『幼なじみリレイション』1巻感想:ツンデレ幼なじみ?いやデレデレ幼なじみ。ツンのほうこそがデレという幼なじみの醍醐味

お姉ちゃんが来たの安西理晃による幼馴染漫画。タイトルに幼馴染がついている安心の幼馴染もの。

似非不良とツンデレ幼馴染もの。設定自体は既視感ある?でもツンデレの事情が多分に社会的、というところにちょっと癖がある。また、かなり激しいツンだが、よくよく考えてみるとそのツンそのものがデレ。つまり実はデレデレ。複数カップルものになりそうなのは当サイト的にポイント高い。以下感想。

目次

ツンそのものがデレなのでデレデレ

強面で不器用な性格であるが故に、優しいのに不良と勘違いされている主人公・並川紘と、一見優等生だが実は腹黒な幼馴染・中原未来を中心としたラブコメ。身も蓋もない言い方をすれば、ツンデレ幼馴染もの。ただそのツンデレの理由が、性格的なものというよりは、周囲の環境からくるもの、というところがややひねている。さらに、そのツンぶりがなかなか徹底している。

安西理晃, 幼なじみリレイション, 第1巻
安西理晃, 幼なじみリレイション, 第1巻

↑なにしろヒロインの初登場1コマ目がこれである。ヤンキー彼女ものなら1コマ目キレ顔ってのもあると思うが、そうでもないのに、しかも割と本気のキレ顔ということで、なかなか気合が入っている。しかもキレながらいうことが「学校で話しかけんな」って反抗期の妹か

このキレ方は一見ひどいようだけれど、実は嫁宣言。いくら長年の付き合いとはいえ、普通友達に「学校で話しかけんな」なんて言われたら絶交ものだ、というかそれは友達じゃない。これは身内にするキレ方である。つまり、逆説的に自分が身内並に親しい関係であることを告げている。そして二人は年頃の男女である。したがって、嫁宣言である。

わかりやすいデレ展開もあるが、それよりも実はこのツンのほうがデレ分は強いと言える。ツンがデレなので、ツンデレというよりデレデレ。このへんは、幼なじみという関係がうまく活かされているなーと思った。デレよりツンが可愛い。ヒロインの邪悪な顔がすごくいいんよね。↓とかも。

安西理晃, 幼なじみリレイション, 第1巻
安西理晃, 幼なじみリレイション, 第1巻

ええ顔しとる!そしてこんな顔しても関係は崩れないっていう、確信があるんよね。まさにツンこそデレ。

そういやお姉ちゃんが来たも、一番いいキャラしてて可愛いなと思ったのは腹黒クラスメートだった。この作者さんは腹黒キャラを描くのがうまいのぅ。あっちの腹黒は割と本格的にクソアマ系なのでまたちょっと性質が違うかもだが。

ツンデレの理由

とはいえ、これがあまり続くと、いくら根底に好意があるとはいえ、紘がいい子なだけに「ちょっとひどくね?」と思ってしまうことも事実。が、そこは彼女のツンデレの理由に、親、世間体という社会的な要因をもたせることで、ツンで接するのは紘との繋がりを断ち切らないようにするためなんだということがわかり、読者的にもなら仕方ないか、と納得できる。

なのだが、それがために普通のツンデレっぽくもなってしまうジレンマもある。結局ツンデレかよ、と鼻白む見方もあるか。でも、そこがこの二人の関係の根幹。家族を巻き込んでいるという大きな特徴。そこんとこつめると、単なるツンデレ幼なじみを越え、家族ものとしての一面がお話を深くしてくれそうで、今後に期待。

本質的に家族ものの一面があるのであれば、テーマ的にお姉ちゃんが来たとけっこう近いのかもなー。個人的には、片思いのデイジーチェーン状態のお姉ちゃんが来たより、ちゃんとカップルになってるこっちのが好きだな。幼なじみ以外にも、宮村と御鈴のラインも期待できそうだしね。

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