作・八十八良。2014年より1巻、2016年5巻。6巻出たけどひとまず5巻まで。
うーんラブロマンス。読み進めると止まらんね。でもこれ終わってから一気読みしたい系かも。
以下4-5巻感想。
まさかの風鈴離脱
前巻まで剣崎と滑稽だがニヤリなラブコメ劇場を繰り広げていた風鈴が、罠にはまり、かつ功を焦る切子と焚き付けられた雁金の暴走でまさかの戦線離脱。強キャラっぽい振る舞いでエラソーに訓示を垂れていた雁金もいいところないまま捕まって冷凍。
風鈴は冷凍される際、剣崎は妹のベクターを逃したのはお前か?と問われ、無言のまま剣崎を見据えるのだが、これは無言の肯定なのか、それとも口を割らないということなのか、あるいは他に言いたいことがあるのか。
剣崎はただ「そうか――」と応え、「さらばだ逃がし屋 もう永遠に会うこともないだろう 永遠に寝てろ」と、風間リンの名を呼ぶこともなく沈み行く風鈴に背を向けるのだが、その沈んでいく姿がなんともI'll be back感。まぁここで終わるわけはないのだが、早々のヒロイン離脱にちょっと驚いた。
まさかのお嬢さんをくださいイベント
その後は主に剣崎たちの視点となり、捜査の過程で剣崎は風鈴の日記を手に入れ、その過去を知る。家庭に大きな問題があったことを自身の生い立ちと重ね合わせたのか、また風鈴が決して組織の仕事を快く思っていないこと、理不尽に抗いながらも抗いきれず苦しんでいたことを察し、情を覚える。とどめはやはり日記の最後の言葉「私も愛して死ねたらいいのに」だろう。ってか字めっちゃ綺麗。
そうして、風鈴の母親に接触した時に、お嬢さんをください(意訳)発言が出るわけだ。それを聞いたママは大笑いして、風鈴が剣崎に惚れるだろうと言うが、一方で剣崎も既にだいぶ怪しい。実際、重松からは勝負を続けたら死ぬぞと警告されている。
つまり、なんだかんだ言って剣崎と風鈴はしっかりラブロマンスしているのである。そして本当の勝負はそこから始まるらしい。ママは言う。
「これで風鈴は絶望を知る
愛した相手が死に至るか
愛されぬことを願い続けて愛し抜くか
どちらに転んでも風鈴はひと皮むける」
惚れた惚れさせたで終わりではなく、それによって生じる矛盾が絶望を生む。うーん、なんとも奥深い味わいのラブコメである。
でもリンちゃんまだ絶賛冷凍中。早く解凍しておくれ。完結してから一気読みしたいけど待ってられんわ。
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