作・松本ナミル。2017年4-5巻。
おー……1巻読んだ時に期待していただけに、3巻時点では色々と微妙な感じだなと思っていたりしたんだけど……久々に読んだらこれは…中々……いい…な…。
4巻以降、主人公がけっこう頑張っている。逆に香坂は当初よりダメな感じでてきて、いい感じで彼氏彼女感がある。あと香坂父母の話とか委員長'sの絡みとか香坂が篠崎をホモから守る感じとか楽しい。
6巻けっこう期待していいのかも…。以下4,5巻感想。
主人公頑張ってるねー
この漫画は1巻読んで、フェチ系カプものっぽくてすごく期待して、2巻読んで安易なハーレムっぽい展開にガッカリして、3巻読んでまたちょっと彼氏彼女ものっぽくなって面白いかなと思ったりと、評価が揺れていた。続きも期待したいとは思っていたものの、どっちに振れるかなぁという気持ちもあって、しばらく放置していた。で、気がついたら5巻。ぼちぼち読んでみたら、これは……いいな。
ちょっと驚いたのが、どちらかと言うといかにもハーレム漫画の主人公でありそうな無個性優男だった篠崎が、非常に頑張っていたところだろうか。たとえば、ハレンチ風紀委員系うっかり委員長、五十嵐がスカートめくれているのを指摘しようとしたとき↓
篠崎「たまにさ…お尻を触りたくなる事…あるよね…?」
これはずるい 笑。主人公自らこのノリを出してくるとは思わなかった。変な笑いが鼻から出た。ごほって。
そして努力の甲斐も虚しく、結局五十嵐は割とつらい形で自分のパンチラ状態に気づくことになってしまうのだが、それに対する篠崎の精一杯のフォローがまた…↓
「参りましょう…」
「どこに…?」
はははー、俺この感じすごい好き 笑。しょうもな!
篠崎の個性って多分「優しさ」で、これ自体はハーレム系主人公が標準装備していることが多い無個性の象徴みたいな属性。履歴書に無理矢理書かれた趣味「映画鑑賞」と同じくらいどうしようもない。でもそれは「優しさ」の表現が難しいからだと思うんだよ。優しさって、考えてみるとよくわかんないし。でも人間にとって一番大切な資質だと思う。そして、俺は確かに「優しさ」を感じたのだ。だってアホやもん。アホになって自分を犠牲にしてるもんな。全然格好良くない。この不格好さは本物の優しさやと思うんよ。
香坂も可愛いし
……などとわけのわからんことを語りつつ、香坂のほうも、だいぶ可愛らしいというか、最初のほうよりもダメな感じがでてきたことで、カプとしてもおいしくなってきた↓。
香坂「ふう…料理本を100冊も読破してしまうとは…やはり料理上手で頼れる彼女は彼氏にとって必要な存在…」チラッチラッ
篠崎(何か奏多みたいな匂いがするな…)
いい感じでダメ彼女。元々四十八手を覚えようとしたり、理論偏重のきらいがある香坂であったので、料理本100冊読破というもうそれだけでダメそうな努力はともかくとして、それをもって構ってほしそうなオーラを全開にするのは、非常に彼女力が上がっている気がする…そしてこれは多分面倒見のいい篠崎にとっては良い反応。ここで奏多が出てくるとおり、篠崎はいいお兄ちゃんをしているので、いいんだろうな。
ただし香坂はメシマズ属性しかもポイズン系。ちょっと珍しいなと思ったのが、いきなり彼氏に食べさせるのではなくまず女友達に試食させているところか。確かに考えてみたらそりゃそうだよなと思うんだけれど、ラブコメ漫画のメシマズヒロインはどいつもこいつもまず愛する男に毒物を食らわせようとするので。無理して食べて腹を抱える西城など、ここらへんの人間関係は中々面白い。
先の五十嵐と愉快な委員長'sとか、男子も女子もいいキャラしていて仲よさげで楽しい(香坂あんまり輪に入れてないよね)し、複数キャラ出てきたことで話に膨らみがある。
最初は彼氏彼女ものなら篠崎と香坂だけでいいのにくらいのことを思っていただけに、ここまで良い具合に世界観が膨らむとは思わなかったな。ちょいちょい挟まれる香坂両親の話もいいし。星矢とかも、香坂がしっかりと警戒しているから深刻なことにならず笑えるし(そこへいくと、西城と香坂の辛味はどうもサービスと考えているような節があり、雑味というかなんというか…一応篠崎も警戒してはいるんだが…)。
数多くの登場人物の関係がいい感じで繋がって、安易なハーレムものにならずよかった。まぁ雫はちょっと敗北系幼なじみが全開過ぎてつらい感じもするけれど。まぁでも家族的な繋がりでもあるんだろうし。6巻楽しみに待つ。
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