↑このネット社会において、今時の中学生はもはや写真集なんぞ使っとらんだろうが、この時期から「エロい」ということがステータスになり始める不思議。そして一周して「なんにも使えねぇ」本にエロスを感じられるようになるのが逆に高レベルとして敬われるようになるのだいずれ。
それはそれとして、中学生の生々しい性の目覚めが描かれた漫画。特筆すべきは、フェチにも触れているところ。
基本情報
『R-中学生(1)』(ゴトウユキコ):ヤンマガKCスペシャル|講談社コミックプラス
全3巻。作者はゴトウユキコ。
だいたいこんな感じ
心と身体が子供から大人へ移行しつつある中学生たちの、いわゆる一つの青春漫画、なのだが、特に性的なところにフォーカスが当てられているのが特徴。さらにそれも、保健の教科書に載っているような話ではなく、初っ端の話が「女のナプキンに興奮する」というハイレベルな若き紳士の話で、シモに耐性のない人はこの時点で振り落とされそうに思う。
ただ、その後は比較的マイルドに、クラスの男子の中で勇者として認められんがためにブス教師の乳を揉むなど、中学生らしい爽やかさと馬鹿さ加減を交えて、男子はアホだなぁという感じの話が多い。初っ端でナプキンに興奮したハイレベル紳士もその輪に混じり、立派に青春している。というか、ナプキンに性的興奮を覚えること以外については、普通の中学生なのである。
他、幼児体型を気にする女子の話など、男子だけではなく女子も十分に思春期っぷりを爆発させている。
もう一つ個人的に特徴的だと思うのは、明らかな学力格差、人間性の差がクラス内でも大きく、またそれによってグループ分けがなされて、また各人がそれを意識している節があるところ。このあたりはまさに公立中学校のカオスさがよく出ていると思う。
高校以降になると、学力で区分けされるせいか、こういうカオスがなくなる。学力というやつは、なんだかしらんが、人間性のクラスタリングをかなり的確にするようで、高校より上に行くに連れて、集団の中の人間のタイプが均一になっていく。そのほうが効率はよいと思うし、無用な対立も避けられると思うが、つまらないといえばつまらない。
ところで、ラブコメとして美味しいのかという視点が、本ブログ的にはあるのだが、思春期の群像劇であるから、やはり好いた惚れたの話は多く、要素自体はある。でも、特にラブコメとしてはときめかない。なんというか、人間関係が生々しいので、どちらかというとサークルや部活の色恋話を聞いているような気分になり、面白くはあるのだが、特にカップルを応援しようという気にはならないのである。
総評
保健の教科書にはのらない、思春期の切実な性の話。
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