喜んでいた時代。今とは比べるべくもない。

そんな時代に書かれた漫画であるので、使われている技術のハイテクさがなんとなくローテクに感じられる。サポート役のおねーさんは先端技術を駆使して主人公に指示を出すのだが、そのシステムが無駄に大掛かりに見えるのはまぁスマートフォン以前の世界観だからだろう。

少年とおねーさん、いわゆるおねショタだが、別にそれが活かされることはない。作者さんおねショタっぽい要素を毎度無駄に入れてくる気がするけど、色恋には発展しないよなぁ。本作も主人公が高校生ということを考慮してもなお子供過ぎて、色っぽい話がまるでない(おねーさん自体にはあるが)。それがちょっと残念なのは、俺じゃなくてもそうじゃなかろうか。作者のファンとしては、あとがきが一番面白いかもしれない。

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