未亡人みたいな中学生
この目。想い出が消える前に、ローゼンメイデンの柏葉巴について語りたい。柏葉巴は、ドールズの陰に隠れてしまいがちではあるものの、一級のヒロインだったんだ。幼馴染で、かつストーカー気味で、女子中学生でありながら未亡人のような色気を放つ重い女であったことを記録として残しておきたい。以下大いにネタバレ。
重い女、その変遷
柏葉巴の重さを、原作から時系列に辿っていく。なお、引用の旧版における巻数表記はバーズ版に準じる(新装版は7巻、バーズ版は8巻なので若干ずれる)。
Phese 4 初登場。のりと同レベルでジュンに近い
↑これはジュンがnのフィールドに連れ込まれたシーン。文字の大きさがジュンと近しいかの指標。で、ここでのりと同じくらいの大きさの文字でジュンに対して「桜田ジュン…多分本人は出てこないだろうけど」と考える人がいる。そう、これこそ柏葉巴、原作初登場シーン。超ブラコンで過保護な姉、桜田のりと同レベルにジュンに近い人物として、登場している。しかし、ジュンはそれが誰なのかまったく心当たりがないという。一方通行かよ。最初っからそんな感じだったのね。
さらに、上図のコマに「もう、と…も思っ」という文字があるが、これは「もう、どうとも思ってないのかな」という巴の思念ではないか、という指摘をネット上で見て感心した。確かにそんな気がする。文字の大きさから考えて、巴の思念である可能性は高いし、補完するとすればそれが一番しっくりくる。
巴は、最初からジュンに(一方的に?)近しい人物として登場していることがわかる。
Phase5 桜田家訪問、アルバム
特にジュンとの絡みがあるわけではないのだが、Phase5で巴は桜田家に訪問する。学級委員長として、プリントを届けに来ている。しかし、家には上がるものの、巴の対応は至って事務的であり、そっけない。この時点では無表情、クール。表向きは。
なお、この時のりの発言から、小学校の入学式でジュンと巴が一緒の写真があることがわかる。ここから、幼い頃二人は相当に親しかったことがうかがえる。この頃の話読みたかった。
Phase9 桜田家再訪問、手料理
雛苺騒動の後、巴は雛苺に会いに桜田家にしれっと来るようになる。Phase 8では、ジュンがいちご大福を買いに行って戻ってくると、巴が既に居間にいた。そしてしれっと馴染んでいる。恐らくのりが家に上げたと思われるが。
その後、Phase 9で桜田家に来て、この時のりが風邪で倒れた際には、居間で料理を始める(上図)。女子力高い。この物怖じのしなさは、雛苺がいることはもちろんだが、桜田家そのものに既に慣れていることが大きいだろう。さりげなく発揮される幼馴染属性である。キョドってるジュンとは偉い違い。
雛苺用にとおにぎりにいちごやあんこを入れるセンス、さらにそのおにぎりを仕分ず、全部まぜまぜにして前触れもなくロシアンルーレットしているあたり、桜田家では力抜いてるなぁと思う。一見は内向的でおとなしい優等生だが、その実、勧誘電話にまきますって答える感性の持ち主やからなぁ。
Phase22 初笑顔、真剣10代しゃべり場
しばらくぶりの登場。翠星石と初顔合わせ。桜田家にきて、ドールズに懐かれまくっているジュンを見て思わず微笑み。初笑顔。一般的には無口無表情な印象がありそうな彼女だが、実はちょいちょいといい笑顔を見せている。むしろ笑わないのはジュンで、あとめぐも嘘くさい笑顔ばかり。
↑のように、目をつぶってふふ…と笑うのが特徴。これ重要。後半、ジュンに邪険にされ始めると、死んだ目で笑ってない笑顔を見せるようになる。
その後はジュンと巴の二人で、昔のことを交えながら真剣10代しゃべり場。恐らく親にも吐露したことがないであろう、複雑な心情を打ち明ける。そしてどこからともなく現れて突然まとめに入る真紅さん。
ExtraPhase 雛苺にジュンが好きか聞いて嬉しそう
雛苺がジュンに日頃の感謝の気持ちを伝えるお手紙を書いて、ポストに投函しにいくというハートフルな話。ローゼン屈指のハートフル。普通に外出てるけどいいのかとか思うが桃種漫画なので気にしない。桃種漫画は細かな設定よりもその場の勢いだ!
