『からかい上手の高木さん』6-7巻感想:あるはずのない青春が輝かしい

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作・山本崇一朗。2017年6-7巻。

なんとなく、勝手に幼馴染的な二人かと思っていたが、そうではないのか。とはいえ、中学生から続けば最終的には幼馴染枠に入る気もする。なにしろ(元)が出たので、結果は明確にでている…のだが、まぁ最初からわかっていたこと、と言えばそうかもしれない。その点、近親系のキョーコちゃんとは違って安心して楽しめる。

こんな人生歩みたかったと、誰だって思うよね。以下6,7巻感想。

目次

輝かしい日々

なんてことのないラブコメ展開なのに、なんでこんなにも眩しいのか。プールでダブルデートも、目隠しでキスっぽい展開も、夏祭りのお誘いも、ラブコメじゃ定番な展開なのに。どうしてこんなにも輝かしいのか。そんなラブコメ定番イベントの幕間に挟まれる、石ころを蹴るだけだったり、かかるはずのない催眠術をかけるだけのしょうもない遊びだったり……日常の一つ一つがどうしようもなく心に刺さる。それはきっと、俺が歳食ったからなんだろーなー……。

この漫画を読むことで、あるはずのない在りし日を上書きしているのだろうか。そういうわけじゃないよなぁ。しかし、郷愁なしにこの漫画は楽しめまい。この漫画の読者層は、少なくとも25以上ではなかろうか。十代の読者とかいるんだろうか。キョーコちゃんなら十代でも読めるだろうけれど(そして結末に納得できまい)。

日常的な理想

こういう青春を送れなかったからこそ、この漫画を楽しめるのだと思う。上書きしているわけではないが、西方と高木さんのやりとりを見ながら、青春を追体験しているような気持ちはないでもないかもしれない。

徹底的な第三者視点こそがラブコメを信条と思っている自分としては、ちょっぴり邪道な気もするけれど、でもこういうラブコメだってあるよな。完成されたラブコメは芸術性すら感じられて、そんなラブコメを読んだ時には思わず「尊い…」と嘆息してしまう。けれどこの漫画は、完成されていながら、決して芸術的なんてものではなくて、どこまでも日常的。もちろん尊い、なんて感想も浮かばず、ただただ眩しさを感じてしまうような、そういう感じなんだ。

そういう意味では、植芝理一の謎の彼女Xなんかは、序盤は芸術的でありながら、終盤はどこまでも日常的なラブコメだった(感想記事:『謎の彼女X』12巻(最終巻)感想:10年かけて普通の彼女になった感慨)。だが、最初から最後まで浪漫を描き夢を紡いだ物語であったことは確かだ。芸術的な理想があるとすれば、俺にとってこの漫画は日常的な理想とでも言うべきものなんだなぁ。何いってんだか。はははー。

ま、理想は理想よな。ラブコメ浪漫かくあるべし。

楽しみな明日

7巻最後の、夏祭りに誘うところは、年甲斐もなくドキドキして読んでしまった。いや、西方ヘタレそうな感じするんだもん 笑。で、この漫画では珍しく引き。高木さん、楽しみってね、俺も楽しみだわさ。楽しみな明日があるって、素晴らしいことだよなぁ……。

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