山本アリフレッド, 理系が恋に落ちたので証明してみた。 6, 2019
いつの間に6巻出てたのさ、もー。もうすぐ7巻出るやん。そんでもってアニメ化おめでとうございます。
文系天下の漫画界における貴重なガチ理系ラブコメ。理系といっても情報系の色が濃いが。情報系なのに白衣だが。
正直修羅場っぽい展開になった時は「そ、そんなの求めてないっすよ!」という気持ちでいっぱいだったが、そういう気持ちになることを作者さんは織り込み済みで描いていたようだ。さすがですわ。
後輩ちゃんの反応がいちいち楽しくて好き。読者視点だと一番共感できてしまうのはこの子だもんな 笑。
いっときは心拍数地獄だったが、今回はオキシトシンが目立つ。作者さん便利な指標見つけたな。指標が変われば展開も変わる、だがやることは変わらない、イチャイチャするだけ 笑。以下6巻感想。
初キスの分析
いやー、一時は修羅場っぽくなってどうなることかと思ったけれど、無事着地したようでよかったよかった。というか、漫画家の人の言葉を見るに、読者がこの漫画にそういうものを求めていないと、わかったうえで作者さんは展開を作っていたんやねぇ。さすがですなぁ。うんうん。
そんで今度は、デートのトキメキを定量分析したプレゼンに続き、初キスのトキメキを定量化ですよ。しかもオキシトシンの分泌量とか、用いられる指標が着実にグレードアップしている 笑。こいつらキスのたびに唾液採取して分析器にかけてんのか……。そうか……。
さすが後輩ちゃん、言いたいことを言ってくれるできる女!いやほんと後輩ちゃん楽しい。もう後輩ちゃんが楽しい。
後輩ちゃんの反応楽しすぎ問題
いやまぁラブコメなので基本はもちろん雪村と氷室(と例の幼馴染二人)のイチャイチャを楽しみに読んでいるのだが、それはそれとしてもうひとつの楽しみが傍観者である後輩ちゃんの反応なのだ。
この第三者ポジションは、イチャラブ漫画においては存外重要かつおいしいポジションだな、と最近思う。となりの関くんの後藤さんやかぐや様のかれんのように、カプ厨化して妄想を繰り広げたり、魔法陣グルグルのジュジュのごとく二人を後押しするカプ厨兼応援団長になったり、色々なパターンがあるが、後輩ちゃんの場合は一方的に巻き込まれ当てられて呆れつつも生暖かく見守る被害者傍観者である。
なので、後輩ちゃんは二人のいちゃラブ空間にちょいちょい苛立っているのだが、その感じが共感できすぎて楽しすぎる 笑。後輩ちゃんの想いを一言に凝縮されているのは下記のコマだろうか。
「分かった証明する!!今指摘された点を改善したキスをやり直す!!」
山本アリフレッド, 理系が恋をしたので証明してみた。 6, 2019
「ちゃんと2秒以上やらないと許さないからね!!」
(頼むから全体的に他所でやってくんねぇかな…)
名言過ぎる。後輩ちゃんは別に望んで先輩たちの恋愛劇場に巻き込まれているわけではないのだよね。そこらへんが、カプ厨化した第三者とは一線を画している。というかカプ厨キャラは本当に見ているだけのことが多いので、むしろ傍観者と呼ぶべきはそちらなのか 笑。
本巻ではまたバカップルが増えるのだが、そのときの後輩ちゃんがまた面白い。
(感じる…バカップルの気配を!!)
山本アリフレッド, 理系が恋をしたので証明してみた。 6, 2019
なんかどこかの戦闘民族みたいになっている後輩ちゃん。また、バカップルを見て戸惑うバカップルという構図も素敵。
バカップルを見て腹が立っているバカップルを見て腹が立っている後輩ちゃんというカオス。これは数学的に研究対象になりうるのではないか(参考「【数学】NHKから国民を守る党からNHKを守る党からNHKから国民を守る党を守る党 - Qiita」)。本当に愉快な漫画である。
新たな指標、それは戦略の進化
苛立つ後輩ちゃんを尻目に、バカップルたちはオキシトシンという定量化できるそれっぽいものを手にして、なぜかバトル展開みたいな様相を呈しているが、これは心拍数では説得力が足りなくてできない展開だったよね。
ビジネス的に言えば、心拍数などは恋の証明という目的のためのKPIと言えるのだが、このKPIの選択はもっと大きな戦略が反映されている。KPIとはKey Performance Indicatorの略で、目的を達成するための指標を意味している。
このサイトはブログなので、ブログでたとえてみよう。ブログの成長という目的を考えたとき、アクセス数やリピーター率などが指標、すなわちKPIとして考えられる。が、何を採用するかは戦略次第だ。とにかく人を集めよう!という戦略ならばアクセス数がKPIになるし、常連さんを作ろう!ならばリピーター率がKPIになるだろう。
このように、戦略が変わればKPIも変わる。逆に考えると、KPIを決められない戦略は取りづらいし、KPI自体どれだけ信頼できるのかも問われる。アクセス数が多いからって人が集まっているとは限らない、というように(同じ人が何度もアクセスしてもアクセス数は増える。なので、この場合はセッション数、ユーザー数などがよりよいKPIと言える)。つまり、有望なKPIが増えると、取れる戦略も変わりうる。漫画で言えば、漫画の展開が変わる。
今回は、オキシトシンというたいへん有望な指標を取り入れることで、バトル漫画っぽい新展開に発展させることに成功したわけだ。心拍数とかボタンの押下数じゃちょっと無理だったよねこれは。心拍数とか緊張しているだけかもしんないし、限界もあるし、ボタンは主観的過ぎるし。少なくとも、オキシトシンの分泌量のほうが親愛の表現には適しているように見える。
やっぱね、一時期の心拍数地獄ではやっぱちょっと飽きがあったし、イチャイチャするにもバリエーションがないと…ね?今後、新たな指標が見つかるたびにいちゃラブの展開も増えるだろう。頑張れ作者さん!
まぁ作者さんも後輩ちゃん経由で注意しているとおり、オキシトシンで本当に測れるのかというとそんなことはないだろうが、いいんだ、大事なのは雰囲気だから!そのへんもちゃんと後輩ちゃんがクールに突っ込んでいるから大丈夫!バカップルどもはイチャイチャしていればいいよ。そしてこのバカバカしいラブアンドウォーを決するのは誰だ!?全然気にならねぇ!でも次巻楽しみ!
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