この表紙が、すべてを物語っている。
基本情報
2016年2月7日現在、第3巻まで。作者は山本崇一朗で、ふだつきのキョーコちゃんも連載している。よくぞこの内容を続けようと思ってくれたんだ!どうしてくれるんだ!
だいたいこんな感じ
舞台は中学校。女子生徒の高木さんが、ひたすら男子生徒の西方くんをからかい続けるだけの、ただそれだけの、本当にそれだけの漫画。なんだけど、それは思春特有の甘酸っぱさがあり、また少年時代を思い出させるノスタルジーも相まって、思春期の最も美しく楽しいところだけを掬い取って凝縮させたような、そういう感じなんだが、よくよく考えてみると俺にこんな思い出はなかったぜ!
↑あったような気もするし、なかったような気もする風景。ただどう見てもこの女子はこの男子に気があるような気がする。だが男子当人からしてみれば、そういう気はしなくもないがそう考えるのは自意識過剰のようにも思える、という微妙なラインでもあろう。というわけで、男子こと西方は女子こと高木さんのことが気になって仕方なくはあるものの、基本的には小学生的対抗心で対応することで心の平静を保っている。が、時には高木さんは、どうやっても男女的な意識をせざるを得ないような、非常に思わせぶりな態度を取ることもある。
↑は朝教室で二人だけの時の状況で放たれた言葉。普段からからかわれているだけあって、西方のほうはどうも疑心暗鬼気味ではあるものの、ここまで言われたらそらドキドキするわな。それで一歩を踏み出せないのが男子中学生の性であり、またそれを高木さんもよくよく心得ているのだ。さらにギリギリのラインが下図。
↑あざっといなぁおい!この言葉に動揺して、西方は勝負に負けるのだが、でもいくらなんでも気のない奴には冗談でもこんなこと言わないぜ。しかし当人からしてみればまだ「うーん!」って感じかもなぁ。
「もしかして自分のこと好きなのかな?」というラインが恋愛で一番楽しい時だと言う人はそれなりにいるんじゃなかろうか。祭りは準備中が一番楽しいみたいなもんかいね。そういう意味では、その楽しくも儚い一番を延々と続けようって、ありそうでなかったなと思う。本当にこんな感じの話だけが続く。これはすごいことだよ!
、「こんな日があったらよかったのに」と思うような日々が描かれているということです。こういう心ときめく瞬間が何度かあったなぁ、という朧げな記憶を、乙女回路で補正して童貞アンプで増幅させるとこんな感じになるのかもしれない。
総評
こんな思い出あるわけないのに何故か懐かしい気がする、どこかノスタルジックで甘酸っぱいイチャコラ漫画。