『時間停止勇者』7-8巻:時間停止というより時間ループ感

光永康則, 時間停止勇者 7, 2021

いつ見てもタイトルがAVで、魅力の薄い表紙をしている。作者を知らずに初見でこれをポチる人はいるんだろうか……いや好事家は惹かれるかもしれないが。

内容は面白い、と言いたいところだが、いや、面白くないことはないんだが、何しろ1巻からやっていることが同じ繰り返しなので、さすがにマンネリズム。ステージ3からステージ4に進むことはゲームならば意味があるかもしれないが、漫画だと堂々巡り感がある。

物語は時の流れとともに進むものなので、時間停止はストーリー漫画という枠組みではけっこう厳しい制約だと思う。

まぁでもエロいからいいのか。うーん、しかし別にプレイ内容はせいぜい最初から一貫してパタパタだしな。そっち方向でも頑張ってくれたらいいのに。

以下7-8巻感想。

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マンネリズム

うーん……まぁスラスラと読み進められたし、続きも読みたいなと思うくらいではあるのだけれど、しかしマンネリは否めない。なにしろやっていることが本当に最初から変わらないし、それで作中で何かが本質的に変わった気もしない。ステージが進んでいるけれどストーリーが進まない。これ、アクションゲームかなにかなんだろうか。

マンネリでもキャラが良ければそれも一興、なのだが、本作の醍醐味は「時間停止」である。そのために作中で流れている実時間はけっこう短い。短い時間ではキャラクター同士の交流も限られる。まぁそもそもキャラクター自体、怪物王女のような魅力があるわけでもないのだが(まぁこれは怪物王女が魅力的過ぎるのもある)。

そういうわけだから、8巻も続いている割には内容が薄い。内容の1/3くらいエロじゃねっていうのでは岡本倫のパラレルパラダイスもそうだが、あちらのほうは根幹にストーリーがあって、それを見せる工夫もされているように思えるが、本作はそれもない。

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さすがにもうそろそろ何かあってもいいんじゃないか……延々と幕間話を見せられている気分だ。ストーリーがあってないようなものなら、せめてセカイには開き直って時間停止のエロ方向で、一般で許される範囲の探求でもやってほしいと割と真面目に思う。

と言いつつ恐らく次巻も読んでしまうのだろうなぁとは思う。話が進めば、一気に面白くなるのだろうし、なにげに伏線も散りばめてはいるのだと思うんだが。

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