で、無事ポストに投函したところで、偶然巴に再会。そのまま巴に抱かれて桜田家に帰る。でかい人形に話しかけながら微笑んで帰る竹刀袋下げた女子中学生、目立つってもんじゃないぞ。
この際、巴は雛苺にジュンのことが好きかどうか尋ねる。そして、間髪入れず雛苺に「好き!」と即答され満足気に微笑む。その関係に嫉妬するでもなく、ただ嬉しく思う。なんか訳あって心ならず別居している夫婦みたいと思うのは考えすぎですかそうですか。
Phase27 寄せ書き、ゲロ事件の時の巴
梅岡とかいう悪夢の再訪。クラスメートの寄せ書きを持ってくるという暴挙。
寄せ書き
その寄せ書きの内容がまた、すごいリアルというか、関係の薄い人間に対しておくる、社会礼儀的な当たり障りのないコメントの数々。無理やり書かされている感ありあり。「がんばれ!」「一緒に勉強しよう」系が多い。なんて中身が無い。ジュンではなく、遠いどこかの自分とは関係のないかわいそーな子、に対する、一般的に送るべきと考える言葉を適当に書き連ねた感じ。
そんな中、巴のコメントは短いながらたいへん良い。
「待ってます」
この一言。五文字。これのいいところはいくつかあって、まず目立たない。パッと見、他の第三者的なコメントと区別がつかない。したがって中学生らしい嫌な勘ぐりを受けることもない。だいたい、このクソみたいな企画はジュンを追い詰めるだけであり、そこに必要以上の熱量を込めるようなことがあってはいけない。だから、さりげないほうがいい。次に、オリジナリティがある。他者のコメントと被ってない。これはつまり自分の言葉ということ。そしてなにより、ここで省略されている主語が「一人称」であろうということ。他の人の、遠くの誰かに対するような、第三者的なものではなく、ほかならぬ「私」が「あなた」を「待っている」という、唯一のメッセージなのである。
ところでヒキコモリクラスメートへの寄せ書きでポエムを書く三田さんの闇は深いと思う(顔もわからんが)。
ゲロ事件
この後始まる、中1の回想シーン。吐き気を催す邪悪の権化UMEOKAに体育館で己の恥部(んなことないんだけどね)を全校生徒に晒されて、ジュン悶絶。その際、巴は心配そうにジュンのほうを見ている。見ているだけ。そしてゲロ。そしてヒキコモリへ…。
ところでこのとき、他生徒のジュンに対する嘲笑と尊敬の割合がだいたい半々くらいなんよね。ジュンの作品を素直にすごいと感想を漏らす生徒もいる(本心はどうかしらんが)。この割合はなんかリアルだなぁと思う。ここは非常によくできたシーンで、思春期のすごく繊細なところをピンポイントについている。わかる人は「やめろぉ!」って呻くんだけど、わからない人には全然わからないらしい。
Phase33 オディール訪問
巴がオディールを連れてくる。で、オディールさん雛苺はうちの娘だから返してね、と突然ぶってくる。パニクったジュンは、雛苺に対して「どっちにつくのか決めろや!」と迫るものの、雛苺それによりさらにびびって縮こまる。震える雛苺を、巴が抱きしめて落ち着かせる。生みの親来訪に戸惑う育ての父母みたいだ。
Phase41 図書館デート、突然のブチギレ
巴と図書館デート。のりにバンザイと翠星石のジト目に送られる。本を逆さまに読んで動揺を表現するベタベタな真紅といい、愛されてますなジュンくん。
図書館で巴に、授業でやっているところなど、色々と教えてもらう。要は復学準備。ジュンの姿勢について、巴も好ましく思い、時には冗談も飛ばす↓。
↑初期の鉄仮面ぶりを思うと、感慨深い。かなり心開いている。
