桜井のりお, 僕の心のヤバイやつ 1, 2018
気になっていた、みつどもえの桜井のりおのガチなラブコメ。こういうのも描くんだ…。やはり天才……。
いや……よかったです、ほんとに。久しぶりにラブコメ読んで癒やされた。初恋系ネガポジ(?)カップル最高やん。甘酸っぱいわー……。
距離感が少しずつ変わっていくのに悶えっぱなしでした。1巻の時点ではね、まぁ初恋の片思いものとして終わってもキレイかもなーくらいのこと思っていたんだけれど、2巻読み終わったときにはもう是非ともくっついてほしい気持ちでいっぱいだったよ。
ラブコメはこうじゃないとな!以下1-2巻感想。
ガッチガチのラブコメ
ガチやん。
びっくりした。作者さんにあまりそういうイメージなかったから……や、みつどもえもなにげにラブコメラヴァーズにとって嬉しい作品だったけどさ。主に矢部ひと的な意味で(こんな記事書いてしまったくらいにはめっちゃ好き「『みつどもえ』全19巻から矢部ひと分だけ抽出して人類に貢献する – 少年は少女に出会う」)。でもまぁアレは割と変化球だったし。
こっちはもうどストレートのガッチガチのラブコメやん。マジか。
陰キャ男子とカースト高めのモデルやってるっぽい陽キャ女子の組み合わせ。日陰と日向で、一種のネガポジカップルとみてよいか。体格差が女子>男子なデカ女×チビ男カップルという点に魅力を感じる人もいるだろう。
縮まる距離感の甘酸っぱさよ
まーね、最初は陰キャたる市川京太郎の山田杏奈に一方的な憧れって感じで、まぁたまたま山田にも多少気に入られたっぽいものの、ちょっといい感じかな、くらいのものだったので、1巻を読了した時点では、まぁこのまま京太郎の片思いで終わっても面白いのかもなー、なんて思っていた。
が、2巻を読み終わった時にはもうくっついてほしい気持ちでいっぱいに……。しかもくっつくまでに相当時間がかかるだろう……っていうかかけてほしい感じの。変わっていく距離感の甘酸っぱさに完全にやられてしまったわ。軽く1巻であったことを列挙していくと……
- 1話…視線があったら(?)冷たい顔で逸らされるところから、図書室で秘密(飲食)の共有とカッターの貸し借り。ゴミという名の宝をもらう
- 2話…山田の涙をクラスメートに見せないために発表資料を皆の前で切り裂き注目を集めてフォロー
- 3話…原さんと変態坊主(神埼)をいい感じにするための共同作業
- 4話…山田がモデルの絵を渡す…この時点ではまだちょっと視線が冷たい
- 6話…ナンセン(ナンパ先輩)から自転車を投げて山田を助ける
- 7話…ねるねるねるねのトッピングをもらう
- 10話…死は救い
- 12話…スキンシップ。支配される未来の暗喩
- 14話…僕は山田が好きなんだ
- 15話…ティッシュの舞い
これだけ読んでもなんのことかわからないのは、京太郎のフォローの仕方がめちゃくちゃおかしいせいです。まともだったのは、最初のカッター貸すところだけ。山田のことが気になって仕方ない京太郎は、案外ポンコツスペックの山田をフォローすべく、人知れず奮闘するのであるが、そのやり方がおかしい。
まぁ、カースト底辺の京太郎が、クラスどころか学校でも有名であろう山田に対して、直接絡むことはできないわけだ。その行動はあまりにも突飛なので山田もどこまでそのフォローに気づいているかわからない。
だが、京太郎は自身のフォローを山田に気づいてほしいわけではない。ただ好きな子が困っているから、なんとかしてあげたい一心なのである。そのためには、自身が周囲からキモがられようがどうでもいいのだ。
彼の善意がわかるくらいには、山田もまたよく気がつく優しい良い子であり、また変な子でもある。まぁ普通の子だったら、京太郎の不可思議するアプローチは気味悪がるようにも思うし。クラスの陰キャ男子から、自分の似顔絵(と思しきもの)を渡されたら(Karte.4)、ちょっと怖い気がする。あの時点ではまだそこまで親しくなかった二人だし。
