『万能鑑定士Qの事件簿』1-3巻感想:凜田莉子ちゃん可愛い!のはいいとして、漫画としては大人しいミステリ

原作小説のコミカライズ。漫画版は2013年1巻なので10年以上前だね恐ろしい。当サイト的なラブコメ観点では主人公かつヒロインの凜田莉子が可愛いに尽きるかもしれない。自分はミステリ趣味はないのでどうするかなと思ったけれど、漫画版10巻表紙のラブコメ指数が高かったのでポチった。探偵モノは秘密を共有する協力者や助手的な存在があるからか、ラブコメ指数高いものが地味に多い気がする。俺にもミステリ趣味があればよかったのに。

そんなわけで以下1-3巻感想。ミステリかつ初巻の感想なので、ネタバレ的な配慮は一応する。

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凜田莉子ちゃん可愛い!からの

本作のジャンルはミステリだけれど、当サイトはラブコメ観点ですべてを見ていきます。

で、その観点だと本作は主人公兼ヒロインの凜田莉子ちゃん23歳可愛い!からまず入ります。というか最初の方は本当にそれだけで読んでいた。

実際、最初のほうはかなり目が滑った。本作はまず大手出版社角川の小笠原くん26歳3年目だけど仕事がままならない今日この頃、都内に力士のシールが貼られまくっているどういうことなの、を頑張って調べ上げ、いい加減中堅として認められたいんだという割とどうでもよさげなストーリーから始まる。

そこで彼は本作の主人公にしてヒロインたる凜田莉子に出会うわけだが、基本的には蘊蓄たれたりちょっとした事件に立ち会ったりという程度で、何しろやっていることが力士シールとかいう変なシールの鑑定でしかないので何も盛り上がらない

これは原作が小説だからのように思える。原作未読だからなんとも言えないところではあるけれど、文字媒体は心情など抽象的な表現に優れるため、特段何もない日々やちょっとした出来事でも、そこにいる人の心の機微を描写することで読ませるわけだが、そういったものは視覚的には表現が難しい類になるだろう

漫画だったら開始早々不思議な力で莉子のスカートがめくれたり、ヤなやつが現れたと思ったら次の話で首釣って見開き登場ドン!みたいなことがありそうなものだが、本作はあくまでしっとりと大人しく進む。そして描かれているのは何があったか、何を話したかという情報がメインで、恐らく原作では描かれていたのではないかと思われる登場人物の機微のようなものは読み取るのが難しくなったのではないか。まぁそこらへんイチイチクローズアップしていたら、ミステリとして必要な情報を描けないということかもしれない。残念ながら莉子のパンツを描く余地はないということだ(クソリプ)。

しかし同じくミステリ小説コミカライズの虚構推理では、そういった違和感はなかったし、やはりコミカライズの問題もあるようには思うのだよなぁ。

まぁ虚構推理はラブコメ指数がかなり高いので、俺に贔屓されたのはあるかもしれない。そういえばこれも積んでるわ。

漫画としては……

3巻くらいになるとようやく物語が大きく動き始めて、ストーリーものとしても見所が出てくる。ネタバレ配慮といったものの、まぁ犯人と被害者(この事件だと直接の被害者は不在だけど)さえ言わなきゃいいだろうと思うので言うと、偽札流通によるハイパーインフレだ。

これはちょっとスケールの大きさにビックリするところで、よくよく考えて見るといや考えなくても「んな阿呆な」という感じはする。特に最近だと現金以外の流通も出版当時(2013年)に比べて増えているために余計に違和感はあるかもしれない(といっても日本はジャパンなので現金決済の割合は以前として6割ほどあるらしい『現金決済、いまだに6割…紙幣流通量の半分60兆円は「タンス預金」とも : 読売新聞』)。

まぁでも、日本は確かに偽札の割合が低いようで、そんな日本で偽札騒ぎが起きれば大騒ぎになるのはそうだろう。

金融調査研究会報告書 キャッシュレス社会の進展と金融制度のあり方
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/news/news300731_2.pdf

しかしハイパーインフレもまた、漫画としてはその深刻さを表現しづらいものだと思う。抽象度が高く、その深刻さを細かに説明してたら日経新聞の解説記事になってしまうだろう。まぁパニック映画的な描写は可能だと思うのだけれど、原作で特にそういった描写がないからなのかどうか、視覚的にわかりやすいパニックもあまり見られなかった(まったく描かれていないわけではないが)。

総じて、漫画としては非常に控えめ、という印象は拭えない。もうちょっと漫画的に盛り上がる表現はあってもよかったんじゃなかろうか。

ラブコメ観点

まぁそんなわけで、ラブコメ観点と言いつつここまでの情報は主人公ヒロインの凜田莉子は可愛い、ただしパンツは見えない、というゴミみたいなことしか書いてないわけだが、それはそれ以上特に言うことがないからでもある。一応小笠原くんとは親しくなっているし、ナイスミドルなイケオジもいるので、なんかあるのかもしれないのだが、今のところは特に言うほどのことはないかな。

そこらへんは社会人かつ仕事の繋がりなので、そうホイホイラブなアレにはならんよというのはまずあるように思いつつ、それ以上に本作自体品が良いのだろう、とは思わされた。それなのにパンツの話とかするんじゃないよまったく。いや別にそんなのは期待してなかったけど、表紙は明らかにヒロインの可愛さ全面に推してるやんけとも思うので、まぁ売り方なんだろうなぁとは思いつつ、随分と上品やないかいと、ちょっといじりたくなったのだよ。

まぁでも表紙の推移を見ていくと、多分ラブコメ展開のほうは期待していいと思うんだよなぁ。いやトラブったりする系ではないと思うけど。とりあえずコミカライズ全10巻はボチボチと忘れない程度に読んでいこう。

それにしても、2025年現在、ラブコメヒロインも高齢化が進んでいるためか、23歳ヒロインってラブコメヒロインとして見ても全然若いなと感じるなぁ。高齢化したのはお前定期。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 原作はミステリ…というより一時期流行ったキャラ小説に近い作品だと思いますが、漫画になるとヒロインの可愛さが際立ちますね。作画家に恵まれた故の表紙詐偽でしょうか(笑)。

    • 純粋に漫画としては少し品が良すぎるかな?という印象は受けました(お色気の話ではなく……笑)。
      でもこれがいいんだよという人はいそうです。実際お風呂上がりとかでぼーっとしたい時にはいいかもしれません。
      記が向いたらまた続き読むかなーって感じです。

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