『田中くんはいつもけだるげ』公式アンソロジー感想:割と楽しめた

エニックスの4コマ漫画劇場で育った世代なので、アンソロジー本はけっこう好き。当時のやつとか、今見ると読めたもんじゃなかったりするけど…4コマはまだしも、読み切り短編ストーリー集めた奴とかはひどいのが多い。あれを考えると、公式同人の毛色が強いアンソロ本もクオリティ上がったような気もするし変わらんような気もする。でも、割と楽しめた。

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キャラのバランスはよさげ

公式アンソロで大事なのは、各キャラの配分であると思う。アンソロの中には、公式であるにもかかわらず、同じキャラ、同じようなネタ(場合によってはまんま被ったネタ)ばかりの、これは身内の寄り合い同人誌だろうか?みたいなものもある。あまりよろしくない。公式はやっぱり、多少人気は反映されるのはしゃあないにしても、なるべくバランス良く、いろんな話で、できるだけいろんなキャラを出さなあかんやろう。

そういう意味では、いつもの田中・太田コンビあり、えっちゃんみゃーのあり、白石さんあり、莉乃あり太田妹あり、志村・加藤コンビもありと、一通りそろっていて良かった。原作者ウダノゾミの描きおろしもあって豪華。4ページと短いながら田中兄妹の話とツボを押さえている。何故か田中兄妹中心の話がなかったので、原作者直々に描かれたのは嬉しいところ。

公式なせいか、割と原作に忠実というか、あまりぶっ飛んだ話はなかったけれど、キャラの表情やら演出やらでそれなりに原作ではないノリも楽しめるので、アンソロらしくはあり。ただ適当に綺麗に落としがちなのは、悪い意味でアンソロらしくもあり。こういうのって、やはり綺麗な話にしないと文句がついたりするもんなんだろうか。

でも公式アンソロなのだし、あまり贅沢言ってもいかんな。こんだけ話がばらけているのは、恐らく意識してバラけさせたのだろうし、気を使って編集されたように思える。これといって印象深い話はないけれど、嫌な気分にもならず無難に楽しめるような感じ。なんといっても原作者の描きおろしもあるしな。

それにしても、巻末でアンソロ描いた人の作品を田中がさらっと紹介するのだが、その丁寧なんだが適当な感じが、実に田中らしくて良かった。

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