『早乙女選手、ひたかくす』1-3巻感想:うぶな筋肉カップルええやん

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水口尚樹, 早乙女選手、ひたかくす 1, 2016

昨年2019年に全10巻にて完結しているのだが、Kindleに無料版が出ていたのでいまさら読み始めた。ずっと気になっていたタイトルではあった。

かなり強烈な表紙だが、作中では別に筋肉コンプレックスがあったりやけに筋肉描写があったりするわけではなく、ごく自然に身体の描写がなされているのが実によいと思った。あんまりわざとらしく描かれると、ニッチなあざとさを感じて興醒めしちゃうからね。

ウブな体育会系カップルのおぼこないちゃラブでラブコメ好き的にもかなり嬉しい。なにより体育会系カップルは、やはり描ける人が少ないのか供給少なめジャンルなので希少価値がある(描ける人も、どうしても"スポーツ"のほうを主体にしてしまうしね……)。

よいものでした。以下1-3巻感想。

目次

体育会系カップルとは

漫画が趣味の人間は、どうしても文化系のほうが比率が高いと思う。俺もご多分に漏れず文化系だった。なので、この漫画のに内容自体は王道のニヤニヤ系純朴カップルなのだが、体育会系カップルという点でかなり物珍しい。しかもこの漫画、ラブコメが主体っていうね。スポーツを題材に漫画描いたら、どうしてもスポーツ自体を主軸にしてしまいがちだものな。でもこの漫画は圧倒的ラブコメ。

実際、体育会系ってどんなんだろうね。なんとなくウェーイな人たちの比率は文化系より高い気もするけれど、あれは多分ガチ勢ではないのだろうな。学校という舞台においては、なんでもそこそこくらいが一番モテるのであって、真面目に突き詰める人たち、はどこの世界でもおぼこなもんだろう。特に体育会系の中でも、ボクシングなんかの格闘技は、サッカーや野球と比べるとだいぶ毛色が違いそうだ。

強いフィジカルとタフなメンタルを持っているはずなのに、それでもやっぱり思春期の男女なんだよなぁと思わせる、ナイーブな心理にニヤニヤする。

筋肉女子

早乙女の筋肉質な体は、ニッチな需要を汲み取りまくりだろうなぁ。漫画においては、体育会系女子でも柔らかそうな体していることが多い(たとえラブコメではなくても)のは、まぁ結局それが一般的な需要というやつだからなのだと思う。また、2020年においてもなんだかんだいって伝統的な男女観みたいなのは色濃く残っているわけで、ファンタジーならともかく、生々しく描かれたフィジカルの強い女子、となるとまだまだニッチだろう。

とはいえ、筋肉フェチは何も女の特権ではない。男にもいるわけで、異性の筋肉質な体に憧れる諸兄はそこそこいる。また、強い女に魅力を感じる男だって、昔よりは確実に増えている……はず。なので、ニッチなのはそうだろうが、需要は思われているよりもあるのではないだろうか。

しかし筋肉を描けてスポーツを題材にできて、しかもそれでいてラブコメを描く人、なんてのは非常に少ないだろうなぁ。特に最後よ、ラブコメ描いてくれるってところ。スポーツって特に漫画映えするジャンルだから、スポーツ題材にしたらどうしてもそっちに主眼がいってしまうのは、仕方ないとは思うんだ。

その中で、この漫画はあえてのラブコメ主軸。もちろんだからといって当人たちがひたむきに取り組むボクシングを蔑ろにするわけではない。ただ、それはあくまで大事なものの一つ、というのがいいよね。

お話自体は、うぶいカップルのイチャラブとして見るとよくあるかもしれないけれど、それは王道ということでもあるし、かつ二人を繋ぐボクシングという題材が新鮮だったので、読み始めたらなんか終始ニヤつけて楽しかったわ。そのうち続巻もなんかのタイミングでポチると思う。

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