『理系が恋に落ちたので証明してみた。』8巻感想:後輩ちゃんのウンザリ顔が楽しみで読んでいる

山本アリフレッド, 理系が恋に落ちたので証明してみた。 8, 2020

今回もよかった。証明は完了したので、今度は定量的評価をするらしいね。定量的評価ってまた理系感全開だ。いいね。

理系を題材にした漫画はちょいちょいあるけれど、エッセイが多いからなぁ。理系で漫画家という道を選ぶ人もあまりいないんだろうね。

この漫画は大学の理工学部の雰囲気をよく出していて、しかも理系的な話をしっかりラブコメに落とし込んでいる。理系のことはわかんなくても、ラブコメならみんなわかるし、こういう漫画がけっこうほんとに異文化の橋渡しになることもあるんじゃないかな。

以下8巻感想。カナデラブ!!

目次

ラブコメはプロセス至上主義なので

無事、証明完了したらしい。よかったよかった。まぁどう見てもQ.E.D.って感じだったしね。もっとも、その結論は作中でも揶揄されているように「クソ当たり前の結論」である。

定義1.1 AがBを好きである条件とは「A本人がBを好きであると認識している事」である

山本アリフレッド, 理系が恋をしたので証明してみた。 8, 2020

まぁラブコメラヴァーズの諸兄ならば色々物申したいことはあると思う。というか作中でいきなり

「オレ自身が棘田を好きだと決めねェ限り オレは棘田を好きじゃねェってことった!!」

山本アリフレッド, 理系が恋をしたので証明してみた。 8, 2020

などと反証ぶちかましてくれているので、クソ当たり前と言いつつ、好きの一側面しか捉えられていないことは、作中で思いっきり明示されているわけだ。

つまりこの定義はガバガバであり、そのことを作者さん自身わかっていながらかいている、ということになるが、まぁ正直どういう結論を出すかなんて、特に最初から期待していなかったし、実際皆さんそうじゃないのかしら。

ラブコメほどプロセス至上主義のジャンルもあるまい。成果主義クソくらえで、極端な話最終的に結ばれ得なくても、なんだったら破局しても成立する。とかいいつつ複数ヒロインもののラブコメでは最終ヒロインが誰になるかで大荒れになるけれど、いいんだよトゥルーエンドは皆の心の中にあるんだよっていうか10年もたてばどうでもよくなるよ悲しいかな。

彼と彼女の奮闘する様が楽しかったのであって、別に結論を出すことは期待していない。次は好感度の定量化に臨むようだが、これまでどおり間違えた理系ぶりのトンデモ理論を繰り出してほしい。そこは期待している(恋愛3年説はよかった)。

カナデラブ!!

なので、ラブコメ的に付き合う・付き合わないが大事なのはわかるのだが、ここまできたら付き合ってしまってもよかったんじゃないかとも思う。20代ラブコメだし、あんまり伸ばしても……。それとも、まだ一悶着やるつもりなんだろうか。ウンザリする後輩ちゃんに愛の手を。

山本アリフレッド, 理解が恋をしたので証明してみた。8, 2020

↑俺はこの後輩ちゃんのウンザリ感が楽しみで読んでいる節がある。ついには愛の単位にさせられてしまう奏ラブパワー後輩ちゃん。ここに定義を記す。

  • 顔を見るとドキドキする頻度: 1/1
  • 1日に必ず会いに行く回数: 1回
  • 会えないと寂しくなる期間: 48時間

これが1Klp(奏ラブパワー)と定義される。めちゃくちゃな単位だけれど、フランクな場では適当に当てはめてみるとけっこう使えるんじゃないかという気がしなくもない。特に二次元キャラに使えるのが面白い。虎輔がギャルゲーキャラに会えないとつらい時間が3時間であることから、16Klp!と計算しているが、けっこういい線いっているのでは?

そして自分に当てはめてみると……おおぉ、おおぉ……俺に愛はなかった……。

でも数値化ってすごいよね。でもあまりこの数値にこだわりすぎると、本質を見失うのだろうね。奏ラブパワーの使い方は適切に…。声に出して読みたい日本語。カナデラブ!!

どうなる後輩ちゃん

などというのはまぁよくて、恋愛に浮かれる先輩たちや同期に一人取り残された後輩ちゃんも、もしかするとついに恋愛できるのかもしれない……のだが、先輩らがハッピートゥルーエンドなだけに、後輩ちゃんは恋愛の厳しさを表現する重荷を背負わされるのかもしれない。なんとなく不穏なモノローグがあったが……。男のキャラデザも雪村と虎輔に比べるとあっさりしすぎているような……うーん。

まぁわからんのだが、後輩ちゃんがどうなるかは、この漫画がカップル乱造系のジャンルになるかどうかの瀬戸際でもある。なんかちょっと外れるような気もするんだけど、どうなるかなぁ。カナデラブ!!

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