が、この後雛苺の話になって、雛苺がいなくなったことをジュンがさほど気にもしていないような返答をすると、その返答が気に入らなかったのか、突然のブチギレ。自分しか見えていないやろと、視線を合わせず、遠回しに、静かにジュンを非難する。そしてテスト用紙はポストに入れておく、返さなくて良い、と言って立ち去る。しばらく会わねぇよ、ということ。この直前まで本当にいい感じだったのに、突然のブチギレ。怖い。この子はこれからも基本的にこんな感じでキレるんだろうなと思うと、けっこうリアルに面倒臭い。
ここでブチギレるのは、ジュンを信頼していたことの裏返しでもあるんだろうなと思う。
なおこれがバーズ版最後の出番。巴とは喧嘩別れで、ヤンジャン版になってもしばらく出番がなく、巴好きはモヤモヤしたまま数年を過ごすことになる。
Tale27 お帰りなさい 突然の正妻オーラ
前回から、何年かぶりの再登場。まかなかった世界から、まいた世界に帰ってきたジュンに、いの一番で会いにくる。そして玄関口で「お帰りなさい」。突然の再登場で、それまでさして出番が多かったわけでもないのに、その溢れ出る正妻オーラにネットでは戸惑う人もいたなぁ。俺でもびびったもんなぁ。前に図書館で喧嘩別れしたことなど微塵も感じさせない。雛苺のことについては和解する。学校に行かない宣言するジュンに対して、それは違うとさとし、トドメの一言が「少なくとも私は 教室でまた桜田くんと会いたい…けど」けどがちょっと小声になる感じが、照れ臭そうでいいですね。
その後桜田家に夕飯を共にし、くんくんベロマーク騒動などもあるわけだが、とにかくむっちゃ笑顔。Phase22 で見られたようないい笑顔。え、この子こんな笑うのってくらい笑顔。ジュンがあっちの世界に行っている間に入れ替わったのでは。
Tale32 通学再会 保健室直行
ジュンが初めて通学する。途中で巴に会う。待ち伏せしてたんじゃなかろうなと思うがこれは偶然。ポストに手紙を投函した雛苺に会ったのも偶然。偶然をものにする女、巴。
で、校門近くで早速ぶっ倒れちゃいましたなジュンを保健室まで運ぶ。どうやって運んだんだ?巴はかなりジュンのことが気がかりそうだったが、授業が始まるから教室に戻れという保健室の先生の言葉に「はい…」。
そして転校生「柿崎めぐ」の登場。転校してくるは漫画ではお約束だけれど、まさかローゼンでこんな学園ものの定番がくるとは思わず、当時衝撃の展開だった。
学級委員の巴は、めぐに最初の世話を焼く。この時点で巴はめぐのことを知らない。そこへ、めぐから転校の目的としてジュンに会いに来たと告げられる。思いがけない言葉に、言葉を失う巴ときて、次回へ続く。
ローゼンメイデンはこの頃が一番面白かった……来月が本当に楽しみだったもんよ。
Tale33 待ち伏せ乙女
翌日、巴は早速ジュンの家の前で待ち伏せ乙女。一緒に通学するようになる。倒れたジュンが心配だったこともあろうし、先のめぐとのことが気になったのもあるだろう。というか気になって仕方がない。
というわけで、ジュンにめぐのことを知っているのか、探りを入れる。知り合いなのか問われて「なんで!?」というジュンに「なんとなく…」と、めぐがジュンに会いに来た、という情報をこの時点では伏せる。
これはジュンに無用なプレッシャーをかけまいという配慮かもしれないが、注目の的である転校生の目的がジュンであることは周知の事実になっているらしく、結果教室に入った瞬間、ジュンは注目を集めて大いに戸惑うので、やはり教えておいたほうがよかったように思え、どうしてあの時ジュンにめぐのことを教えなかったのか、解釈の余地がある。
このあたりから、巴の目が基本死んでいて、うつむき加減になり、笑顔が見られない。
ところで中学生の男女が一緒に登校って、囃し立てられてもおかしくないと思うんだけど、特にそういうことにはならない。巴のキャラのせい?
