『シュタインズ・ゲート(漫画)』絶対に原作未プレイで読んではいけない

さらちよみ, シュタインズ・ゲート, 第1巻
さらちよみ, シュタインズ・ゲート, 第1巻

↑岡部倫太郎と牧瀬紅莉栖。なんのかんの言っても、この二人のラブストーリーなんよなこの作品は。

本作はゲームSteins;Gateのコミカライズ。シュタゲはラブコメラヴァーズのみならずとも楽しめる名作。シュタゲのコミカライズはたくさんあるが、これは本編のもの。言えることは一つ、絶対に原作未クリアの状態で読んではいけない。というかシュタゲは基本的に本編以外はふむ。

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基本情報

全3巻。漫画はさらちよみ。本編のコミカライズ…なのだが、そのために3巻というのはどう考えても短い。というか他の、エピソードの一部を切り取ったコミカライズも全3巻だったり、なんだったら4巻あったりするのに、本編全体が3巻というのは可哀想。

それでいながら、ストーリーの全貌だけはだいたい知れてしまう。シュタゲは「記憶をなくしてもう一度最初からプレイしたい」と言う人もいるほど、初回プレイ時の感動が大きい作品。これをゲーム未クリアの状態で読んでしまうことは、悲劇以外の何者でもない

だいたいこんな感じ

シュタインズ・ゲートは、万年中二病の大学生岡部倫太郎と、天才科学者の牧瀬紅莉栖を軸にして展開されるSFなラブストーリー。ラブストーリーと言い切っていいだろう。俺は言い切る。ただ岡部倫太郎の相手が牧瀬紅莉栖だというところには異論ある人もいるだろうが。

タイムトラベルものは数あれど、シュタゲは白眉じゃなかろうか。ストーリーもたいへんしっかりしていて、特に舞台設定がよく、なんといってもDメールの発想が素晴らしい。が、SFの皮を剥ぐとそこにはラブ、ラブがある。

でもこの漫画について言えることは、前述のとおり一つだけで、とにかく「未クリア状態で読むな」それに尽きる。申し訳ないけれど、コミカライズとしては下に入る。尺が短すぎるのもあるけれど、そもそも漫画としてもどうかな。絵は綺麗だけれど。漫画としては、うーん。

漫画についてはこれくらいにして、シュタゲについてちょっとグダグダと。

2000年代の残り香

それにしても、シュタゲに出てくる@ちゃんねるは、言うまでもなく2ちゃんねるのパロディなわけだが、これのノリがとても懐かしい。VIP以前だなぁ。オマエモナーとか厨房逝ってよし!なんて声が聞こえてきそうだ。VIPも一時期ちょいと覗いていたけれど、VIPでは邪道とされるパートスレが主な目的だったし、結局俺はあの文化には馴染めんかったな。

ガラケーにも時代を感じる。そういえばiPhoneが席巻するちょっと前くらいか。今の漫画になると、ケータイがだいぶスマホに置き換わっていて、この変遷はちょっとした文化史やな。

岡部倫太郎と牧瀬紅莉栖

岡部倫太郎が大学生なのが、またいい。今は主流が高校生くらいだと思うけど、個人的には大学生、20代前半くらいが一番輝かしいというか、眩しい時期だと思う。思春期の残り香を漂わせつつ、夢と希望を追いながらも、現実がリアルに迫ってくる狭間の時期。話の内容も膨らむと思う。牧瀬紅莉栖は年齢的にJKなんだけどね…。

そういや牧瀬紅莉栖は脳科学者という設定だが、こんだけ物理学(しかも宇宙論)に精通している脳科学者はかなり珍しいと思う。大学時代一瞬そっち方面に行きかけたんだが(就職が墓場なのを知ってやめた。興味本位で専攻してしまうと人生だいぶ変わるジャンル)、脳科学はだいたい生物系と情報系で、細胞ごちゃごちゃして喜ぶ人たちと、脳波やfMRI(頭の物理的構造じゃなくて、血流とかそんなんを見るやつ。それで脳の活動しているところがわかるはず的な)でごちゃごちゃして喜ぶ人たちがたいていな感じやった。少なくともタイムマシンに夢見る基礎物理学の人らとはあまり反りが合わなそうな人たちである。牧瀬紅莉栖は、かなり広範に学問を修得している。

一方で岡部倫太郎は、理系の大学生としてはレベル高いと思うが、天才牧瀬紅莉栖に比べると相当落ちるのは仕方ない。が、岡部倫太郎の力はそこではなくて、その類まれなるリーダーシップだろう。リーダーほど描くのが難しいものはない。能力を定量化できないし、何を持ってリーダーシップとするのかも曖昧だからだ。その意味で、リーダーが描かれている、という面でも個人的に素晴らしいと思う。

総評

原作が一番。

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