作・ひらかわあや。2015年1巻。もうすぐ11巻が出るようだがひとまず2巻まで。
天才過ぎるが故に出る杭打たれまくり拗らせちゃった系主人公が、中1声優のカウンセリングで覚醒する話。人の心を揺さぶる"声"の力に魅せられて、その力を手に入れるべく声優を志望するようになる。確かに声優の演技力は、リーダーシップを発揮する場面で大いに役立ちそうではある。
ラブコメ的にはボーイ・ミーツ・ガール。が、高校生の主人公に対しヒロインの見た目が中1なのでちょっとつらい。中身は説教臭い近所のオバサンなのだが…。それよりか、声優プロダクション同期の子のほうが恋愛的には脈アリな気がする。
以下1-2巻感想。面白かったので続き読みたいけど小学館系列の電子書籍ってウンコなんだよね……。
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女声男子!
拗らせた天才、でも性根は悪くないんだよ系の主人公・アクト。超優秀だけど声変わりしていないために天使ボイスという難物主人公。この設定はかなり尖っていて面白い。物語としても飽きずに読めた。女声男子が主人公のものは前にも見たことはあって、それは非常に微妙だったんだが、この漫画は面白いね。
拗らせちゃった系はまず序盤である程度心絆されるのがセオリーだ。本作もそのセオリーにのっとり、表紙のヒロイン・春坂なりがその役割を担う。なりは現役の声優ながら中1という設定で、見た目もそのとおりなのだけれど、中身はどう見ても30-40代のオバサン。作者がまんま入っているのではないか。
そんななりに、アクトは見事なまでに己の心を解き明かされる。そして声優の仕事を通じて、表には出さないようにしていた他者への関心、孤独を呼び覚まされたアクトは、人の心を揺さぶるなりの"声"に強く惹かれ、自身もまたその力を得ようと、声優の道を歩み始める……。
…という筋書きで、なりに対抗しまた力を得るため、という名分で動いているものの、本当のところは、人に避けられるようになってから初めて自分を見てくれたなりに近づきたい、というのが一番ではあろう。そうして互いに切磋琢磨していくボーイ・ミーツ・ガールのお約束……なのだけれど!
さすがに中1はなぁ。主人公が高校生だからなぁ……。中1じゃなきゃダメだったのかなぁ。早熟でアクトより年下というのがポイントなのだろうけれど、せめて一つ下とか……。中1相手だとラブコメ的にはかなり微妙だよなぁ。時が流れるタイプで、主人公が大学に行ってからも続くようであれば可能性はあるが、うーむ。っていうか中1であのわかってる感は怖いよ。
ロリババァ!
一応、アクトは物語に出てくるようなわかりやすい性格をしている、ということは描かれてはいるんだが。たとえば、なりの下記のセリフ。
なり「審査の役作りのためにアクトの事調べてたんだ。
こんなヤツ二次元にしかいないって思ってたけど。
そういやお隣さんにいたーー!ってね」
本作自体が二次元なので、一種のメタネタやね。まーでも、とにかくアクトは二次元めいているので、まるで小説を読み解くようななりの分析も的を射るのだろう。現実世界でもこれくらいわかりやすく心理が描写されたらいいのに。
だがそういうことを差っ引いても、アクトを完全に掌で上で転がす様は、実質カウンセリングとはいえもはや悪女の領域に達しているようにも見え、不気味ですらあり、正直魅力的なヒロインかと言われると……うーん。
まー、恋愛的なヒロインというわけではないのかもしれない。アクトが入る声優プロダクションの同期ともフラグが立っているし。その子にはなりと付き合っていると誤解されているようだが。まぁ誤解は誤解だし。
続き読みたいけど
ラブコメ的にどうなるかは未知数だが、そうでなくとも声優ものの青春・成長物語として面白かった(『ダストボックス2.5』とは違うらしい 笑)。ちょうどタイミング良かったのか、Kindleで1,2巻無料だったから読んだんだけれど、続き読もうかなと。しかし、少年サンデー…小学館か…。小学館って電子書籍の品質がなぁ……。中古価格も値崩れしてないし(中古は作者さんに還元されないからアレなんだけど)、うーん、どうすっかなぁ。
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