Tale34 つきまとい乙女
めぐとの衝撃の出会いから、ジュンはめぐのことが気になって仕方がない。そんなジュンの異変を巴は鋭く察知する。なにしろ一日中ジュンの様子を見ているうかがえる。さらに頼まれてもいないのにジュンと一緒に帰ろうかと提案して、断られ、目が死ぬ…という一連の流れが、以下のシーン↓。
↑まず一コマ目の「大丈夫?なんか午後中ずーっとぼーっとしてたみたい」←午後中ずっと見てたの?そして異変に気づくということは午前中も見てたの?午前中+午後中=一日中 ってことですか巴さん。そして部活を休んでまで一緒に帰ろうとするも、一瞬で却下されて目が死ぬ。沈黙。3コマ目の目は圧巻。
この時点で、梅岡の心配攻撃にウンザリしていたこともあり、ジュンの望みはとにかく「普通」に扱ってほしい、それだけだった。というか、それは最初からずっと一貫しており、ジュンは「保護」ではなく、「信頼」を求めていた。だから保護路線の巴やのりだけではジュンを救えず、ジュンに一番力を与えたのは、他ならぬみっちゃんだろう。別に、巴やのりがジュンを信頼していないわけじゃないけどね。むしろ当たり前のように信頼しているけれど、それが心配に隠れて、ジュンには伝わらないんだな。
巴はがしていたのはただひたすらジュンを気にかけることだった。でもそれはジュンが望んでいたことじゃない。それは、巴自身が求めていたことだったのかもしれない。
Tale37 誤解乙女
まず、巴がいつもどおりジュンの家で待ち伏せしようとしたところで、先に家を出たことを告げられたら、即追いかけておいつくところから始まる。走ったの?走ったのか巴。
その後、ジュンとめぐが接近していることを察知した巴は、二人の仲を誤解、目からハイライトが消える↓。
そして「そういうの…良い事だと思う」笑ってない笑顔で遠い目をしながら告げる巴であった↓。
その後、最初何故か言わなかっためぐがジュンに会いに来たと言っていた旨、ここでようやく教える。その心境やいかに。
ところで上履き隠し事件の時は巴教室にいないし(朝練)、巴さんマジ肝心なところでいない乙女。
Tale38 病院突き止め乙女
ジュンが倒れた病院を探しだしてお見舞いに。そこで自分がもっとちゃんと見ていれば…と責任を感じるが、その責任の感じ方が奇しくも梅岡と被っており、のりに「先生といい巴ちゃんといい」と梅岡と並列に並べられてしまう。巴のジュンへの気遣い方がいかに一方的なものであったのか、よくわかる。通学の後押しをできたのはよかったが、その後保護者のようにつきまとうのは、ジュンのことを考えればよくなかった。それはただ、巴がしたいことをしていただけだったんだな。
その後、めぐが絡んでいると睨んだ巴は、学校で直接対決に赴く。ここらへんまでは最高に面白かったんだが。
Tale39-42 巴 vs めぐ 完敗
ここから始める巴vsめぐなんだが、これ特に言うことないんだよね。普通に完敗。というか、巴はあくまで皆を呼ぶ呼び水で、本質的には vs ですらない。途中、クラスメートの巴に対する悪態が始まったときは、ついに巴の心の闇が掘り下げられるのかと思ったが、いったいどういうわけなのか、まったく怖くないメルヘンホラーに突入する。
ここに来て、ようやく自分の行動が何もかも裏目に出ていたことを理解し、反省する。元々内省的な彼女は、行き過ぎなほどに自分を責めがち。巴はジュン以上に自傷的な傾向がうかがえる。が、そこは真紅がうまくフォロー。真紅の中には雛苺もいるので、フォロー役にはうってつけだ。
