『田中くんはいつもけだるげ』9巻感想:田中兄妹の表紙ほんと素敵やね。この兄妹には期待している

作・ウダノゾミ。2017年9巻。作品内容なんも知らんくても、思わず手にとってしまいそうな素敵な表紙。この兄妹は絵面だけでほんと映えるね。

しかし表紙とは裏腹に、莉乃はみゃーの弟と少しずつ距離を縮めていっており、その話で初の田中1話出番ゼロとなった。兄離れか、兄離れなのか。

まぁ田中兄も白石さんといい感じになっているので、健全な兄妹萌えではある。それはいいのだが、兄妹萌えは兄妹どちらにも明確な好きな人が出来てしまうと魅力が半減してしまう傾向があるので、今後どうなるのかなーとは思う。

なお白石さんは今回割とおやすみ。以下9巻感想。

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莉乃話

いつの間にか9巻。この漫画なんでこんな癒されるんだろう。

甘味切れで荒む太田とかえっちゃんの過去とか志村×田中キスコールにガチ拒否る白石さんとかありつつも、今回一番印象的だったのはやはり莉乃とみゃーの弟か。そして二人の関係に大はしゃぎの太田妹。ああね、恋愛脳キャラはラブコメでは大事だよね。そして、莉乃とみゃーの弟の話では一話まるまる田中が出てこない。これまでなにげに皆勤賞だったので、けっこう驚き。なんだかんだ言いつつ働き者であったか。

元々この漫画を手に取ったきっかけが田中兄妹の話だった。ガンガンオンラインの作品詰め合わせで、この漫画では兄妹話を切り取ってくるというあざとい仕掛けに見事一本釣りされたのである。そんで読んでみると、別にそういう漫画ではなくただただ田中がけだるげな漫画だったわけだが、これはこれで面白かったので読み続けているわけだ。ラブコメ的な視点でも、田中は白石さんと着々と関係を築き上げているし、太田えっちゃんの幼馴染組もなにげによかったりなんかして、なかなかどうして楽しめる漫画である。

とはいえ、やっぱり田中兄妹の話はなお魅力的。近親系はおおまかに言ってガチとガチじゃないにわけられると思うが、この漫画の場合どう考えてもガチではない。なので、兄妹がそれぞれ誰かとくっついても別に問題はない……のだけれど、それは健全な理屈であって、やっぱり兄妹愛と異性愛の境界線上の鬩ぎ合いに惹かれる、という面もある。だから、兄だけでなく妹の莉乃も恋愛面で進むとなると、一抹の寂しさもあり……。

でも、近親系の真髄はその先にあるのかなぁ、とも最近は思う。ガチにせよガチじゃないにせよ、生ぬるく心地よい関係でいられる期間は限られているわけで。心地よくぬるいラブコメっぽいものをさんざん楽しんだ後に残る、ガチな恋愛か、あるいは家族愛か、そこでなお楽しめるかどうかが、良い近親系で真に問われるところなんじゃなかろーか。最近の兄妹系の漫画だと、山本崇一朗の「ふだつきのキョーコちゃん」があるが、アレはきれいに終わったなぁとは思うものの、どこか消化不良なところがあった。それは多分、その残ったところを描かずに終わってしまったからじゃないかと思う。

なので、田中兄妹には近親ものとしては禁忌の兄妹別々恋愛成就を成し遂げてかつ、こちらを悶えさせる兄妹関係を築いてほしいなーとか、そんなことを期待している。

……などとこの記事を書いてしばらくしてから思い出したのだが、よくよく考えてみると兄妹もの+カップリングではその完成形と思える形を高津カリノが『サーバント×サービス』で描いていた。だがあれは妹のほうはフリーのままだったので、兄妹どちらもお相手ができそうなこちらの場合とはまたちょっと事情が異なるか。

ラブコメ脳的危険思想からいくと田中兄妹は閉じ込めたい

ところで昔、澁澤龍彦という著名な尊敬すべき変態がいた。その人は「もし娘が出来たら嫁ほったらかしで娘ばかり愛してしまいそうだから子供つくらんのよ」みたいなことを言っていたようなことを言っていた覚えがある。個人的にその考えは共感できなくて、子供はまぁ確かに可愛かろうが、妻に対する愛とは当然別物なわけで。だからいわゆる娘がほしい、みたいな気持ちは自分には全然わからない。どちらかと言うと、自分の趣味(いやラブコメではなく)を理解してくれそうな息子のほうがほしい。まず嫁つくれ

が、もしも田中兄妹みたいな息子と娘ができたら、それはもう愛おしくて仕方ないだろうという気はする。それこそ、この二人を閉じ込めて二人だけの世界を作ればいいのにとか思う。ラブコメ脳的な危険思想である。

まぁでも現実にはこんなに可愛らしい兄妹がいるわけないので、何も問題ないのであった。ラブコメ脳は現実的には無害なもんである。まず嫁つくれ

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