『愚かな天使は悪魔と踊る』4-6巻感想:ラブコメとシリアスが見事に踊る


アズマサワヨシ, 愚かな天使は悪魔と踊る 6, 2019

この漫画すごい好みだ。男も女もカッコよくて可愛いし、平等にお色気シーンがあったりギャグ顔させられたりして性差の偏りが少ないし、心理描写も丁寧だし、コメディとシリアスのバランスも良い。そして何よりCP固定のカップル系。安心のラブコメですわ。

ただ6巻にきてラブコメ分マシマシしつつ、シリアス分も強くなった。ストーリー的にも漫画的にも分岐点に思えるが、このさきどうなる?以下4-6巻感想。

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これは良いラブコメ

この漫画好きだなぁ。まぁ野郎向けだから、表紙こそリリー一強だけれど、お話は男子も女子も丁寧だよね。ヒロインのリリーの顔も容赦なく崩すし。阿久津のサービスシーンも謎に多いし 笑。こういうの好きだな。

ラブコメ的には、夕香の存在が面白いと思う。この子がリリーの後押しをしてくれるだけでなく、うまいこと嫉妬を煽ってくれるのが良い。

嫉妬煽りはラブコメの常套手段だけれど、この手のCP固定カップル系において通常ちょっと難しい。嫉妬煽りはキャラクターの知られざる一面を引き出せる魅力的な展開である一方、固定CPのイチャイチャが見たい需要とは相反する諸刃の剣でもあるからだ。

まぁ一昔前ならば「バカだなぁアレは妹だよHAHAHA」ということもできたかもしれないが、イマドキのラブコメでは兄弟も思いっきりヒーロー・ヒロイン枠なのでそれもやりづらい。

そこへいくと、夕香は健作という好きな人がハッキリいて、しかも若干ヤンデレ気味。ラブコメにおけるヤンデレの大きな特徴は、好きな人が変わらない一途さである(でなければただのビッチ・ヤリチンだ)。したがって、夕香は何があっても阿久津のことを恋愛的に本気で好きにはならないだろう、という安心感がある。

とはいえ、夕香は健作と付き合えていないので、フリーの女子である。彼氏のいない女子と好きな男子がいい感じになっていれば、リリーじゃなくたって面白くないはずだ。

ということで、阿久津と夕香の絡みは、ラブコメに読み慣れた読者的を安心させつつ、作中のヒロイン・リリーの嫉妬を煽ることができるという、非常によく考えられた関係なのだ。いや、作者さんがそこまで計算したうえで描いたのかは知らないが……でも恐らく計算ずくじゃないのかなぁと思う。多分、阿久津×リリーのラインを崩すような展開にならないよう、かなり気を使っているように思える。カップル系ではその気遣いがすごく大事なのだ。

読ませるシリアス

さて、そんなよくできたラブコメ漫画である本作は、6巻になるとラブコメ分もマシマシ、病に臥せて弱ったリリーを阿久津を甘やかすというベッタベタでありながら甘酸っぱさ最高潮のネタまでぶちこまれてニヤニヤ

やー、素晴らしいラブコメであることだなぁ、と思った矢先に、驚きのシリアス展開。いや、これまでもちょこちょことシリアスの顔を覗かせることはあったが、ここまで強烈かつ長引いた展開はなかった。

唐突に現れた兄に平服し、のじゃ口調も封印、ひたすら下手に出て土下座までするリリーの姿は痛ましい。さらに単なる萌え属性かと思われたハイソックスの下には醜悪な紋様があり、それを阿久津の前で無理矢理暴かれて「見ないで……」と涙を流す様は、平生の高飛車なリリーを知っていると、見るのもつらい。

そのうえに、その後のリリーの天使の豪奢な羽根が、実は偽物であることを暴かれ、嘲笑われるシーンは……いや、本当に胸が痛んだのだけれど。よく描いたなこんなん。ちょっとびっくりした。どんな気持ちでリリーがその羽根を作ったのだろう、自身に纏わせたのだろうと思うと、やりきれないんだが。。。

さて、そこからは怒涛の熱血バトル展開である。リリーの尊厳が汚されたことで、阿久津は怒りに震えるが、それをきっかけに覚醒、黒い羽根を生やし、バーサーカー状態に。正気を失いつつも、力を得てけったくそ悪いリリー兄に顔面パンチ、追い打ちをかけるようにトドメ!

……というカタルシスがバリバリの展開なのだが、ここでリリー兄がリリーをただ虐待していたわけではないことが、回想で示唆される。「僕は(リリーのことでこんなに)怒れなかったから…」というモノローグから、どうもリリーへの態度は彼の本意ではなかったような……これまでの話から、黒幕は姉っぽい感じだ。。。

リリーはトドメを刺そうと拳を繰り出す阿久津と兄の間に入り、兄を庇うのだが、それは虐げてきた兄の中に一切れの情があったからなのか、どんなになっても身内が傷つくのを見ていられないリリーの優しさなのか、それとも阿久津の手を決定的に汚させたくなかったのか……?

リリー兄もわけありなのはわかるが、それにしてもリリーに対してしたことはひどすぎるとも思え、いったいどういう関係なのか気になって仕方ない。というわけで、次巻・7巻もポチらざるを得ないのであった。

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