『田中くんはいつもけだるげ』11巻感想:野郎の会話に癒やされる

作・ウダノゾミ。2018年11巻。表紙は珍しい組み合わせ。莉乃の周りの人たちという感じか。

今回目立つのは太田、加藤、ワックのおねーさん、みゃーの姉弟、太田妹、白石さんに莉乃、えっちゃん、キャラが多いにもかかわらずけっこう皆顔を出していた。白石さんと莉乃が顔合わせたのがラブコメ的には大きい。

それにしてもこの漫画はやはり癒やし。田中と太田の話とか野郎しか出てこないのにすんごい癒やされるのは、なんなんやろなぁ。以下11巻感想。

目次

ケダルガの回復効果

この漫画は癒やし。なんか最近こんなコメントばかり書いている気がするが、まぁしんどい時はどうしてもエンターテイメントには癒やしを求めてしまうから仕方がない。悲しい時には悲しい音楽を聞くと落ち着くらしいが、つらい時につらい話を聞くと世を儚んで死にたくなるので、やはりしんどい時には愉快な日常漫画に限る。

特にラブコメ系であれば俺によしといったところで、その意味で同じくガンガンオンラインの月刊少女野崎くんなんかは、今の俺にぴったりとくる漫画なわけだが、そこまで色恋を全面に出さずとも、いや野郎の日常だからこそ癒やされる気分もあるのだと、この漫画は教えてくれる。

いやまぁこの漫画も主要人物は割とラブコメしているので、十分この漫画もラブコメではあるんだけれどさ。田中、だいぶ白石さんのこと気にしているようで、近づいたときに珍しい反応するし。太田とえっちゃんはなんか夫婦扱いされたし。こう、少ない出番でうまいことラブコメポイントついてくる漫画だよねほんと。

けれども、普通に田中と太田の会話劇でも十分に癒やされる不思議。ってかむしろそれがこの漫画のメインコンテンツなのであるが。ただ、野郎の日常系で俺のようなオッサンが癒やされるというのは、けっこう珍しい話なんちゃうかなぁ。家族ものや友情ものならそりゃまた別だけれど、そういうのでもないし。ただ普通に友達とだべっているだけなのになぁ。ケダルガの回復効果は年齢性別を問わない

まぁでも、先にもあげたとおりなんだかんだ健全にラブコメしているから読み続けているのだとは思う。白石さんおらんかったら途中で読むのやめていたかもだし。ってかそうすると、ひょっとして莉乃がメインヒロインになってしまいそうで危険危険(むしろそれを望む人もそこそこいそうだが)。

莉乃と白石さん

莉乃といえば、今回は白石さんとの初顔合わせだった。田中兄を交えずに出会って仲良くなれるなら、これは今後の嫁小姑の仲も良好になるものと思われる。まぁ変に修羅場っても嫌だしねこの漫画で。お互いの関係を知った後、どんな反応するか楽しみ。白石さんならこの兄妹をまるっと愛せるだろうし、莉乃的にも白石さんなら文句つけられまい。

ちゃんと莉乃自身にもお相手は用意されているし。でも持って行き方は難しいだろうなぁ。なにしろ莉乃はブラコンが個性になっちゃってるし。今回みゃーの弟は姉とセットで、莉乃とは絡めず。表紙もなぜか莉乃ではなく太田妹のほうで。まぁ莉乃視点という見方もできるのかもしれない。その場合一番大きな存在は他ならぬ兄ということになってしまうが、まぁこれは実際そうだから仕方ないのか。ブラコンシスコンキャラは、想い人できるとキャラ薄まるからラブコメ的には難しいよなぁ。

フラッと来るだろ

ところで本巻で一番印象深かったのは、田中と太田の花見回のモブなおっさんだったりする。桜の穴場を見つけた田中と太田が、閑散とした場で一人たこ焼きの出店をしているおっちゃんを見つけ、たこ焼きを買いつつ交わした会話。

田中「…あの あっちの公園の方が花見客いっぱいいましたよ…」

「知ってるよ でも兄ちゃんたちみたいなのがたまにフラッと来るだろ」

ウダノゾミ, 田中くんはいつもけだるげ, 第11巻

おっさんのこの感覚、場末の趣味サイトを運営している自分にはとてもよくわかる。こうありたい。

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