しかし、こうして周囲に助けてくれる人がいない、まかなかった世界で、彼女がどうなってしまっているのか、知りたいような怖いような。ジュンのストーキング続けてましたくらいが一番幸せそうだわ。でもあっちの世界だと斉藤さんいるしね。
Tale45 まかなかったジュンに接近
まかなかったジュン(以下大ジュンで)に合流。大学生のジュンに対して、最初のほうはおどおどしていた巴だったが、ドールズとのやりとりを見て、この人は間違いなく桜田ジュンだ、と気づいた途端に急接近を始める。まかなかった世界で、ジュンと巴が連絡をとっていないことを残念がる。
Tale46-47 桜田家 in nのフィールド ずっとジュンを守っていた雛苺に涙
nのフィールドで、大ジュンと一緒に、桜田家のようなところに迷い込む。そこには雛苺がいて、ここでジュンが眠っているという。しかしどこを見てもジュンはいない。各所の部屋を開けると、記憶のワンシーンが見られる。食べられたはずの雛苺といい、このあたり和製ホラーのような雰囲気が出ていて、なんだかいい感じ(雰囲気は終始素晴らしいんだよなぁこの漫画)。
で、物置部屋で、そこでジュンが昏倒する原因となっためぐとのやりとりを知る。外に出られさえすれば、と思っていた大ジュンはショックを受け、一方巴は、ジュンはもちろん、めぐの心の叫びも受け取っていた。そのうえで、ジュンに「負けないで」と呼びかけ、ジュンを導く。裏では蒼星石の呼びかけもあったのだが、ジュンを導いた一番の功労者は巴と言ってよいだろう。正直真紅の役目だと思っていたので、これが出来たということは、もはや正統なヒロイン。水に濡れたジュンの顔を吹く姿には愛を感じる。
さらにその後、ジュンに対してめぐを救えと発破かけて、ジュンを起こす。曰く、めぐを救えるのはジュンしかいない、とのことだが、これは結果的に微妙だった。多分、そういうシナリオも当初は考えていたんだろう。しかし、二人の仲が近づいているってだけで一時は目が死んでたのにね。二人のやり取りを見て、どうもそういう感じではなさそう、と思ったのだろうけれど、本当に救えたら実際どうなるかわからんけどねぇ。
ところで、物怖じしない巴の姿に昔を思い出し、またちびジュンと巴の関係を思って、ちょっといいなぁと羨ましがる大ジュン、まだ全然チャンスあると思うぞ!正直ジュンから連絡したら、疎遠になっていてもいつでもいけると思うわ。まかなかった世界では鬱屈とした生活送ってそうだし巴。
Tale49 ついに重い想いが伝わる
起きたジュンと会話。巴の声が届いていたと、お礼を言うジュンに、照れる巴↓。
↑左の巴の表情!長かった、本当に長かったけれど、ここにきて、ようやく二人はお互い分かり合えたのだと思う。一方的な同情とかそんなんではなく、対等に、互いに思いやれる存在になったんだ。
ガールズトーク
外伝。アオハルに載ってたんだったかな。単行本だと8巻に載っている。めぐと巴の百合っぽい話。こういう背景があって、本編がある、という感じ。
めぐの手がきれいな人最強説を真面目に聞く巴ちゃんマジいい子。そして、剣道で自分の手が荒れ、マメがあることを気にする可愛い。
めぐが恋バナを仕掛けてきたことに対して、恐らくジュンのことを念頭におき、めぐの好きな人は誰かと尋ねる巴に対して、まさかのレズ的反撃に巴慌てる。百合が好きな人はこれ見て美しいってなるんやろか。めぐと水銀燈ならともかく、この二人じゃお互い気持ちも入ってないし、俺にはよくわからんのぅ。相変わらず雰囲気はある。
Tale50 完全に夫婦