山田が京太郎にだいぶ心を許したのは、やはりナンセン自転車事件の時だろうか。12話にもなると軽めのスキンシップなら抵抗もなくなっている。スキンシップは大きいなぁ。お年頃の京太郎は、ますます山田のことを意識してしまう。ああ思春期(さすがに学校のトイレでいたすのはどうかと思うぞ京太郎)。
そして恋心自覚からの、ティッシュ乱舞の謎フォロー。でもこれは、山田的にも精神的にまいっていたと思われるだけに、だいぶ嬉しかったのではないか。どう考えても不自然なんだけれど、多分割と本気で「これなら大丈夫だ」と思っていそうな京太郎のことを思うと、ちょっと笑えるし。ここらへんで、山田にも自覚なき恋心の芽が生えたように思える。
なにしろ、2巻からは加速度的にイチャラブがこれでもかってほど立て続けに起きるからなぁ。自転車二人乗りとか相合い傘イベントとかラッキースケベとか秘密の共有とか家族(京太郎の姉)イベントとか修学旅行で二人きりとか、ラブコメかよ!ラブコメだった。
山田もだいぶ京太郎のことがわかってきたみたいで、24話で変態坊主神埼を原さんと同じグループに入れるため、そして自分も山田の班に入るための自爆テロみたいなフォローをするわけだが、その時に山田が京太郎に「嘘でしょ」とこっそり言うのは、なんとなーく好意をもっていることを知っている感じを最大限さりげなく示していて、ああもう甘酸っぱさで死ぬ。付き合ったら秘密にしていたほうが楽しいんじゃないか議論とか、間合いをはかりつつ攻め時を伺っている達人のごとく。死ぬ。
甘酸っぱさで死ぬ
2巻終わりにもなると、陽キャの山田のほうがむしろ積極的だね。まぁ、京太郎は自分が山田には不釣り合いだと思っているしね。だから、山田の好意からくる行動に気づけないことも多々。もっとも、山田自身も、自分の好意にはまだ少し無自覚なところがある気がするけれど。
だが二人の距離は確実に縮まっており、その甘酸っぱいやりとりには悶えさせられっぱなしである。なんつっても、俺がやられたシーンはここだ↓。
この日、山田は仕事のために暗黙の集合場所(いいなぁ)である図書室に行けなくて、本を貸す……ということを口実にして、朝、京太郎のことを待っていた。が、京太郎はまさか自分のことを待っていたとは思っておらず、そのために一緒の教室に行くイベントは不意に。ラブコメ的にはフラグブレイクだが、この距離感がまたよい。
もっとも、そのことが引っかかったのか、山田はちょっとだけ放課後図書室に顔を出す。で、貸した本を読んでいない京太郎を咎め、「今読んで!」と京太郎が読んでいる本を取り上げようと迫るのだが、それが京太郎的には山田に見せたくないグロ小説だったので、京太郎は抵抗するわけだ。
まぁその拍子に、山田の胸が京太郎の頬に触れるというラッキースケベが起きて京太郎は固まりつつ(これはなにげにデカ女チビ男カップルでは外せないシチュエーション……)、山田的には強引にいって拒絶されたような格好だ。朝のことといい、微妙にうまくいかない感じで、尾を引かれる気持ちありつつ、図書室を後にしようとする山田に、京太郎は何を感じ取ったのか、山田を引き止めて、らしくないことを言う。
「明日は……学校来る?」
なにか言おうとしてなにを言うべきかわからず、テンパった京太郎の一言よ。その裏にある想いを察せられて、嬉しそうな山田。青春じゃねーか!!
二人の変わりいく関係に俺はすっかりやられてしまった。考えてみれば、みつどもえも少しずつ変わるクラスメートたちの関係が面白かったな。それがもっとも顕著だったひとはが一番目立っていたとも思うし。それをラブコメに振り切ったら、ここまで破壊力が生まれるのか……これはとんでもない……3巻楽しみ過ぎる。
……ところで、山田のスカート短くなっている気がする問題。夏服から冬服になって見え方が違うことを差っ引いても。足の露出増えてる気がする。単純に上の丈が短いとスカート長くしたほうがいいとかなんだろうか。なんか意識した結果だったりすると嬉しいけど。販促的な理由だったりして。
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