『となりの柏木さん』3-5巻感想:グイグイ行ける繊細男子とディフェンスに定評のあるめんどくさい女子

なんで今さら読んでるのシリーズ。本棚に4巻2冊あって草。前回記事の時点で3年前だが、本作自体はさらにその10年前である。

読んでいて「一週間フレンズ。思い出すな。覚えてないけど」と思ったのだが、前回記事でも一週間フレンズ。を思い出していたので、人間の感性というのは本質的にあまり変わらないのだろうなぁと思う。心情描写をすごい語っちゃう感じとか主人公ヒロインカップルよりもサブカップルのほうが目に入る感じとか、なんとも懐かしい。あとこの好きな子にグイグイ行く割に繊細さんな男主人公って女性作家特有の気がする。

そんなこんなで以下3-5巻感想。サブカップルのほうが楽しめる説。

目次

前回記事

グイグイ行く繊細男子

前回記事を読むと、一週間フレンズ。とか僕らはみんな河合荘とかを思い出していたが、その理由は今となってはよくわかる。その理由は、主人公とヒロインの性格と関係にあるだろう。作中でKYKYと言われる主人公だが、その割に内省的である。僕らはみんな河合荘の宇佐くんもそうだが、ディフェンスに定評のあるお姫様ヒロインは、恐らくこのグイグイ行く繊細男子という矛盾したタイプの男でないとそもそも攻略できない

つまり、ディフェンシブなヒロインが表面的に求めるようなことをしていては、ヒロインとお近付きになれない。なので、ヒロインの心の壁を突破するにはKY力とか或る種の強引さが必要なんだけれど、その過程で当然ヒロインを傷つけることになる。そして主人公は、傷つけたことについて非常に敏感かつ真摯に対応しなければならない。

うーんこれは河合荘の律ちゃん。いや河合荘のほうが後発の作品だけどね。

で、読者側からすると、男主人公の強引さと、女主人公の身勝手さの両方にモヤッとするところがあったりなんだりする。どちらに対する感情移入度が高いかは、その人の性別や人生観、性格によるだろうが……自分の場合はどちらにも感情移入できていない。だって俺はもうオッサンだから……。

二人の関係はみんなで作る

ただまぁ、ちょっと、うーん、そうね、たとえ10年前に読んでいたとしても、やっぱり感情移入はできなかったかなぁ。

その理由は恐らくだけど、彼や彼女がどうというより、彼と彼女の作中評価と自分の見え方が一致しないことによる違和感の気がする。あとたまにでる大人が距離を詰め過ぎているのも気になるかなぁ。河合荘は、全体のバランスがよかった。主人公とヒロインのそれぞれに対して、周囲が適切な距離感を保ちつつ、それぞれの人生観に則りながら、フェな評価をしていたように思う。そこへいくと、本作は少しヒロインの柏木さん寄り過ぎるかなぁ……と思えた

ただそう思わせた一番の問題は柏木さんのお友達が柏木さん好き過ぎるせいの気もする。まぁそんな彼女も主人公の友達とサブカップル展開をぶちかますアレなんですが、主人公ヒロインのメインカップルより面白く……というより安心する感じがあるのは、彼と彼女に対する主人公・ヒロインの距離感がちょうどよいからではなかろうか。

二人の関係は二人だけで作られるものではないんだな、と再認識。周囲の人たちによる作中評価にモヤッとしちゃうと、入り込みづらくなってしまうんだよねぇ……。

次は……

まぁそんなわけで、本当にいまさら積ん読を消化しているわけだけれど、この先をポチってまで読むことは恐らく今さらない気がする。まぁそんなこと言いつつBOOKOFFとかで見かけたら読むかもしれないんだが……。

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