作・ウダノゾミ。2014年1巻より2017年8巻。
表紙は珍しいようでそんなに珍しくもない組み合わせ。話は初期キャラが満遍なく出ていていい感じ。太田妹がちょっと出番増えたかな。太田兄妹いいよね。莉乃は相変わらず莉乃。描き下ろしのちっちゃい頃の田中兄妹話がむっちゃ可愛い。
でも本巻一番印象深いのはやっぱり白石さんだろう。田中むっちゃラブコメしてるやんか……超感慨深い。照れてる田中可愛いなクソ。以下8巻感想。
白石さんの頑張りがついに不動の田中を動かす
せ、青春してやがる……。マジか、確かに前巻まで白石さんもうちょっと頑張ったほうがとか言ってたけど、今回一気に動いたなぁ。いや、動いたのはほんの少しかもしれないけれど、青春静止摩擦係数が規格外の田中を、ほんの少しでも動かしたというのが一大事業。田中の照れ顔!↓
ちょっと照れたらしい。白石と二人三脚してちょっと照れる田中。心拍数マックスだった白石と比べると全然動じていないようだが、なにしろ田中なので。8巻まできてようやくこの表情だよ。
筋立てとしては、体育祭の日、男女混合二人三脚のペア(なんつーリア充競技)が出られなくなり、クラス委員の白石が、その責任感で女子は自分が引き受けると立候補したところ、ゲンキンなことに男子の半分が立候補。ここで、白石の気持ちを知るみゃーののナイスフォローにより、オール田中のあみだくじを白石に引かせて、田中に白石との二人三脚を迫り、田中がオーケーするという話。
最後に白石がダメ押しで「一緒に頑張ろう!」と呼びかけたことが決定打であり、かつ白石がそこまで頑張れたのも、みゃーの作あみだのインチキを知らず、運を引き寄せたという気持ちもあったから勢いに乗って言えたというのもあろう。周りに頑張らせすぎやろというのがまず最初に思うことだが、そこまでしないとこの田中という男、動かない。いや、それでもなお動かないのが田中という男である。
なぜ動いたかといえば、まずは今まで白石さんがどれだけ頑張ってきたかを知っているから。つまり、ちょっと感化された。あの田中を、アクティブな方向に感化させるのは並大抵のことではない。白石さんの日々のコツコツしたページ外の頑張りもあったろう。
そして後はやっぱり、白石さんに対する恐らくは無自覚な好意だろう。田中が白石さんをどう思っているのかはいまいちわからなかったのだけれど、本巻の話見るとやっぱり意識していたらしいことが窺える。たとえば、今回えっちゃんに焚き付けられて、勢いで「田中くんのそういうのんびりしたところが好きだから!」という告白にも受け取れることを思わず口走ってしまった際、田中はサラリと答える。
「…それは ありがとうございます」
突然の敬語。これは田中なりの動揺と解釈すべきだろう。白石はあっさり受け流されたと思ったようだが、その後、田中が「…一瞬自意識過剰になってしまった」と内省していることからも、やはり田中は白石を意識している。
ラブコメしやがって……。これまではどちらかというと白石さんばかりが頑張っていたけれど、今回は田中がそれに応えたことで、一気に進んだというかなんというか。やっぱりラブコメは、男女両方が動いてからが本番だねぇ。。。今回はちょっと照れた田中の表情が見られたけれど、さらに田中の表情が崩れる日は来るのか?来てくれ。来い!
他の話もよかったけど
他にも田中太田兄妹のクリスマスとか、描き下ろしの子供の頃の田中兄妹とか、えっちゃんと太田妹とかいい話多かったが、まーでもこの巻で感想となると、やっぱり白石さんがどうしても。この作品については毎話感想をつけていたが、そうすると単行本の感想で書くことがなくなってしまうんで、巻毎の感想に切り替えたのだけれど、そうすると今度は語り尽くせない話があるな。語り尽くす必要もないのだが。
でも、こうして語り尽くしたいと思える作品ってほんと珍しいんだ。記事冒頭のふんわりした感想だけで、もうそれ以上語ることないなって作品が多い中で、この作品は稀有だよ。いいよね。9巻楽しみだけど、やっぱりまたガンガンオンラインで毎話追いかけようかなぁ。うむー。
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