今自分たちのいる場所が、ジュンが創りだした世界だと再認識するジュン二人と巴。巴の「ここ…いやな感じがしないわ さっきは「まるで家そのものが桜田くんみたい」って思ったの」というセリフが意味深です。
そして先を急ごうとするジュンたちに対し、何故かここに残ります宣言。「私も闘うよこの場所で」何とどう闘うのか。この先ジュンの精神がやられそうになるのを巴が…とか、そういう展開を考えていたのだろうか。メタ的には最終決戦には行きませんということで。
送り出す巴と送り出されるジュンのやりとりが完全に夫婦↓。
FINAL TALE 微笑んで終わり
結局ジュンは遅きに失してめぐを救えず、巴がジュンの世界にとどまり続けたことも特に活かされず、上記までのやりとりはなんだったのかというまま最終決戦は終わる。いろんなシナリオが考えられていたのだろうと思われる。
最後は日常シーン、前のように通学時にまで付きまとってベタベタすることもなく、いい感じの距離感でジュンと接していることがうかがえる。剣道着姿も初(巴があの怪鳥みたいな声出ししてるところ想像できんなぁ)。朝練後は、教室に来てまずジュンが来ているかを確認する。皆がジュンのことを快く想っている様子を見て、微笑んで終わり。
大勝利系幼馴染
あー長かった。懐かしかった。結果的には、敗北属性とまで言われる幼馴染でありながら、消去法的ながら大勝利系幼馴染に。明確に付き合ったりはしていないけれど、二人の間でその先に起きるロマンスを想像するのは易い。描写からして、巴はジュンのことが好きだろうし、ジュンが巴を好きかは微妙だが、憎からずは想っているはずだ。
この二人は本来決して相性がいいわけではないと思う。特にジュンは、巴よりもみっちゃんや斉藤さんのように、アートに理解ある人と、互いに信頼し、補い合いながらやっていける人がよかろうと思う。しかし、こうして二人の足跡をたどると、このまま添い遂げてほしいなぁと感じる。ジュンも巴も成長し、信頼できる関係になった。
そのベースにあるのは、幼き日の思い出だろう。毎日のように遊んでいて、かつ意外と物怖じしない性格であったことはジュンの口から語られる。また、のりに巴がクールになったと序盤に嘆かれていること、また時折見られる茶目っ気等から、幼少時の巴は今とは随分印象が違うのだろうなと思える。そんな在りし日の姿を知っているジュンは、巴にとって最初から特別な存在だったのだろう(ジュンは忘れていたっぽいあたり、巴のほうが心の闇に深いところもありそう)。作中で語られたらいいなぁと思っていたけど、結局語られんかった。
指折りに好きなキャラだった
いまさらローゼンメイデンの、しかも人間ヒロインの柏葉巴について、こんなに長々と語る俺も珍しかろう。でも、今まで見てきた中でもとても好きになったヒロインだった。このまま埋もれてしまうのもなんだかなぁと思い、今までいろんなところで語り合ってきたことをまとめてみた。
ジュンのことを想っていることがわかりやすく描写されるのはヤンジャン版からだが、俺は何故かバーズ時代から惹かれていた。なんでだろうな。見た目が好みなのはあるとして。静かにさりげなく、ジュンと一緒にいる時だけ素顔を見せる巴をいいなと思ったのもあるな。そこに、アニメのストーカーっぽいイメージを合わせると、かなりいい感じだったからか。数は少ないけれど、人間キャラに目が行く人はちょいちょいいたなぁ。
なんとなくだけど、作者が思い描いたイメージと、実際に描かれた描写に隔たりがあるような気がする。でも、それがよかったのかもしれないと今にして思う。
コメント