『からかい上手の高木さん』4巻感想:思春期の男女の美しさが眩しい

この漫画ほんとすごいね……。

思春期のもっとも美しい瞬間を連続コマ送りで見せつけるかのような本作もついに4巻。進展しているような気もするししていないような気もする。ただでさえ多かったツーショットがさらに増えてません?というかほぼツーショットだね素晴らしい。

高木さんのアグレッシブさが増している気がするけれど、考えてみると初期から「ファーストキスあげるよ」だったからそうでもない…のか?最初から好意隠してないしなこの人。西方はいよいよ己の感情を自覚しつつあるようにも見えるが……。

それにしてもこの二人ほぼ毎日一緒に帰ってるね。既にクラス半公認っぽい。以下4巻感想。

目次

ラブコメは関係性だと再認識

この漫画読んでいるとつくづく思う。本来ラブコメに変な個性はいらなくて、普通の男女が二人いればそれでいいんだな、と。強いて言うなら、彼、彼女が好きだというのがその人の個性だと、そう思わせたらそれはいいラブコメなんだな。

高木さん可愛いけれど、西方と一緒にいて楽しそうなところが可愛いのであって、ソロじゃあまりピンとこないもんな。西方は西方で、大真面目に高木さんに対抗しようとしているのがいいんだ。西方は日常の8割高木さんのこと考えてるからな自覚してないけど。それがまたいい。

高木さんのアプローチが激しさを増す

そんな関係が1巻からずっと続いている。思春期の美しい瞬間、誰もがときめいて嘆息してしまうような瞬間を切り取って、延々とループしているようだが、高木さんの攻め方は、少しずつパワーアップしているようだ。初期から「もし西方が勝ったら私のファーストキスあげるよ(第1巻『空き缶』)」など、かなりギリギリ(というか完全にラインアウトしているように思えるが)ではあったが、その攻め方がより激しく、またねちっこくなっているような。

今回は、「私にキスできたら西方の勝ち」とキスネタ再来に加え(しかも勝負は無期限延長)、ついに西方の部屋に上がりこんでさらっと「またくるね」とフラグたてつつ、恋占いなど、ダイレクトに恋愛ネタ攻めてくる。そしてなんといっても、「一緒に帰ろう」を西方から言わせる回のやりとりか。

「私のほうが西方を好きって思われてるみたいなんだよね。

一緒に帰ろうって誘ってるのが、いつも私からだからかな。」

このセリフのうえで、西方に「一緒に帰ろう」と誘えと訴えかける表情が↓。

山本崇一朗, からかい上手の高木さん, 第4巻
山本崇一朗, からかい上手の高木さん, 第4巻

この挑戦的な目が意味深過ぎる。明らかに、西方に選択をさせている。それは西方も把握していて、高木さんの真意を推し量りかねていながらも、これがただならぬ選択であることをその空気から理解し、なんと答えるのが良いのか、論理と感情をせめぎ合わせながら必死に考えるのだ。

今回最高だったのはここのやりとりけだけれど、こういう「駆け引き」は常に西方と高木さんの間で行われているのがたまらない。西方は常に全力なんだけれど、高木さんのほうが一枚上手というのも、第二次性徴を迎えるこの年頃ならではの良さだ。男子より女子のほうが、成長が早い。同時に、男女の機微にも敏感になりつつある年齢で……美しい。本当に、ほんの一瞬の淡い輝きを絶妙に捉えている

距離が近い!

ところで、この距離感がずるかった↓。

山本崇一朗, からかい上手の高木さん, 第4巻
山本崇一朗, からかい上手の高木さん, 第4巻

こんなんときめくわ。これ肩が触れ合うんじゃないかってくらい距離近いかんね。この二人は、普段はなんだかんだで物理的な距離は一定を保っているんだけれど、ここぞというところでさらっと不意打ちで距離を狭めてくる。このタイミングがうまいというか。高木さん魔性の女過ぎる。

物理的にも近くなったし、振り返ってみると、高木さんのアプローチが激しくなっているのはやはり気の所為ではない気がする。西方も己の感情を自覚しつつあるようだし、ひょっとしてそろそろ区切りを迎えようとしているんだろうか。いつの間にか二人乗りも普通にしてるし。ふだつきのキョーコちゃんは、割と急転直下で終わったなぁ。長く続けてほしいけど……。

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