積ん読消化の季節。なぜ持っているのかすら覚えていないシリーズ。2018年作品。作・千氏夜。
甘酸っぱいにも到達していないのではないかと思われる、男女の4コマ会話劇がひたすら繰り返される群像劇スタイル。どうもTwitter漫画なんだろうか。色々なラブコメにおける定番パターンを切り抜いた感じで、ラブコメパターンのカタログの様相を呈している。ラブコメ好きな諸兄であれば「どこかで見たアレ」をひたすら見ていくことになるだろう。
以下どこかで見た何かが走馬灯のように流れていく1巻感想。
ラブコメあつめました
本作は2018年作品ということで、そういえばTwitter漫画とか流行っていた頃の気がする。本サイトで取り上げたものであればなぜだ内藤なんかは印象深かった。

いちゃラブカップル会話劇は、多分Twitter漫画と相性が良いのだろうと思われる。ただ一期一会になりがちなTwitter漫画の特性から、ストーリーものはやりづらい。
そうして生まれた結果なのかどうか、本作は「だったら毎回新キャラでいんじゃね」と言わんばかりの恋愛ショートショートになっているのだが、続けて読んでいると「ラブコメパターン集」あるいは「ラブコメカタログ」を読んでいるような気分になった。
ラブコメ好きの諸兄であれば「あるあるー(現実にはないー)」とか言っている間に最後のページにたどり着くかもしれない。ただ本作を読むのは全員ラヴァーズの気はする。
きわめてまっとう
ただそこに描かれているラブコメパターンは極めて真っ当にしてストレートであるため、ラブコメに読み慣れた人だと「おおぅ……」となってしまうかもしれない。
「好きな人いるんだ」
(君なんだけどなぁ〜……)
お、おう。
実際、多分本作は一定年齢を超えるとちょっとつらい代物と思われる。
ラブコメ会話劇なら、個人的には位置原光Z作品が白眉だと思うのだが、あれはフェチズムが滲み出たやや玄人向けの作品なので、読み慣れた人なら楽しめても、逆になれていないと「え……」となってしまいそうだ。

本作にはこういうヘンタイ性はない。
まぁ表紙を見ればわかるように、おっぱい話多かったりするんだけれど、なんといいますか、健全にエッチなんよね、ほんとに。これなら親御さんも「まったく仕方ない子ねぇ」と許してくれるでしょう。
フルカラーです
良いところをあげると、本作は文字通りの色とりどりとなっております。端的に言うとフルカラー。色は綺麗ではないけれど、あるとわかりやすい。ってか「髪色でキャラ判別できる感」あるのでとても助かる。これは本当に。本作に限らず、正直もうキャラの見分けつかないこと多いので……いや、私現実世界の人間の顔もあまり見分けできないので……(コミュ症)。2018年でフルカラーなのになぜ2025年にもなってほとんど白黒なのか……。フルカラーが普通になってほしかったなぁ。
基本的にはローティーンくらいが一番楽しめる作品に思えたが、あの年代では読んでいることバレたくなさそうな作品でもある。かといってもはやどうでもいい年齢になって読むと、ちょっとつらいのは確かではあるけれど、色々と懐かしい(妄想)気分に浸れるかもしれない。
コメント
コメント一覧 (2件)
この既視感……徒然チルドレンじゃな!?
『私には好きな人がいます。4月のクラス替えを機に告白しようと思ってます。』
↑
もうこの時点で決して戻らない日々を思い出されて辛いです……。
そういえば徒然チルドレン構成ですね。ただ本作はちょっとギャルゲっぽさが強い気もします。