先日武蔵くんと村山さんは付き合っているらしい。の3巻をスマホで読んでいてつくづく思ったが、やはりスマホで4コマ読むなら1ページに1つの構成が良い。この漫画はそれをハッキリと意識していて、最初の頃はよくある1ページに8コマ構成だったのを、途中から「スマートフォン(以下スマホ)を意識した」として1ページ4コマに変更している。これは非常にナイスな判断だろう。
1ページ8コマより4コマのほうが見やすい
1ページ8コマは、旧来の紙媒体を全体にしたフォーマットであろうが、これはスマホの大きさではたいへん見づらい。いくら解像度をあげたところで、元の大きさが4-5インチ程度では限界がある。そもそも、スマホで漫画を読むということ自体が厳しいのだけれど、何故厳しいかと言えば、漫画自体が単行本くらいの大きさで読むことを前提にしたつくりになっているからだ。逆にいうと、スマホに合わせたつくりにすれば何の問題もなく読める、ということ。
スマホに合わせたつくり
スマホに合わせたつくりをできる漫画は、今のところそう多くはないかもしれない。漫画は見開きの文化を培ってきた。ワンピースなんて、絶対にスマホでは読みたくない。しかし、従来の4コマはかなりやりやすいだろうと思う。むしろ、今までよくぞあんな小さいコマに詰め込んできたと思うよ。デフォルメしないと全身像も入りやしない。そういえば昔、新井理恵が↓なネタを描いていた。
↑4コマの枠でシリアス画で無理やり全身を入れると1コマ目みたいになるというネタ。また新井理恵はセリフも多いので、3コマ目のようにコマの半分以上が吹き出しなんてのもざらだった。しかも字が細かく、とてもスマホで読めたものではない。1ページ4コマにしたところで、横長になるだけなのでやはり全身を入れようと思うと枠ぶち抜きしないといけないだろうが。しかし電子画面であることを前提にすれば、1コマさえ1画面内におさまるのであれば、スクロールさせてもよいだろう。
レスポンシブデザインみたいな
が、そうは言っても、旧来の紙媒体を無視した作りにするわけにもいかないし、またやはりスクロールは手間というのもあるので、1ページ1画面におさまる範囲内でコマを大きく、というのが現実的な妥協ラインではあるのだろう。
あらゆる大きさに対応できる、Webページにおけるレスポンシブデザインのようなものが使えればよいが。画面の大きさに応じて、自動的にコマ割りが変更されるような形である。もっとも、漫画のコマ割りは一つの表現技法であろうから、既にあるものについてはどうしようもないとは思うものの、これからの漫画については、少しずつでも、電子画面での閲覧(それもスマホのような小さなデバイスからタブレットのような大きなデバイスまで)を前提にしたつくりになっていけばよいのになと思う。
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