作者さんの漫画は在りし日の坂本太郎を思い出させる作風で、とても好き。常に狂っているようなところに、ピンポイントにまともな感性を打ち込んで、それが笑いになっている。
ただ、この人の漫画、どれも長続きしていない……やはりギャグを続けるのは難しいということなのだろうか。この漫画も3巻で終わっている。
しかし、単にギャグというだけではなくて、作者さんの漫画は実はラブコメ的にも美味しいところがあるので、ギャグ寄りのラブコメが好きな諸兄ならば、けっこうくるところあるんじゃなかろうか。……それ自体、実はけっこうマイナーなジャンルなんじゃなかろうか、という気はしつつ……。
以下2巻感想。
面白いんだけどねぇ
まぁ2巻といっても、正直内容的には1巻とまるで変わるところがない。単発系ギャグなので、たとえばどこかの話を入れ替えたとしても、全然気づかないだろう。ネタも昔ながらの起承転結ある4コマの連続だし。
なので、面白かったのだけれど、これといって特に書くこともない。なんか校長の話とかもあったけど、正直死ぬほどどうでもいい……というのが、漫画がイマイチ続かない理由だったりするんだろうか……。
氏家ト全の生徒会役員共も完結したようだが(あ、まだポチってない……)、あれなんかはギャグ強めのラブコメとしてご長寿達成しているわけだけれど、何が違うのかなーと思うと、あっちは進んでいないようで、キャラクター同士の関係に若干の変化があったりなんだりして、それが先を読ませる楽しみになっていたってのは大きいよな。
その点、この漫画はまぁラブコメとして美味しいところがあるのはそうなんだけれど、じゃあ彼ら彼女らの行く先を見ていきたいかというと、それは確かにどっちでもいいかなぁという感じがする。キャラクター自体は面白いと思うんだけれど。うむぅ。
この観点では、デビュー作である「ともだちをつくろう。」のほうが、関係としてはよくできていたかもしれない。ちょっと本作は設定が奇抜すぎて、ラブコメは難しいよね。
作者買いはあるが作品買いではない感じ
ということで、作者さん自体は勧められるけれど、作品を勧められるかというとそれは「うーん」という、なんとも微妙な感じになっている。本作についてもそう。
むむー、この作風だと、短命なのは仕方ないのだろうか。実際、1巻完結だったらただただ称賛して終わっていた気がする。いっそのこと、始まりも終わりもない群像劇の連続のほうがよかったりするのだろうか。位置原光Zの単行本みたいな感じで。うーん。
実際、次で終わるけれど、別にそれが残念ってこともないんだよなぁ……。次回作楽しみにしてますねって感じ。面白いと思うだけどねぇ。
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