去年古本ゲットしていたのを、なぜか今さら読んだ古本ゲッターの俺。1巻もそうだったが、本作はやけにページ数が多く、2巻で500ページ弱ほどあり、ページ数の少ない漫画だったら3巻分以上ある。ページ対価格的にはオトクかもしれない?
とはいえ、原作小説1巻分の内容を入れるには、まだちょっと足りなかったのか、原作を読んでいないのでなんとも言えないところではあるのだが、全体的に詰め込まれた印象はある。イベントが矢継ぎ早に起きるので、どうも消化しきれない。感情を消化する前に次のイベントが始まる感覚。
全体的な流れを言うと、成果を出していたにも関わらずボスが無能だったため評価されずクビになってしまい、失意のまま自由業始めたら、人に恵まれて評価も爆上がり、以前の連中とも和解して今は充実した生活を送っています、って感じで、こういう作品が求められる世相なのかなぁなどと思うなどした。
以下2巻感想。
2巻ポチってるやん
私の積ん読は53万冊です。
ってことはないけど、まぁうちにある積ん読全部読んでいるだけで人生終えられそうだな、と思うことがある。本作の1巻は昨年10月に読んでいて、こんな記事を書いている。
あまり芳しくない感想で、魅力のないテンプレとかエラいこと書いてるなぁと思ったが、その後古本とはいえ2巻をゲットしているあたり、気になっていたのかなぁ。でも結局読んでないしな。
追放した野郎との再会はある…が
気にしたところがあったとすれば、勇者ギデオンとの再会があるのかどうかだろうか。主人公・ルードを過小評価し、追放した張本人とのその後の関係はやはりハイライトだろう。
……と思ったが、本作では再会するものの、特にどうというイベントは起きなかった。今や勇者ギデオンはすべてを理解し、不徳の報いを受けて改心し、不器用ながら行動でルードに謝意を示そうとした。つまり、もう彼とのことは終わったことなのである。今後、連携することはあるかもしれないし、ないかもしれない。この手のやつでは逆恨みして小悪党になるパターンも見受けられるが、あまりにも何事もなく改心しているので、少し驚いてしまった。
細かなところでも、Fランク罵倒からのすみませんCランク男とか、全体的にやなやつ!やなやつ!→改心するのムーブが目につくのではあるが、改心に至るまでの道筋が非常にシンプルであり、ああ、過程は特に重要ではないのだなと感じられた。また、心からの悪人やどうにもできない蟠りみたいなのも今のところ存在せず、能力で殴れば皆おとなしくなるという感じ。
このアクのなさのため、全体的に薄味に感じられたのだろうか。ただひたすら、原因と結果だけを淡々と見せられ続けたような感じがする。イベントの数は多かったなぁ。
コミカライズだからなのかどうか
とにかくイベントを列挙するだけのコミカライズはよくある。心情描写という抽象的表現を、具体的な絵に落とし込めず、ただひたすら起きたことを再現してしまうタイプの残念コミカライズだ。原作を読んでいないため、判断はできないのだが、本作もその類である可能性は否めない。小説版ならばまた違った感想をもつ可能性はある。
というかまぁ、最近はそうでもないから忘れていたが、コミカライズというジャンル自体が地雷原であり、基本的に不出来なもののほうが標準であるため、コミカライズだけ読んで作品評価というのもあまりよろしくないか。とはいえなぁ、これでじゃあ原作読みたいと思ったかと言うと、うーん、だなぁ。
多分、俺の食指がイマイチ動かないのは、いろんなことを流しすぎてない?という気持ちがあるからだろうなぁ。なんでこの人たち、こんなスッキリあっさりしてるんだろう、っていう。たとえ誰も悪くなくても、消えない傷ができて、その傷が疼くのが人生ってものじゃないか……。まぁ、俺の好みといえばそうなんだが、うーん、まぁ俺はここまでかな……。
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