作・久米田康治。全2巻。1994年。
ラブコメっていうかギャグやね。浪人生な主人公が、風俗王に、俺はなる!という話。ヒロインがキャバ嬢ということで、ほぉと思ったのだけれど、ラブコメ的にはあまり。それで最初のほうは、微妙だなーでも久米田康治だしなー、という感じで読んでいたのだけれど、途中で風俗修行みたいなのに駆り出されてギャグに振り切ってからは面白かった。でも最後は尻すぼみ。
以下全2巻感想。
ギャグ漫画だった
第一話のタイトル「マドンナはキャバクラ嬢」が得も言われぬ気恥ずかしさを感じさせるが、それはともかくヒロインがキャバ嬢って、基本的にピュアさが重要なラブコメとしては面白い設定やなーと思って読み出したのだけれど、これがなかなか微妙だった。作者が久米田康治じゃなかったら途中で投げ出していたかも。
ヒロインの夏樹がねー、キャバ嬢ということを抜きにしても、単にちょっと我儘なお嬢様という感じで、あまり魅力的に見えなくてなー。
一方、主人公の浪人生・春平はなかなか面白い男で、難関大学を目指す浪人生でありながら、風俗の営業に才覚を持つ。夏樹を水商売の世界から足を洗わせようとするも、逆にその才覚で夏樹の働く風俗店を大流行させてしまう。
そんなことを二度三度繰り返すうちに、風俗王の息子であることが示唆され、どうやらその才能は父親譲りの天性のものであったことがわかる。そして偶然出会った父親にその才を見込まれ、八丈島だの山奥だの立地最悪の風俗店を盛り返すという、いわば風俗修行のようなものに駆り出されるのであるが、これがけっこう面白い。
リゾート地で海の家的なキャバクラだとか、山の頂上にキャバクラだとか、銀座で屋台村っぽいキャバクラだとか、破天荒なネタで楽しい。それでお店が流行るのはギャグ漫画だからということで。
そこに至るまでの夏樹とのラブコメはあんまり面白くなく、ちょっと読み飛ばし気味だったのだけれど……いや、夏樹とのラブコメは最後の最後まで輝かなかったな。その分思う存分ギャグができたということかもしれない。
でも、本当はラブコメ期待してたんだ……。
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