『Re:ゼロから始める異世界生活 第一章(漫画)』:良いコミカライズ

原作・長月達平。漫画・マツダセイイチ。2014-2015年全2巻。リゼロでおなじみなろう原作のコミカライズ。

原作は→「Re:ゼロから始める異世界生活」」。書籍版もあり。なろう系やね。原作、まだ読んでないんよ……。でもAmazonプライムでアニメは見たよ。

原作を読んでないのでハッキリとは言い切れないが、コミカライズとしてはかなり良い方じゃなかろうか。最初の方はちょっと端折られているような印象も受けたけれど、リゼロ最大の特徴である死に戻りが始まってからはぐんぐん先を読ませた。

まだみんな大好きレムが出ていないのでラブコメ展開的には微妙かも。スバルとエミリアも王道のボーイ・ミーツ・ガールなんだけれど、話としては表題どおり第一章って感じやしねぇ。ボーイ・ミーツ・ガールは時間がかかる。以下1巻感想。

目次

いいコミカライズやね

Webサイト小説家になろう出身の中でもかなり典型的と思われる異世界転生もの、いわゆる"なろう系"。原作は全部Webで読めるのだけれど(削除されていなくて嬉しい)、まだ読んでいない。アニメだけ見た。Amazonさんありがとう。

原作読まずして作品語るなかれが信条ではあるのだけれど……なろう系ってのはどうにも冗長に過ぎるきらいがあるので、なかなか。だったら書籍版読めって話ではあるんだが。まぁでも、評判を聞く限りは大筋はアニメもそんなに変わらないようであるし、純粋にエンターテイメントの作品であるし、いいだろう。

さてさて、コミカライズというジャンルはジャンル自体が広大な地雷原で、「まぁ…ファンブックみたいなもんやし……」と買った自分に謎の言い訳をして読んだ後一人はにかむような作品が蔓延っている。同じなろう出身の「この素晴らしい世界に祝福を!」なども、アニメは良かったもののコミカライズはまぁ……ファンブックやし……ってなもんであった(ギャグ系はその限りではない)。

なので、この作品も果たしてどうかなぁと思いながら読み始めた。最初のエミリアと会ってグダグダしているところはちょっと端折られているような感もあり、うーんと思っていたのだけれど、死に戻りが始まってからは勢いがついた。これは、コミカライズとしてよい部類に入るのではなかろうか。久々にあたりか。

まず戦闘シーンがええな。コミカライズの醍醐味に、動きのあるシーンを絵で楽しめることがある。その代表格が戦闘シーンだ。この作品は派手な戦闘シーンも多いので、そこがしっかり描かれていると、それだけでコミカライズとして買ってよかったなと思える。

それだけでなく、静のシーン…たとえば、スバルとロム爺さんの会話シーンなんかもいい感じだ。いかにも原作付きです!というコミカライズにありがちな冗長さがない。話にもちゃんとついていける。

コミカライズの中には、とにかく原作の話を詰め込むだけ詰め込もうとしたせいか、盛り上がっているのに妙に淡々としていて、原作の各ページの情景を切り貼りしたような、出来の悪いダイジェスト状態になっているものもよくあるもんだ。。そうなっていないのは、やはり漫画としてしっかり再構成しているからじゃなかろうか。

序盤過ぎる

とまぁ、なんだかコミカライズの出来の話に終始してしまったが、話が序盤過ぎるので致し方ない。腸大好きクレイジー女を撃退するところで第一部完なのは原作どおりなのだろうが、内容としてはみんなの顔見せ、世界観紹介といったところ。スバルとエミリアのボーイ・ミーツ・ガールと受け取ろうにも、スバルの言う通りここで終われば割に合わないハッピーエンドやしなぁ。実際、本作が本格的に始まるのは次のロズワールの屋敷からだろうし。

ということで、みんな大好きレムりんは第二部からの出番…なのだが、漫画の人が変わるみたいだ。この第一部、いいコミカライズだったと思うけど…なんで変えるんだろう。スケジュールの問題なんだろうか。第三部はまたこの人のようだが。その影響なのかは知らないが、第一部と第三部は電子書籍でセールしていたのに、第二部だけセールしていないという微妙な状態であった……うーむ……。

異世界転生もの主人公

ところで、自分はこの手の異世界転生ものを読み慣れているとは言いづらいのであるけれど、異世界に転生する人間が元の世界ではうだつの上がらない生活を送っていたのだろうというのが一つのテンプレであるのはなんとなくわかる。まぁイケメンリア充では読者の共感も得られづらいだろう。

しかし、物語中の立ち回りを見ていると、いかにゲームなどでファンタジーのお約束を神視点で知っていて、しかもそれが通用する世界、という前提を加味しても、主人公は「なんでお前元の世界で灰色の青春だったんだ」と疑問を呈さずにはいられないくらいのコミュニケーション能力と度胸と行動力を持っていることが多いような気がする。

特に度胸がすごい。肝が座っているというか。物怖じしないというか。なんか起業して成功しそうなタイプだわ。いやまぁ、ほんとに根っからの根暗で行動力皆無なタイプじゃ物語にならんのはそうだろうけど。リゼロのスバルにしてもこのすばのカズマにしても、決して自己卑下しているような低スペック人間じゃないよなぁといつも思う。

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次